ニューヨーク州のクオモ知事は一晩で8000人が新型コロナウイルスの検査を受けたと明らかにした。

米ニューヨーク州のクオモ知事は19日、同州で昨夜8000人が新型コロナウイルスの検査を受けたと明らかにした。米国内で実施された検査としては最大規模の検査とみられることから、検査結果が判明すれば感染例が急増する公算が大きいと警告した。
 ニューヨーク州保健当局によると、米国ではこれまでに約9000人の新型コロナ感染が確認され、うち3000人超は同州内という。18日時点で国内の死者は151人、うちニューヨーク州では66人となっている。
 クオモ知事は実際の感染総数がこれまでに確認されている感染例の10倍に達する可能性があるとも警告。今後5─6週間後に迎えるとみられるピーク時には11万人の入院、約2万5000─3万7000人の集中治療室での治療が必要となる可能性があると試算した>(以上「ROUTER」より引用)



 ニューヨークの爆発的な感染拡大は脅威的だ。クオモ知事は実際の感染総数がこれまでに確認されている感染例の10倍に達する可能性があるとも警告したという。
 しかしクモオ知事は「今後5─6週間後に迎えるとみられるピーク時には11万人の入院、約2万5000─3万7000人の集中治療室での治療が必要となる可能性がある」というから極めて現実に即した試算だ。

 日本の安倍首相が国民に先月末に「今後一二週間が感染のピークだろう」とテレビを通じた「会見」で述べたのは何ら科学的な根拠もなく、一方的な危機感の表明でしかなかった。
 そして「専門家会議」もまた記者会見で爆発的な感染拡大を杞憂して見せたが、そこで科学的な根拠は何も提示されなかった。ただただ感染拡大を認識出来た範囲での「感想」コメントに過ぎない。

 日本の「検査遅延指針」に対して、クオモ知事は19日同州で昨夜8000人が新型コロナウイルスの検査を受けたと明らかにしたが、いずれが住民にとって良いか明らかだろう。少なくとも検査したことになり「漠たる不安」に苛まされることはない。
 検査結果が出て、感染拡大がどの地域で顕著かが判れば取り得る対策も個別的・具体的になる。日本のように漠然とした「投網を投げる」ような対策ではない。

 感染症の蔓延を喰いとめるには短期間に大量検査を実施して、感染状況を確実に把握する以外に対策の立てようがない。そうした意味では一晩に8,000人を検査したニューヨーク州の対応は評価できるだろう。
 日本方式の対応は確実に社会を委縮させ、経済を減速させる。それは観光やイベントといったエンターテイメントだけではなく、製造業などにも波及して深刻な影響を与える。

 安倍自公政権は「検査遅延指針」で一体何を目論んでいるのだろうか。成立させた「緊急事態法」で集会の自由や報道の自由を制限して、売国政治を徹底させるつもりなのだろうか。
 日本国民を「漠たる不安」で金縛りにしたまま、総選挙を打って大勝するつもりなのか。ここに来て安倍自公政権の支持が上向いているというから、国民は「漠たる不安」に縛られたままマゾヒスティックになっているとしか思えない。これほどの無能・無策の政府を支持する国民は不幸そのものだ。

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