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カジノで人は幸福になるのか。

<衆院議院運営委員会は29日、カジノ解禁推進法案を衆院内閣委員会に付託することを自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で決めました。  これに先立つ衆院議運委理事会で日本共産党の塩川鉄也議員は、法案について「日本にIR(統合型リゾート)をつくって海外のカジノ資本を参入させ地域振興を図るというが、逆に地域経済が疲弊して振興に逆行するものだ。依存症や多重債務拡大の懸念もある」と指摘。「そもそも審議もされていない法案を会期延長で審議入りすることは認められない」と述べ、反対を表明しました。  同法案は、自民党と旧維新の党などが昨年の通常国会に共同提出し継続案件となっていたものです。  民進党の蓮舫代表は同日の党代議士会で、「これまで議員立法は全党一致でおろす(委員会に付託する)ものだった。与党だけで強硬におろす、この姿勢も国会をばかにしていると言わざるを得ない」と述べました>(以上「赤旗」より引用)  カジノを設置して国民は幸せになれるのだろうか。既に海外のカジノはブームが去り、下火になりつつあるというのに』経済効果」などと銘打って、御用評論家たちも応援しているようだ。  カジノと名称を変えても、所詮は博奕場である。一瞬の偶然的な「丁・半博奕」で多額のカネが動くのに魅力を感じる人がいるのも認めた上で、それでも国民の幸せを願ってカジノに反対せざるを得ない。  海外から観光客を呼び込んでカジノで稼ぐ、というのも本末転倒ではないだろうか。ラスベガスのように砂漠の真ん中に人工的に街を造って「快楽の町」と宣伝を行ったとしても、繫栄は不幸の仇花でしかない。  いや、そもそも海外からこれ以上観光客を呼び込む必要があるだろうか。呼び込んだとしても、カジノという博奕場で時間を潰す観光客とは一体何者だろうか。  日本には素晴らしい四季折々の自然があり、それぞれの町にも二千年に及ぶ歴史があり、外国人が数日の観光でカジノに飛び込まざるを得ないほど飽き飽きするような観光資源ではないはずだ。  そしてカジノには不良が集い犯罪の悪臭が立ち込める。青少年にとって有害であるばかりでなく、マジメな大人にとっても有害だ。博奕依存症に陥った「大人」たちがいかに悲惨な人生を送っているか、隣国のウォーカーヒルズ近郊の街に巣食う依存症の人たちの末路を政治家たちは見て来ると良い。  海外の観光客を呼び込まなくとも、国民

亡国のTPPに反対する。

<「自己利益最大化を求めるグローバル投資家vs日本国民」の戦い  もっともらしい「構造改革」の正体、それは亡国への道  未だにTPPについて「中国包囲網」などなど、厨二病的なことを主張する人が少なくなく、呆れてしまうのですが、TPPとは日本における「構造改革を後戻りさせない」「さらなる構造改革を推進する」ための仕掛けに過ぎません。 構造改革とは、各種の規制を緩和、撤廃し、法律改定により特定のグローバル企業、グローバル投資家の「利益最大化」を実現するレント・シーキングの一手法です。とはいえ、レント・シーキングを狙う構造改革派は、「目的は、自分の利益最大化です」と、説明することはできません。  というわけで、何となく「それっぽい理由」を持ち出し、規制の管理下にある業界を「悪者」とすることで、構造改革を進めようとしています。  全農解体でいえば「『攻めの農業』の実現に向けた農協改革」と、実に「それっぽい」タイトルで進められています。  成熟し多様化する国内市場、大きく拡大する世界市場に、魅力あふれる日本の農産物の真の価値を伝え、日本の農業を大きく飛躍させる重要な鍵を、農協組織が握っているのです。とりわけ、農業者や農業生産資材業界、流通加工業界と密度の濃い接点を有する全農が、その潜在力を大きく開花させ、農業者の協同組織という原点に立ち返り、農業者の立場であることを明確にして「攻めの農業」の実現をリードする組織へと生まれ変わることを期待して、その目指すべき改革の方向を提言します。と、冗談でも何でもなく規制改革推進会議の提言の冒頭に書いてあるのです。  どうですか? この美辞麗句。中身のない、抽象用語の羅列。それでも何となく「それっぽい」ために、提言を読む人は、あたかも規制改革推進会議が真剣に日本の農業や農協について考えているかのごとき錯覚を覚えてしまいます。  とはいえ、実際の提言の中身は、「全農の生産資材に関する商社ビジネスを禁止する」「全農は農家から農産物を全量買い取れ」と、民間組織である全農に対する不当介入です。一体全体、何の権利に基づき、政府の諮問機関に過ぎない規制改革推進会議が、全農を「破綻」させるための提言ができるのか、今でも分かりません。  全農を「経営破綻」に追い込みたい理由  とはいえ、理由は分かっています。全農を経営破綻に追い込むことで、日本の食糧安全保障

TPP「反対」こそが最も強烈な「対案」だ。

<安倍晋三首相は28日午前の参院本会議で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案の今国会での成立に反対している民進党に対し「なんの意思も表明できないその姿にこそ、私たちは『ポカン』としてしまう」と反論した。  民進党の石上俊雄氏は、トランプ次期米大統領がTPP離脱を表明し、TPP発効が絶望的になった状況を踏まえ、政府・与党がTPP審議を最優先させている今国会を「憲政史上類を見ない、歴史的大敗北」と位置付けた。  石上氏はさらに、今月中旬にニューヨークで行われた首相とトランプ氏の会談についても矛先を向けた。会談後にトランプ氏がTPP離脱表明をした経緯をとらえ、「首相自身も『ニューヨークでのあの盛り上がりは何だったのか』とあぜんとしているのではないか。『地球儀を俯瞰(ふかん)する外交』どころか、あまりに期待はずれ。その落差の大きさに『俯瞰』ではなく『ポカン』とさせられた外交だ」とこきおろした>(以上「産経新聞」より引用)  安倍氏は「反対」は「何の意思表明もしないこと」と勘違いしている。「反対」こそ最大の意思表明だ。  TPPは日本を米国の属州にする危険な仕掛けに満ちている。その最大の仕掛けがISD条項で、日本の国家主権にかかわる重大な「売国」条約であることを再三再四このブログで指摘してきた。  安倍氏の頭の中にあるのは「安保理常任理事国入り」だけで、そのためなら日本が国家主権を放棄してでも米国の忠犬となり、米国の最大の庇護を受けて、常任理事国入りを果たそうとしているかのようだ。  何とも馬鹿げた男だ。日本は決して国連の常任理事国入りは出来ないし、求めるべきでもない。「戦勝国連合」に過ぎない国連に世界の平和を委ねることが不可能なことは70年に及ぶ国連の歴史を振り返れば明らかではないだろうか。  そして世界平和を破壊し続けてきた一方の旗頭が米国であることも近年の70年間を振り返れば容易に解ることだ。さらに言及すれば、先の大戦以後の世界各地の紛争で「安保理常任理事国」が関わっていないモノはない。  国連の幹部国が世界平和を壊している張本人たちだ。その最たるものは常任理事五ヵ国がそろいもそろって核兵器保有国であることだ。地球を何万回も破壊するほどの核兵器を貯蔵して威張っているのは滑稽そのものだ。地球そのものを破壊し人類が死滅して、一体誰が勝者として君臨するつも

泰山鳴動して鼠一匹、のオリンピック競技施設見直し。

<2020年東京五輪・パラリンピックの3競技会場の見直しを議論した29日の4者のトップ級協議で、ボート・カヌー(スプリント)と水泳の会場は、当初案通り新設されることが最終的に決まった。競技団体の反発が強く、代替案の実現性も乏しいため、小池百合子知事も会場変更を断念した。ただ、バレー会場の結論は12月のクリスマス時期まで持ち越された。  「まず都としての考え方を申し述べる」。協議の冒頭で、小池知事はボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」(東京臨海部)の代替案として示した「長沼ボート場」(宮城県登米市)での開催を取り下げる考えを明らかにした>(以上「日経新聞」より引用)  昨日、小池百合子東京都知事肝いりの競技会場の見直し四者会談が行われたが、実質的な見直しが了承された競技施設は一つもなかった。都知事当選直後の過熱報道が嘘のような結果だ。  一体あの騒ぎは何だったのだろうか。それにしてもボートの「海の森」原案に落ち着いたのには驚いた。そもそも「競技者」からは不評だったからだ。  ボート競技団体ではなく、ボート競技を実際に行う選手たちからは「海の森」はあり得ないという声が出ていた。なぜなら練習場が近くにないこと、「海の森」は文字通り海水であること、さらには海上から吹いてくる風が常にあることなどが挙げられていた。  ボートは非常にデリケートだ。長距離の輸送を繰り返すのに耐えられるようになっていない。だから練習会場が宮城県になったとしたらボート輸送だけで経費もかかるがボートの状態をベストに保つのが困難だという。  さらに「海の森」は海水であるため、使用後は真水で隅々まで洗浄しなくてはすぐに金具類が錆びてしまうという。やはり状態を保つのに困難が伴うという。そして競技場が海のため波が心配される。協議を見てお解りのように、ボートの喫水は非常に低い。波高が20㎝もあれば簡単に浸水してしまう。そうした状態ではそもそも競技にならない。  風力発電の風車が設置されているような場所をボート競技会場としたのか、競技団体の責任者に是非とも見解を聞きたい。競技団体は競技者の集まりではないのか。それとも部外漢が大きな顔をして幹部面をしている団体に過ぎないのだろうか。  海風がいかに鉄を腐食させるかは、島で使用していた中古車が安く叩かれることでも明らかだ。表面の防錆処理はかなり進んでいて錆は簡単に浮

年金削減やTPPや農協改革などの馬鹿げた政策補実施するよりも国内総需要の創出に全力を注げ。

<2001年のノーベル経済学賞受賞者で、経済理論だけでなく政策面でも多くの国に影響を与えたジョセフ・スティグリッツ氏は、次期米大統領トランプ政権下では「米国経済がトラブルに陥るリスクがかなり高い」と警告している。 ジョゼフ・スティグリッツ(Joseph E. Stiglitz) 1943年生まれ。クリントン政権の大統領経済諮問委員会委員長、世界銀行上級副総裁などを歴任。2001年、「情報の経済学」に関する研究でノーベル経済学賞を受賞。行動する経済学者としても知られ、世界各地を巡りながら経済の現状を冷静に分析する。 世界に驚きを与えた米国大統領選挙。当選後のトランプ氏が過激な発言を控えていることもあり、市場は平穏を取り戻したかのように見える。しかしそれはどこまで続くのか。 トランプ就任が世界経済に与える影響をどうとらえればいいのか。「週刊東洋経済」では、2001年にノーベル経済学賞を受賞し、米国を代表する経済学者であるジョセフ・E・スティグリッツ氏に緊急インタビューした。 スティグリッツ氏は「トランプは非常に危険な人物。米国経済がトラブルに陥るリスクはかなり高い」と警告する。(一部敬称略) ──ドナルド・トランプ次期大統領が掲げる政策をどうとらえていますか。  同氏の主張には根本的な問題がある。歳出を増やす一方で、全所得層への減税を実施し、米国政府の予算を均衡化すると言うが、三つを同時に行うことはできない。 守れない公約をするという意味で、彼はポピュリスト(大衆迎合主義者)のレッテルを張られてきた。公約の多くを破ることになるだろう。 ──全所得層への大幅減税についてはどう思いますか。 富裕層が最も恩恵を受け、富める者がさらに富み、格差が拡大するだろう。  連邦最低賃金を(10ドル以上に)上げるとも主張しているが、これも実現不可能なことを公約している。引き上げてくれればいいとは思うが、共和党は反対の立場を取っている。トランプは、共和党が異を唱える多くのことを公約している。 そもそも共和党は、昔から行いが一貫しておらず、誠実でない。たとえば、民主党が政権を取ると財政責任を求めるが、自分たちが与党に回ると支出もいとわない。レーガン大統領は、歴代大統領の中で最大の連邦債務を作り、ブッシュ前大統領も莫大な債務を積み上げた。トランプ政権も、そうなるだろう。 私が知るかぎり、彼のア

この暴走国会を許したのは安倍自公政権を支持した有権者・大衆の智慧なき愚かさだ。

<最重要課題と位置付ける環太平洋連携協定(TPP)承認案・関連法案に加え、年金制度改革法案の今国会成立を確実にするためだ。29日の衆院本会議で延長を議決、同法案も可決する方針だが、民進党などは「年金カット法案」と批判して成立阻止を掲げ、会期延長にも反対。塩崎恭久厚生労働相の不信任決議案提出などで徹底抗戦する構えだ。  安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表が国会内で会談し、12月15日に山口県長門市で日ロ首脳会談が予定されていることを踏まえ、同14日までの会期延長で合意した。席上、首相は「重要な外交日程があり、年金やTPPの成立を図るためには14日間は妥当だ」と述べた>(以上「時事通信」より引用)  年金国会の委員会審議を聴いていると安倍氏の答弁は答弁になっていない。「反対しても民進党の支持率は伸びない」だとか、一体何を言っているのだろうか。  反対こそが最も激しい対案ではないか。一部手直しして賛成するのが本筋だというマスメディアの論調は全くおかしい。反対だから反対して何が「対案なき」反対だというのだろうか。元の状態から改悪するのは良くないといって「対案」を示しているではないか。  「対案」というのが年金会計の持続性を維持するためのあんだというのなら、株式投機に投じた年金基金を直ちに引き揚げて安定的な資金運用をすべきだ。  いや、そもそも年金などの社会保障はすべて「税」で賄うのが本筋だったはずだ。そのための「税」であって、他の使途は枝葉末節だったはずだ。そうではなく「保険料」ですべて賄うのが正しい、というのなら、国家は国民の社会保障に対して何もしていないことになる。ただ「保険料」を徴収して、意味不明な厚労省官僚や保険料関係の公務員人件費や、社会保障で徴収した保険料を使った各種事業費に摘み食いしているだけだ。  社会保障の「保険料」をすべて「税」と同等なものとして「税」にカウントすれば、日本は世界に冠たる重税国家になる。ことに国民年金の月額16000円を超える掛け金は低所得者に対する重税そのものだ。  そうした観点から社会保障「保険料」を議論すべきだ。名を変えることによって別物だ、と強弁するのは詐欺師の手口だ。国民にとって収入から支払うものは「税」であろうが「保険料」であろうが「公」に納付するものでまったく同じだ。  名を変えるからややこしくなる。すべてを

トランプ氏は「アメリカ・ファースト」のためならキューバとの関係を終わらせることも有り得るほど強い覚悟を持っている。

<トランプ米次期大統領は28日、ツイッターで「キューバが、自国民、キューバ系米国人、米国全体にとってよりよい取引をするつもりがなければ、私は取引を終わらせる」と警告した。  米国とキューバは昨年7月に歴史的な国交回復が実現。オバマ米大統領は大統領令を使って、規制の緩和を段階的に実施し、関係改善に向かっている。  トランプ氏の「よりよい取引」が具体的に何を意味するのかは不明だが、オバマ氏の対キューバ融和政策を覆す意図があるとみられる。  トランプ氏は、25日に死去したフィデル・カストロ前キューバ国家評議会議長について、声明で「残忍な独裁者」と非難。「我々の政権は、キューバ国民が繁栄と自由を迎えることを保証するため、できる限りのことを行う」としていた>(以上「朝日新聞」より引用)  トランプ氏はキューバがどうなろうと、次期大統領として彼が掲げる「米国第一主義」に反するものなら終わらせる、と表明した。オバマ氏がカストロ氏の死去に報に常識的な「偉大な指導者が亡くなった」と哀悼の意を表明したのとは対照的だ。  トランプ氏とはかくも実利主義者だということだろう。キューバと今まで何年間も交流がなくてもやって来られた、今更何かを譲歩してまでキューバ制裁を解除して、キューバに自由と経済的繁栄を与える必要はない、との考えのようだ。  おそらく日本に対しても強烈な「米国第一主義」を突き付けて来るだろう。その時に安倍自公政権と仲間たちが承認したTPPが前提条件にされることは想像に難くない。  安倍氏とその取り巻きたちは何という愚かなことをしているのだろうか。なぜ「ジャパン・ファースト」と米国に強く言えないのだろうか。彼らは何処の国の政治家なのだろうか。  経団連の幹部たちがTPPに賛成しているようだが、自動車にせよ家電にせよ、既に国内政策は縮小し海外へ生産拠点の大部分を移転しているではないか。経済団体がTPPに積極的に賛成する動機が解らない。日本の「食糧安保」を破壊し、社会制度を破壊し、国民の富を根こそぎ収奪するTPPに賛成するのは論理的でない。  それとも彼らも安倍自公政権と仲間たちの政治家諸氏と同様に、ジャパンハンドラーたちに魂を売り渡した「売国奴」たちなのだろうか。いや、まさしくそうなのだろう。企業利益のためなら、株主配当のためなら、日本の労働者の賃金がどうなろうと雇用の場がどうなろ

いつ日本は「自由貿易」で発展したのか。

 安倍氏が嘘吐きだということは知っていたが、他の政治家や評論家まで「健忘症」に陥っているのには驚く。日本はいつ自由貿易で発展したのだろうか。日本が高度経済成長した当時、日本は紛れもなく保護貿易主義だった。それに対して米国が「外圧」で日本の関税引き下げを「命令」してきたのだ。  まず第一回が「繊維交渉」で(日米繊維交渉(にちべいせんいこうしょう、英: Japan-US textile negotiations)は、広義には1955年(昭和30年)から1972年(昭和47年)にかけて日本とアメリカ合衆国との間で行われた繊維製品の貿易に関する交渉の総称、また狭義には、そのうち1970年(昭和45年)6月22日から24日にワシントンD.C.で行われた交渉を指す。これらの交渉が必要となった、日米間の繊維製品を巡る貿易摩擦を、日米繊維摩擦(にちべいせんいまさつ)というーー以上「ウィキペディア」より引用)により、日本は米国により煮え湯を飲まされた。  それ以後も米国は日本の関税引き下げや対米輸出を削減するように「外圧」を掛けてきた。日本は保護貿易で外貨(米ドル)を稼ぎ、経済成長を遂げた。  それに対して米国は米国債を買え、だとか円を切り上げろだとか、次々と日本に要求してきた。安倍氏はそうした日本の貿易史を全く御存知ないか、知っていて大嘘を吐いたに過ぎない。それに対して突っ込みをしないばかりか沈黙した民進党国会議員の不勉強にはひっくり返るほど驚いた。  ガット・ウルグアイラウンドなどに関しても、日本はコメの関税引き下げ要求に対して頑なに関税維持を主張し続けた。安倍氏はどこで勘違いしたのか、それとも本質的に日本の貿易に関して無知なのだろうか。  日本が自由貿易の主導権を握って、保護貿易になろうとしている米国を安倍氏がTPP承認を先行することにより、自由貿易の場に引き戻す、とは笑止千万だ。TPPなど日本から破棄して、さっさと東アジア貿易圏を構築する方が日本にとってどれほど益があるだろうか。  トランプ氏は「アメリカ・ファースト」といっている。それなら安倍氏も負けずに「ジャパン・ファースト」と表明すべきだろう。世界のパラダイムはグローバル化から「国民の生活が第一」に転換している。やっと小沢一郎氏が2009年に掲げた時代がやって来たようだ。

小沢一郎氏の下、「国民の生活が第一」の政治を実現するために野党勢力の結集を。

<自由党の小沢一郎共同代表は27日、盛岡市での党会合で、早期の衆院解散を想定し、民進党などとの野党共闘を年内に構築すべきだとの考えを示した。「年末か年始の衆院解散を前提に選挙準備を進めている。今後の1カ月で何としても野党の連帯の形をつくり上げたい」と述べた。  共闘の在り方については「単に候補者を一本化しただけでは自公政権を倒せない。野党全体で支援態勢を構築し、力を合わせないといけない」と強調した。会合終了後には「本当の野党共闘ができたら、自民党の衆院選での獲得議席は100程度にまで減り、野党が圧勝する」と語った>(以上「産経ニュース」より引用)  安倍自公政権は安倍氏の外交を軸とした政治が完全に破綻している。安倍氏は苦手な内政に対しては実体のないアベノミクスという言葉を乱用して国民の目先を騙してきたが、ここに来て経済も福祉も行き詰っている。  得意と自称して年中世界各国を漫遊してカネをばら撒いてきた外交も、基軸とすべき対米、対ロ、対中で完全に破綻した。安倍氏の治世4年有余で一体何がどのように改善されたというのだろうか。外交で乱費したカネの費用対効果の収支決算をしてみると良いだろう。  安倍氏は「日本を取り戻す」のスローガンと共に政権に復帰したが、果たして日本を取り戻したのだろうか。「武力行使」に関しては現行憲法に反して戦前に回帰し、海外で行使出来るように法を勝手に制定したが、憲法違反は明確で無効なのはいうまでもない。  国民生活が改善された実感はなく、個人実質所得も安倍自公政権成立以来一貫して減少している。なにがアベノミクスだ。そして公約とした2%物価インフレ目標も達成時期を二度も先送りしたが、未だに達成できていない。日本は依然としてデフレ下にある。  そして安倍自公政権は国民の貧困化を止める手立てをしないばかりか、食えない国民年金を放置したまま賃金スライドという摩訶不思議な理屈を年金に持ち込んで、物価が上昇しようが賃金が減少すれば年金を減額させることにした。これでは年金生活者は堪ったものではない。  政策として労働分配率を増やすのではなく、賃上げの企業詣でというパフォーマンスでお茶を濁すという政治以前のマターに政治を貶める愚行まで仕出かす始末だ。もはや安倍自公政権を支持する理由はどこにも見当たらない。  小沢一郎氏は「国民の生活が第一」の政治をすべく2009民主

北方領土問題は現在の戦後世界体制が終焉するまで動かない。

<自民党の下村博文幹事長代行は27日、北方領土問題が焦点となる安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領による12月の会談に関し「ここで解決できなければ未来永劫、北方領土問題は解決できないという思いを首相も持っていると思う」と東京都内で記者団に語った。これに先立つフジテレビ番組では「今回が最後のチャンスだ」と述べた。  下村氏は記者団に「(北方四島の)帰属問題の解決なくして平和条約締結はあり得ない」と強調。同時に、番組では「ロシアもしたたかなので簡単ではない。山がある」との認識も示した>(以上「西日本新聞」より引用)  下村氏は何を以て「北方領土問題は今回が最後の解決の機会」だと思い込むに到っているのか疑問だ。これまでも何人もの首相が北方領土の解決に尽力してきた。今後とも尽力を続ければ良いだけではないだろうか。  安倍氏がこれまでの歴代首相と比較して北方領土問題で傑出した首相だとは思わない。むしろ無定見にロシア大統領に擦り寄った不出来な首相だと思わざるを得ない。  ロシアに経済支援したら感激して「北方領土を返還する」と考えるのは愚かな少女趣味に過ぎない。かつてソ連が崩壊して北方領土に暮らすロシア人が生活に困窮した時、自民党議員が出しゃばって「人道支援」した。北方領土にムネオハウスなどと名を冠した建物を建てて悦に入っていたが、それにより北方領土に暮らすロシア人がそこでの暮らしに絶望してロシア本土に引き揚げる絶好の機会を潰してしまった。  そして今では、ロシアは北方領土にミサイルを配備して日本を攻撃対象にしている。彼らは他人の者は自分のモノ、自分のモノは自分のモノ、という独善的な論理に今もある。白人とはそうした規範の中で生きてきた人たちであり、今後ともそうした規範に従って生きて行く人たちだということを忘れてはならない。  だから今回が最後の機会だと「思い込めて」今回で解決できなければ永遠に解決できない、と説く下村氏の考え方はロシアにとって好都合だ。今回も素っ気なく日本の返還要求を突っ撥ねれば、それで永遠に要求してこないのなら次は経済支援を大っぴらに堂々と求めれば良いことになる。  下村氏の「思い込み」は愚かというしかない。安倍氏のプーチン氏と個人的に親しいから北方領土も何とかなる、と考えて経済支援のカードを早々と切ったが、それが外交戦略の失敗だということを早くから私は指摘した