<さいたま地裁が8月、ワンセグ放送を受信できる携帯電話を持っているだけではNHKの受信料を支払う「義務はない」と判断したことについて、高市早苗総務相は2日の閣議後記者会見で「携帯受信機も受信契約締結義務の対象と考えている」と述べた。

 裁判では、ワンセグ機能つき携帯電話の所有者が、放送法64条1項で受信契約の義務があると定められている「放送を受信できる受信設備を設置した者」にあたるかが争われた。高市氏は「NHKは『受信設備を設置する』ということの意味を『使用できる状況に置くこと』と規定しており、総務省もそれを認可している」と説明した。

 NHK広報部は2日、朝日新聞の取材に「現在、控訴の手続きを進めている」とした。高市氏は「訴訟の推移をしっかりと見守っていく」と述べた>(以上「朝日新聞」より引用)

 埼玉地裁の「ワンセグは受信できる装置とはみなさない」という判決を受けて、総務大臣の高市氏が「私見」を述べたというが、政治家は司法権も支配する全知全能の存在だとも考えているのだろうか。
 確かに高市氏を総務大臣に任命した安倍総理大臣は日本国憲法を「解釈改憲」して立憲主義を根底から覆した人物だ。安倍自公政権にはそうした憲法や法律や司法権の判断など「クソ喰らえ」と思い上がっている連中の集まりのようだ。

 確かに安倍自公政権はやりたい放題だ。特定機密保護法を制定して自分たちに都合の悪いことは国民に報せないようにした。それも最長60年間という世界に冠たる支配国家米国の25年を遙かに超える悪法中の悪法だ。
 政治家は国民から負託された権利を任期の間だけ執行できる権利を持っているに過ぎない。そうした国民との「契約」の上に成り立っている権利だということを忘却して、いつの間にか「全知全能のオレ」と勘違いしているようだ。

 安倍氏が自民党の党規に反して三期目も総裁を務めようがどうであろうが、それは自民党の定めた党規に過ぎない。勝手にしたら良い。しかし日本国憲法や裁判所判断に異なる見解を軽々に口にすべきではない。政治家に付与された権利は国会議員としての立法権と、内閣首班として政府を構成する行政権に過ぎない。
 高市氏は総務大臣であるからには総務省に関係する判決に対して断じて口を出すべきでない。司法権に対する行政権の侵害というものだ。そして司法判断に対して法が不完全だというのなら国会が「受信装置」とは何かを限定列挙すべく法改正を行うべき範疇だ。高市氏が私見を披瀝して司法権に介入するのは政治家として高市氏がいかにレベルの低い俗悪な人物かを示している。

 三権分立というこの国の権力のありようを根底から否定する発言を総務大臣が行ったことに対して、この国のマスメディアの問題意識の低さには驚く。なぜ喧々囂々たる批判が言論界から巻き起こらないのだろうか。この国のジャーナリストと自称している連中はすべて「安倍氏のスシトモ」として権力の御用・幇間に成り下がったのだろうか。


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