福島原発の報道は真実を報じているのか。

 福島第一原発の二号炉タービン建屋の放射能汚染が深刻な事態になっているようだ。当初から放射線の数値は安全内だと報じ続けていたが、それは何処での話なのか、そしてこれから原子炉を安定的な冷却状態へ移行できる確率はどれほどで、メルトダウンして放射能を炉心がばら撒く確率はどれほどなのか、といった冷静な報道はない。


 


  信頼性の高い報道のないまま、農産物などに対して風聞被害が出ている。東電の責任は重大だ。しかし東電には東電の言い分があるようだ。確かに建屋や施設は東電のもので日常の原発運転は東電の業務だが、原発の運営に関しては原子力委員会や原子力安全保安院などが当たるという変則的な体系になっているようだ。


 


 つまり東電の「無責任」とも思える体質は東電だけの責任でもないようだ。官僚たちが自分たちの利権を手放したくないだけで、本来なら学識経験者で構成されるべき保安院の人員が人事異動でほかの部署からも移ってくる仕組みになっていたようだ。つまり原子炉に関して素人が保安院の職員として福島原発事故現場へ赴いているというのだ。


 


 東電も責任を全うしようという姿勢が当初からあれば、地震・津波災害直後から適切な措置を絶え間なく行っていれば現在のような危機的状況を招来していなかった。そして原子力委員会が本当に原発をハンドリングしているのなら当初から情報収集に動き、適切な措置を現場に指示すべきだった。保安院も福島原発がすでに稼働から40年を経過した老朽化したもので、自然災害に対して備えが十分か、といった原子炉のみならず原子力発電所を取り巻く環境と非常時のバックアップ体制を絶え間なく検証しておくべきだった。


 


 危険な核融合反応を利用しているのだという原子炉そのものの仕組みを「安全」であるかのような報道を繰り返してきた大手マスコミにも問題があった。そして最高責任者たる菅氏も東電に不信感があるのか官邸に精神安定剤のような御用学者を呼んでご進講を承っているという。なんたるアホ振りだろうか。


 ここは東電を当事者として対応するしかないだろう。原子力委員会を構成している「原子力発電安全神話」を頭から信じ切っている御用学者にはテレビで「安全」のご高説を垂れる能力はあっても、放射能まみれの現場での事故処理対応能力はない。


 


 そして東電も「計画停電」などというバカげたことはやめるべきだ。計画停電がどれほど産業に悪影響を及ぼしているか、真剣に考えなければならない。彼らは電力使用料金が二ヶ月でも滞ると電気供給を平然と断ってきたではないか。計画停電を二ヶ月以上続ければ東電の部長級以上は全員クビにすべきだ。電気使用者は安定的に常時電気が供給されているのを前提としてあらゆるものを考えている。病院も電気機器で満たされているし、先端企業も安定的な電気が供給されているのを前提として集積回路などを作っている。銀行もIT機器を利用して銀行業務を行っている。それらも電力事業者が電気を絶え間なく送り続けているものだ、という前提で成り立っている。その責務に東電は応えるべきだし、万が一の場合の適応体制もとれるように他の電力会社と話し合い対応施設を作っておくべきだった。


 


 そうした脆弱な電力会社の状況を報道して警告してこなかった大手マスコミの微温湯体質にも問題がある。小沢氏に関しては重箱の隅を突っついてゴミもないのにゴミがあるがごとく、それがさも重大事であるがごとく報じ続けて政界の表舞台から追放したが、電力会社や官僚たちのなどの原発に対する無責任体質に対しては何も報じてこなかった。社会の木鐸たるべき報道・大手マスコミの体質も併せて問われなければならない。



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