空港職員の「防疫態勢」に抜かりはなかったか。

<厚生労働省は16日、関西国際空港の検疫所職員が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染していたと発表した。海外渡航歴がない人のオミクロン株陽性確認は初めて。

 厚労省によると、職員は30代女性。新型コロナの陽性が確認された入国者の宿泊療養施設で勤務していた。施設内には、後にオミクロン株への感染が判明した3人の入国者がいたが、この職員は陽性者らと直接接する業務はしていないという。13日の検査で陽性が確認されたため、ウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析。現在は入院している。職場関係者6人が濃厚接触者と認定され、待機施設に入っている。厚労省は施設内で感染したとみて調べている>(以上「毎日新聞」より引用)



 防疫の最前線で働く「関西国際空港の検疫所職員が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染していたと発表した」という。あってはならないことだ。
 防疫が完璧であるなら、空港職員も感染しないはずだ。だが感染していたことが判明したことから、彼らが症状が出る前に「濃厚接触した」人々に感染させている可能性がある。

 東京でもオミクロン株への国内感染患者が見つかったという。発症者に海外渡航歴はなく、サッカー観戦に言っていたという。かなりの範囲でオミクロン株が蔓延していると覚悟すべきではないか。
 予てより日本の防疫体制は「ザル」だと批判してきた。まさに「ザル」と批判する所以の結果ではないか。オミクロン株は感染力が強いといわれている。それなりの備えをして来たのではなかったか。

 季節的に忘年会から年末年始と、人々が「濃厚接触」する機会が多い。年末帰省により国民が大移動する前に、政府は警戒警報を発すべきだ。行政は帰省の自粛を促し、飲み会などの規模を縮小するように「要請」すべきだ。
 政府・厚労省は防疫のプロたる空港職員が感染したことは重大事と捉えなければならない。彼ら自身の「防疫態勢」に抜かりはなかったか。もう一度、空港で防疫に当たる職員の「防疫態勢」を徹底的に見直すべきだ。