日本政府も欧米の対中制裁の輪に加わるべきだ。

＜声明は日本本社の了解を得て中国法人が出したものだという。

　兵庫県に本社を置くスポーツ用品大手・アシックスの中国法人は3月25日、中国SNS・ウェイボーで、引き続き新疆ウイグル自治区産の綿花を購入すると発表した。

　中国では、同自治区産の綿花を購入しないなどとした海外企業に対するボイコットが呼びかけられていて、アシックスは「中国に対する一切の中傷やデマに反対する」とした。声明は日本の本社の了解を得て出された。

 
■使用は事実
　中国では、2020年9月に新疆ウイグル自治区産の綿花を使用しないと宣言していたスウェーデンの衣料品大手・H&Mに、3月24日になってから批判が集中。強制労働に関する報告に懸念を示し「自治区産の綿花を使用していない」としたアメリカ・ナイキもやり玉にあがっている。

　騒動が起きる前の22日には、EUがアメリカ・イギリス・カナダと歩調を合わせてウイグル族への深刻な人権侵害が起きているとして制裁を実施していて、専門家は「中国による報復ではないか」と分析している。この批判は、過去に同様の声明を出すなどしたユニクロなどにも及んでいる。

　こうしたなか、アシックスの中国法人は25日、SNS・ウェイボーで声明を発表。新疆ウイグル自治区を含めた中国国内から引き続き原材料を購入する方針を明らかにした。

　その上で、台湾は中国の一部分とする「一つの中国原則を堅持」し、「中国の主権と領土を断固として守り、中国に対する一切の中傷やデマに反対する」と表明した。アシックス本社の広報担当者によると、この声明は本社の了解を得て中国法人が出したものだという。

　その上で、ハフポスト日本版の取材に対し「中国国内で発売されているローカル商品にのみ、ごく微量の新疆綿が使われていることは事実。アシックスとしては人権や労働環境に配慮した生産委託を大前提にしている」と話した。日本のTwitterではこの声明に批判的な投稿もあるが、今のところ撤回の予定はないという。

　ほかにも、良品計画のブランド「無印良品」も新疆ウイグル自治区産の原材料を使っているとの指摘もある。ハフポスト日本版は良品計画にもメールで取材を申し込んでいる。返答があった場合、追記する＞(以上「HUFFPOST」より引用)




　欧米の自由主義諸国が一致結束して中共政府のウィグル人に対する「ジェノサイド」を制裁する措置に出ている。それに対して、中共政府はEUに対抗制裁するとして、EUの首脳数名や外交官に対して制裁すると表明した。

　引用記事にある通り、中国では「(ウィグル)自治区産の綿花を使用していない」としたアメリカ・ナイキもやり玉にあがっている」し、スウェーデンの衣料品大手・H&Mの製品をボイコットする動きがある。だが、ボイコット運動を始めた中国の青年たちは果たしてウィグルの極めて非人道的な「ジェノサイド」を知っているのだろうか。

　日本企業ではアシックスの他にもユニクロや無印良品などもウィグル自地区の綿花を製品に使用しているとされている。今後どのような対応をするのか不明だが、企業理念が問われることになる。

　利益第一主義で、儲かりさえすれば「ジェノサイド」に加担していようが構わない、という企業方針を表明するのか。そうすればいかに安価に製品を製造しようと、消費国の日本をはじめとする欧米諸国で不買運動が起きる可能性がある。日本をはじめ欧米諸国民の購買動機は「安ければよい」といった価格第一主義ではない。他にデザインやブランドの魅力で購買を決定している。

　その他にもメッセージで購入する人たちだって少なからずいる。例えばTシャツに書かれて「ガンバレ日本」などの応援が購入動機になったりしている。

　日本でウィグル綿を使用した衣料品を購入しない運動が起きないとも限らない。しかし、それにしてもアシックスの対応は酷すぎる。今後ともウイグル綿の使用を表明しただけではなく、現地法人が「中国に対する一切の中傷やデマに反対する」と日本の本社の了解を得て表明した。それは欧米諸国が中心となって繰り広げている中共政府によるウィグル人「ジェノサイド」批判に真っ向から挑戦することだ。

　腰抜けの日本政府は未だに態度表明していないが、ウィグル人に対する非人道的な「ジェノサイド」は歴然としている。いつまでも「知らんふり」を続けることは出来ないだろう。国際社会で日本はいかなる立ち位置に立つつもりなのだろうか。

　日本政府はそろそろ欧米の対中制裁の輪に加わるべきではないだろうか。態度を表明しないで様子見をするなど、日本はいつから姑息な国に成り果ててしまったのだろうか。