安全性の確保は万全だったのか。

 福島原子力発電所一号機が爆発事故を起こした。幸いにして炉心格納庫が爆発したのではなく、炉心に注ぐ水が高熱の炉心により金属と反応して分解して水素が生成され、それが建物と炉心格納庫との間に溜まり酸素と化合して爆発したと思われている。


 


 しかし地震によって発電所へ来ていた電力が停止して、緊急停止した原子炉を冷却する冷却水を注入するポンプが停止したのが原因だというのは余りにお粗末だ。そうした場合に備えて設置されていたディーゼル発電機が地震により破損して作動しなかったというのだ。原子力発電所の耐震設計とはそうした周辺機器も含めての話ではないのだろうか。


 


 その後の対応は余りにアナログ的でお粗末をさらけ出した。冷却水を注入しなければ臨界点にあった原子炉を緊急停止しただけでは臨界点の高温状態にあるままだ。当然冷却するのが緊急の課題だと理解していたはずだから、廃炉になろうと海水を緊急注入する決断を素早くすべきだった。爆発後に海水を注入したのでは何にもならない。誰が海水注入を遅らせる判断をしたのか、責任を問わなければならない。


 


 即座に炉心に海水注入して冷却していれば恐らく爆発していなかった。地域住民に与えた被爆被害は生じていなかっただろう。原子力発電所を設置する際に電力会社は何と言って地域住民の了承を得たか、思い出すと良い。そして、海外へ日本の原子力発電施設を売り込む希望は灰燼に帰したといわざるを得ない。一号機を廃炉にしたくない、という目先の利益で地域住民の被爆被害のみならず日本の原子力発電の安全性が毀損された。東電のお粗末な判断は万死に値する。


 


 そして政府と内閣府原子力委員会や経済産業省原子力安全保安院は何をしていたのだろうか。専門家が集まって構成されているのなら臨機応変に対応すべく指示を出すべきだった。それが出来なかったのなら直ちに両方とも解散すべきだ。そして機動的な「会」を構成して強制力を持たせるべきだ。それが今回の人災ともいうべき事故によって明らかになった。政府の広報官たる枝野氏の時系列に見た会見内容を検証してみると良く分かる。彼がいかに危機感の欠如した人間か、ということが。



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