北方領土問題は現在の戦後世界体制が終焉するまで動かない。

<自民党の下村博文幹事長代行は27日、北方領土問題が焦点となる安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領による12月の会談に関し「ここで解決できなければ未来永劫、北方領土問題は解決できないという思いを首相も持っていると思う」と東京都内で記者団に語った。これに先立つフジテレビ番組では「今回が最後のチャンスだ」と述べた。

 下村氏は記者団に「(北方四島の)帰属問題の解決なくして平和条約締結はあり得ない」と強調。同時に、番組では「ロシアもしたたかなので簡単ではない。山がある」との認識も示した>(以上「西日本新聞」より引用)

 下村氏は何を以て「北方領土問題は今回が最後の解決の機会」だと思い込むに到っているのか疑問だ。これまでも何人もの首相が北方領土の解決に尽力してきた。今後とも尽力を続ければ良いだけではないだろうか。
 安倍氏がこれまでの歴代首相と比較して北方領土問題で傑出した首相だとは思わない。むしろ無定見にロシア大統領に擦り寄った不出来な首相だと思わざるを得ない。

 ロシアに経済支援したら感激して「北方領土を返還する」と考えるのは愚かな少女趣味に過ぎない。かつてソ連が崩壊して北方領土に暮らすロシア人が生活に困窮した時、自民党議員が出しゃばって「人道支援」した。北方領土にムネオハウスなどと名を冠した建物を建てて悦に入っていたが、それにより北方領土に暮らすロシア人がそこでの暮らしに絶望してロシア本土に引き揚げる絶好の機会を潰してしまった。
 そして今では、ロシアは北方領土にミサイルを配備して日本を攻撃対象にしている。彼らは他人の者は自分のモノ、自分のモノは自分のモノ、という独善的な論理に今もある。白人とはそうした規範の中で生きてきた人たちであり、今後ともそうした規範に従って生きて行く人たちだということを忘れてはならない。

 だから今回が最後の機会だと「思い込めて」今回で解決できなければ永遠に解決できない、と説く下村氏の考え方はロシアにとって好都合だ。今回も素っ気なく日本の返還要求を突っ撥ねれば、それで永遠に要求してこないのなら次は経済支援を大っぴらに堂々と求めれば良いことになる。
 下村氏の「思い込み」は愚かというしかない。安倍氏のプーチン氏と個人的に親しいから北方領土も何とかなる、と考えて経済支援のカードを早々と切ったが、それが外交戦略の失敗だということを早くから私は指摘したはずだ。下村氏が安倍氏の「お仲間」だからそうした「思い込み」をするのは勝手だが、それを政治家として公言するのは日本の外交にとって迷惑千万だ。政治家として無能なら大人しくしていれば良い。


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