2012年は「羊頭狗肉」だったとの感慨一入だ。

  大晦日に今年を振り返ると「羊頭狗肉」政治盛んな年だった、との感慨一入だ。2009年に民主党政権が成立したが、成立早々からこの国のマスメディアの集中砲火を浴びて改革はあえなく頓挫した。未だに民主党が掲げた政策を「ばら撒き」と称する愚かな評論家がマスメディアを跋扈しているが、十年もしないうちに国民は「あれはバラ撒きではなかった」と心底後悔するだろう。


 


 子供手当は国家と国民がこぞって子育ての費用を負担する、という実感を子育て世帯に醸成する良い政策だった。まだまだ欧州諸国の子育て費用の1/3ほどにも満たない予算支出でしかないが、この国の「子育ては子を持つ親の務め」という古い頭の持ち主は「バラ撒き」だと評した。その筆頭格の年老いた政治評論家がこの世を去ったが、彼は最後まで民主党の掲げた子供手当が公共事業などとは比較にならないほど大きな投資係数を持つ未来への投資だと理解できなかった。


 


 高速道路無料化も実現することなくあえなく潰えた。道路公団という利権の塊を民営分社化した猪瀬氏たちの「改革」はまやかしでしかなく、結果として民営化した会社による不適切な維持・管理による笹子トンネル天井板崩落事故を招いた。


 無料化するということは究極の国営化だ。一般国道が全国に張り巡らされているが、それらはガソリン購入の際に支払う揮発油税により賄われている。高速道路を走る車もガソリンや軽油を消費している。一般国道と同じように無料化すべきだと思うが、利権に巣食っている連中はなかなか手放そうとしないで四の五の屁理屈をつける。


 たとえば建設費の50兆円をどうやって償還するのか、という議論を始める。それなら一般国道を建設した「建設国債」をどうやって償還するのか。それらはガソリンなどに課された税により償還される。高速道路建設費も国債残高としてこの国の借金にカウントされている。とりたてて高速道路建設費の借金と騒ぎ立てるたぐいの話ではないはずだ。しかしこの国のマスメディアは償還期限を45年から50年に引き伸ばしてでも高速道路通行料で償還するという立場を堅持する。つまり高速道路会社利権は向こう50年は安泰だということだ。そうした話でしかないのだが、国民はコロッと騙されている。


 無料化すればこの国の都市近郊の温泉地などは家族ずれで賑わうだろう。地方都市の生活道路だった国道を大型トラックが爆走することも少なくなるだろう。


 しかし、そうすると新幹線の売り上げが落ちるだとか、都市近郊の私鉄の売り上げが落ちるだとか、旅行会社のドル箱の海外ツアー客が逃げるだとか、様々な既得権益が騒ぐのだろう。


 この国の基本的な社会インフラを民営化する意味とは一体何だろうか。しか競争相手のない高速道路を。民営化すれば最大利益を求めて維持・管理費を手抜きすることは猪瀬氏たちにも分かっていたはずだ。


 


 高速道路会社と対照的なのが電力会社だ。民営会社といいつつ、その実態は恐ろしく官僚的な官業だ。今回の原発事故対応を見ていても東電は破綻していないにも拘らず国費をジャブジャブと投下している。電気料金も値上げだという。どこまで国民をバカにすれば官僚たちは満足するのか。すべては官僚たちの設計図が間違っていたのが原因だ。それを正せないどころか、安易に乗ってこの国に世界で2,3位を競う原発大国にしてしまった。原子力ムラの利権に群がった連中の饗宴の後始末をしなければならないが、安倍政権は後始末をやらないつもりのようだ。原子力ムラの住人たちの意見に従うと白状している。


 


 2012年は「羊頭狗肉」政権が大手を振って歩いた年だった。野田政権はマニフェストになかった「消費増税」を国民に信も問わずやってしまった。安倍氏は選挙で争点隠しを徹底して行い、原発を再稼働するとは言わなかった。そして今は福一原発事故とは関係のなかった活断層で騒いでいる。疑わしきは再稼働すべきでないのは議論の余地はないが、津波対策さえ出来れば「安全だ」と安倍氏は記者会見で述べている。一体いつ官・民の「事故調査委員会」はそうした結論を出したのだろうか。バカも休み休み言うものだ。


 


 その反対に選挙中は勇ましく息巻いていた対・中、対・韓政策はヘナヘナと腰砕けとなり、特使を派遣してご機嫌伺いをするという。「羊頭狗肉」政権もここに極まる。安倍氏は甘やかされて育った我儘な次男坊なのだろう。しかも小心者で瞬間湯沸かし器だという。領土侵犯にカッとなって強気発言はしたものの、官僚たちに脅されてたちまち軟化した。そうとしか思えない。なぜ相手から話があるまで強気で押さないのだろうか。中・韓とは国交断絶になっても日本はそれほど困らない。尻尾を振って近付くからつけ上がるのだ。喧嘩の仕方を腕白小僧の時代に学んで来なかったのだろう。


 


 来年はどうなるか。官僚たちにとって小心者の坊ちゃんほど扱いやすい者はない。官僚主導の政治が展開され、シロアリたちが大きな顔をする年になりそうだ。「羊頭狗肉」政治も来年は真っ盛りとなり、マスメディアも消費増税から軽減税で逃れたい一心で「ヨイショ」するのだろう。ネットが頑張って真実を拡散しなければ官僚やマスメディアのやりたい放題は来年も続くだろう。



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