検察の裁量権とは何か。
実にあやふやな基準を作っていて、ターゲットとした人物だけ罪を問う、というのなら法治国家とはいえない。明らかな人治国家で先進国として恥ずべきことだ。
政治資金規正法に基づく収支報告書は実にいい加減な記載要件しか定められてなく、裁量権の入り身む余地を大いに残した不完全なものだ。そういえば国や地方自治体の会計である歳入歳出の大福帳会計も実にいい加減な構造になっている。だから毎年のように各所から裏金がポロッと数億円単位で出ても、それにより「一大疑獄事件」だとして大マスコミは騒がないし、罪に問われて刑務所へ入った公務員がいたとは寡聞にして知らない。
まさしく官公庁の裏金問題は公金横領だが、そのことによりかつて事件のあった大阪地検や札幌地検や東京地検や最高裁判所で誰か逮捕されたと報じられたことは皆無だが、結局身内の犯罪は大目に見ているということなのだろうか。
週刊ポストの記事を読んで小沢氏に対する執拗な追求には反吐が出る。それに対して大マスコミの記者や幇間評論家連中が正義面して小沢氏に対して非を鳴らすとは噴飯ものだ。裁量権を大いに残した、いわばガタのきた軸受でヨタヨタと廻っているこの国の司法当局は全面的な改革がなされなければならないだろう。
政治資金規正法だけではない、公職選挙法もしかりだ。選挙に際して電話作戦はほとんどの陣営が行っているが、それらがすべてボランティアの無料奉仕で行われていると誰が思っているだろうか。街中の溢れんばかりのポスターも無料奉仕で貼り換えられていると誰が思っているだろうか。そうした現実離れした規定は改廃すべきで、電話作戦にはしかるべきバイト料の支払いを認めるべきで、ポスター貼りは街の美観から全面禁止とすべきだろう。そしてかつては認められていた立会演説会は選挙候補者に義務付けるべきではないだろうか。おかしな法律は山のように放置され、警察や検察の裁量によって睨まれた候補者や政治家が血祭りにあげられる現実は一日も早く終わりにしなければならない。