第180通常国会で優先的に議論すべきこと。

  今日1/24日に第180通常国会が召集された。議論すべきことは来年度予算案だが、野田首相は「社会保障と税の一体改革国会」だと息巻いている。


 昨日、官房長官は早くも今回の国会で10%増税が決まったとしても今後さらに増税しなければならないだろうと定例記者会見で述べたようだ。それなら何のための「一体改革」なのか、与野党国会議員は野田首相に聞かなければならないだろう。


 


 官房長官もだが、財務省は余りに固定的に現在の景気と税収を前提として議論していないだろうか。増税により個人消費が落ち込めば税率は上げても税収は減少するという最悪の結果になりかねない。かつて税収は70兆円を超えていた。景気の落ち込みにより税収も減少し、ついに42兆円にまで落ち込んでしまった。不況こそが税収減の元凶なのだが、官僚たちも大手マスコミも彼らが不動産業を目の敵にしてバブルを徹底して潰したことによるとは口を噤んで一切触れようとしない。


 


 彼らがどれほど酷いことをやったか、若い人たちは知らないだろうから少しばかり書き連ねておく。


 まず不動産売買を分離課税として、事業として儲かっていようが赤字を出していようが不動産取引だけを日常的な経済活動から分離して課税した。それが購入してから十年以内の土地取引は短期譲渡所得とし、その場合は利益の98%を税として徴収した。つまり国が不動産屋の儲けをすべてピン撥ねしたのに等しい。しかも総量規制といって、金融機関に不動産業者に融資してはならない」とのお触れを出した。さらに特別監視地域といって土地価格の上昇が著しい都市部では土地取引に関しては事前に行政に届け出て許可を得なければならない、という自由取引経済を全く無視した狂気じみた制度を導入した。それにより不動産業者はバタバタと倒れ、死屍累々の状況を呈した。


 


 それから20年余、未だに一部の大都会を除いて地価は下落し続けている。国全体の信用経済はかつての1/3以下に縮小し、景気は停滞したまま活気は失われたままだ。


 それらの元凶は「悪徳不動産屋が儲けるのは怪しからん」という『市民感情』によるものだった。それならすべての不動産屋が投機に走りバブルに浮かれていたのかというとそうではない。むしろ不動産業者でない一般企業が不動産取引に乗り出し、金融取引に憂き身をやつしてバブルに浮かれて本業を忘れたのだ。そうした不動産投機まみれの町工場がゴマンと倒産した。いや立派な本業を持つ上場企業までも不動産投機に走り、バブル崩壊でおかしくなったところがゴマンとあった。


 


 不動産屋は悪徳だという大手マスコミ・テレビの連日連夜の報道過熱ぶりにはすさまじいものがあった。そのため、大手不動産企業が倒産してもむしろ国民は拍手喝さいと歓喜の声をあげた。それが20年以上も続く不景気の序章とも知らずに。


 今は消費増税を謳う財務省の応援団となり、大手マスコミは増税必至の大合唱をしている。それに気を良くして野田官僚内閣の飾り物の首相は「不退転の決意だ」と得意満面に吠えている。愚かしい限りだ。


 


 景気を良くすれば税収は「自然増」となる。かつては毎年の数兆円に上る自然増を消化するために、バカなバラマキをのべつ幕なしにやったものだ。その残滓が今に残り、始末の悪い官僚体質になってバブルの影を曳いている。それを徹底して取り除かない限り、国民は決して増税・負担増を許してはならない。かつての不動産業者がどれほど手酷い目にあわされたか、官僚たちは身を以て知らなければならない。



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