日米二国間貿易協定はTAGではなくFTAだと米副大統領が言ったゾ。

パーデュー米農務長官は四日、日本との通商交渉で、日本と欧州連合(EU)が署名した経済連携協定(EPA)以上の農産品関税引き下げを求める考えを示した。ワシントンで記者団の取材に応じた。九月下旬の日米首脳会談の合意では、環太平洋連携協定(TPP)などの日本が結んだ過去の貿易協定の水準を最大限としていた。米側の強硬姿勢が鮮明となり、日本は難しい交渉を迫られそうだ。
 ペンス副大統領は四日の演説で、「日本と歴史的な自由貿易協定(FTA)に関する交渉を間もなく始める」と述べ、今回の日米協議はFTA交渉との位置付けを明確にした。安倍晋三首相は物品を対象にした「物品貿易協定(TAG)」と説明し、「包括的なFTAとは全く異なる」と強調しており、新たな通商交渉を巡る日本との認識のずれも表面化した。
 日本とEUのEPAでは、大半の品目で関税がなくなる。TPP並みに自由化され、ワインや一部のチーズなどはより譲歩した内容となっている。
 パーデュー氏は、日本がEUよりも米国と緊密な同盟関係にあると指摘し、「日本が農産品に関してEUに与えたのと同等かそれ以上の取引ができることを期待している」と語った。
 さらに、「われわれは日本を守っている。(貿易で)他の国にできることを、なぜ米国にはできないのか」と訴えた。四日の講演では、日本は米国との二国間交渉を拒んでいたが「トランプ米政権が検討している自動車の高関税の脅威があるため交渉に応じた」と説明した。
 米政権がTPPから離脱した一方、日本はTPPやEUとのEPAを推進している。このため米畜産業界では、牛肉などの対日輸出でオーストラリアや欧州のライバルとの競争条件が不利になるとの危機感が強まっている>(以上「東京新聞」より引用)

 政府は先の日米二国間貿易協定はTAGで、決してFTAではないと説明していた。しかしペンス米国副大統領は日米FTAだと明言した。
 口先で国民を騙し続けて来た安倍自公政権は日米貿易交渉でもTAGであって知財なども含むFTA交渉ではない、と説明していたのは安倍氏お得意の嘘だったようだ。日本のマスメディアは得々としてTAGとは何か、単に品物の取引だけに関する日米二国間貿易交渉だ、と政府と歩調を合わせて矮小化して報道していた。

 しかもTPPで協議した農産品輸入が妥協できる最大限だ、と米国に釘を刺したと説明していたが、それも違うようだ。米国は早くもEUとのEPA以上の条件でなければならない、なぜなら米国は日本を守っている、と大口を叩いている。
 米国は本当に日本を防衛しているのだろうか。日本を駐留米軍は守っているのだろうか。本当は逆で、米国の防衛のために日本を支配しているのではないだろうか。
 駐留軍のコストを払うべきは米国であって、日本は米軍に国内の土地や社会インフラを提供して極東最大の軍事基地を存続させている米国最大の「協力国」ではないだろうか。

 その日本に対して、米国はこれまでいかなる便益を与えて呉れたというのだろうか。先の大戦では前線とは全く関係のない日本本土の各地を空爆して、無辜の市民を焼夷弾や原爆で焼き殺した。明らかな戦時国際法違反だが、米国の誰もそのことで裁かれていない。
 戦後もGHQによる事後法で「戦犯」を裁くという醜悪な猿芝居を展開して「戦争指導者」を絞首刑にし、日本国民に自虐史観を植え付けた。今でも日本のマスメディア関係者は欧米列強が世界各地で展開した「植民地」と、日本が朝鮮半島と台湾で行った「併合」を故意に混同させるべく「挑戦半島の植民地時代」などとプロパガンダ発言を行っている。それも米国の一方的な「正義」の押し付けがなせる業だ。

 戦後世界は米ソ東西対決、という軍事大国の軍産共同体の利益に世界が呑み込まれ、日本も米軍を主力とする連合国GHQの米軍がサンフランシスコ条約締結後も日本に居座って事実上の占領政策を日本政府に強いた。
 その果実の一つが朝鮮戦争当時に急遽結成された警察予備隊=自衛隊で、今も米国は自衛隊を米軍の出先機関くらいにしか考えていない。だから米国製のポンコツ兵器を自衛隊が国家予算で爆買いして配備するのは当然だと考えている。

 日本が経済的に復興すると、米国は突如として1ドル360円と固定為替制度を変動為替制度に変更した。日本企業は固定為替制度を前提として輸出していたため、予期していない急激な円価格上昇に慌てふためいた。
 そして変動為替制度の下で「自由貿易」を推進していると、「集中豪雨輸出」だとか「日本製品に米国の産業が駆逐される」といった米国政府主導の反日批判が渦巻き、ついにプラザ合意で「円切り上げ」を呑まされた。それは「自由」な変動為替ではなく、米国政府による「円高ターゲット」為替制度というべきものだった。

 日本は散々米国の我儘に付き合わされてきた。北朝鮮の核開発に関しても、技術支援したのはロシアで資金的な支援は中・朝貿易を通じて中国が行ったのは明白だ。そうした「戦勝国クラブ」(「国連」のことをそう呼ぶ)の大きな顔をしている「戦勝国」五ヶ国のメンバー同士だから、彼らが話し合えば緊張戦の核開発は止められたはずだ。
 なぜ核開発を放置して北朝鮮に核を保有させたのか。それは彼らの国の軍産共同体にとって、紛争の火種があることは商売のタネになるからだ。軍産共同体にとって、世界大戦にならない程度の、そこそこの規模の戦争は「必要」だ。劣化した兵器をスクラップにするよりも、戦場で消費する方が儲かるからだ。

 それにしても「米国が日本を守ってやっているのだから、EUよりも米国に優先的な貿易協定を結べ」と脅すとは米国副大統領は日米関係の実態をご存知ないようだ。いや、日本が米国の占領下にあるという実態を百も承知の上で、さらに傲慢な態度を取っているのかも知れない。それほど米国の政治家も日本の政治家に劣らないほど劣化しているのだろう。そうした劣化に日本のマスメディアまで付き合って、政府発表のままTAGだと報道するのはいい加減やめて戴きたい。

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