「不条理排除」で小泉氏の真似をする不条理。

 小沢氏に国会で説明せよ、と菅氏は新年の記者会見で発言した。それも「政治とカネ」との大手マスコミが捏造した小沢疑惑のデマゴーグの呪文を自身も唱えることによって国民に刷り込まれた「小沢氏=悪徳」の悪と戦う姿勢を格好良く演出したつもりだろうか。


 


 それは「郵政民営化」のワンフレーズで突っ走り参議院で否決されるや衆議院解散を行うという論理性のない行動に打って出て、民営化に反対する党内勢力を「反対勢力」として切って捨て刺客候補を立てて大勝した。その「柳の下の二匹目のドジョウ」を狙ってのことと穿った見解を示す輩もいるが、そんなことはどうでもよい。


 


 問題なのは菅氏までも大手マスコミが検察リーク情報を一年半以上もタレ流した挙句、検察が不起訴としたのちまでも依然として「政治とカネ」なるプロパガンダをあらゆるメディアを総動員して小沢氏を攻撃し続けている流れに安直に乗ったことだ。問題なのは内政・外交で日本国首相としてこの一年に何をすべきと心得ているかを披歴すべき年初記者会見で、政策論議よりも小沢氏排除に力点を置き「政治とカネ」なるプロパガンダのフレーズを首相が何度も使ったという愚かさだ。そうしたことから明らかなように、問題なのはこの国の首相の政治目標が大衆週刊誌のレベルでしかないということだ。何という浅はかな首相をこの国は戴いているのだろうか。


 


 年内にも大久保氏をはじめ秘書たちの裁判は無罪判決を受けるだろうし、司法当局が無理やり裁判を始めたとしても小沢氏の無罪も確定するだろう。大手マスコミのしかるべき責任者は小沢氏無罪確定の後は名誉棄損と人権侵害による膨大な損害賠償請求を 提訴されるだろう。が、その時になって菅氏までもその一員に加わることになるとは首相としての見識も何もかもかなぐり捨てた浅ましい姿を晒したものだと気付いても余りにも遅いと非難されるべきことを記者会見で行ったのだ。


 


 二度目の議決で第五検審会が突如として議決事項に加味した4億円問題に関しても疑惑なるものは何処にも存在しない。不記載とされた政治資金収支報告書は記載されていることが政治資金収支報告書を掲載した官報(平成17年9月30日号外第223号247ページ最右欄に「借入金 小澤一郎 400,000,000.」)から明白だし、誰でも確認できることだ。ネット上にも何処かにアップしてあるはずだから探せば見つかるだろう。


 その4億円に西松建設や中堅ゼネコンの政治献金が紛れ込んでいると検察は贈収賄のストーリを書いたが、結果としてそうした事実は小沢氏不起訴から立件できなかったとみるべきだ。そうすると説明すべきは検察当局で「国策捜査」との疑惑を晴らすためにも検察は国会で説明すべきだし、国会議員が質すべきは「無理筋の因縁」をつけられて刑事被告人にされそうな小沢氏ではなく、火のないところに煙を立てて国民から選挙で選ばれた政治家に疑惑があるかのごとくに捜査情報をリークしたのは検察当局ではないだろうか。菅首相をはじめとして、そうした自明の理すら分からないで、よくも恥も外聞もなく国権の長たる国会で政治を執り行うものだ。


 


 大手マスコミの劣化も甚だしい。小沢氏を巡る報道姿勢は毅然とした先輩ジャーナリストが築いてきて国民の信頼を無に帰すものだ。民主主義に健全な報道機関が必要なのは論を待たないが、何処かの勢力とコミットした偏向報道機関は必要ない。むしろ害毒を流し国民を惑わすモノなのは戦前の大本営発表をタレ流し国民を戦争へ駆り立てたように、小沢氏の問題があるかのように虚偽報道を連日タレ流すことによって政治への信頼を損ねていることだ。大きな顔をしてバカなMCやコメンテータが「政治とカネ」などと小沢氏への疑惑捏造の呪文を発言するたびに国民の政治への信頼感を毀損しているのだ。大手マスコミがやっているのは日本の政治をネグレクトし政治機能不全にして国民を米国のポチにする下心があるのではないかと思われても仕方ないだろう。そして大手マスコミの思惑に悪乗りして「政治とカネ」なる呪文を唱える与野党の政治家も、自分自身も政治への信頼を損ねているのに気付かないおろかな連中でしかない、との自覚すらない馬鹿な政治家たちだ。程度としては菅氏と全く同じレベルでしかない。



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