トランプ氏は「アメリカ・ファースト」のためならキューバとの関係を終わらせることも有り得るほど強い覚悟を持っている。

<トランプ米次期大統領は28日、ツイッターで「キューバが、自国民、キューバ系米国人、米国全体にとってよりよい取引をするつもりがなければ、私は取引を終わらせる」と警告した。

 米国とキューバは昨年7月に歴史的な国交回復が実現。オバマ米大統領は大統領令を使って、規制の緩和を段階的に実施し、関係改善に向かっている。

 トランプ氏の「よりよい取引」が具体的に何を意味するのかは不明だが、オバマ氏の対キューバ融和政策を覆す意図があるとみられる。

 トランプ氏は、25日に死去したフィデル・カストロ前キューバ国家評議会議長について、声明で「残忍な独裁者」と非難。「我々の政権は、キューバ国民が繁栄と自由を迎えることを保証するため、できる限りのことを行う」としていた>(以上「朝日新聞」より引用)

 トランプ氏はキューバがどうなろうと、次期大統領として彼が掲げる「米国第一主義」に反するものなら終わらせる、と表明した。オバマ氏がカストロ氏の死去に報に常識的な「偉大な指導者が亡くなった」と哀悼の意を表明したのとは対照的だ。
 トランプ氏とはかくも実利主義者だということだろう。キューバと今まで何年間も交流がなくてもやって来られた、今更何かを譲歩してまでキューバ制裁を解除して、キューバに自由と経済的繁栄を与える必要はない、との考えのようだ。

 おそらく日本に対しても強烈な「米国第一主義」を突き付けて来るだろう。その時に安倍自公政権と仲間たちが承認したTPPが前提条件にされることは想像に難くない。
 安倍氏とその取り巻きたちは何という愚かなことをしているのだろうか。なぜ「ジャパン・ファースト」と米国に強く言えないのだろうか。彼らは何処の国の政治家なのだろうか。

 経団連の幹部たちがTPPに賛成しているようだが、自動車にせよ家電にせよ、既に国内政策は縮小し海外へ生産拠点の大部分を移転しているではないか。経済団体がTPPに積極的に賛成する動機が解らない。日本の「食糧安保」を破壊し、社会制度を破壊し、国民の富を根こそぎ収奪するTPPに賛成するのは論理的でない。
 それとも彼らも安倍自公政権と仲間たちの政治家諸氏と同様に、ジャパンハンドラーたちに魂を売り渡した「売国奴」たちなのだろうか。いや、まさしくそうなのだろう。企業利益のためなら、株主配当のためなら、日本の労働者の賃金がどうなろうと雇用の場がどうなろうと、それにより国民所得がどうなろうと知ったことではないという経営方針に「愛国者」の片鱗も窺えない。

 日本にこそトランプ氏が必要だ。幻想に過ぎないバカな国際協調だとか唱えて世界各国を漫遊してカネをばら撒き、心底信用ならない相手に擦り寄ってファーストネームで呼び合い間柄だから大丈夫だ、と資源マフィアの手下に過ぎない政治家を厚遇して何も成果を手に出来ない、というのは安倍氏の愚かさの証明以外の何物でもない。
 今月17日のトランプ氏との会談を称賛する御用マスメディアには反吐が出るが、実際に結果として安倍氏はトランプ氏をTPPに賛成させることに失敗した。今後とも日本が批准して米国に批准を働きかける、と主張しているが、安倍氏はいつからそんなに米国内の政治に嘴を挟めるほど偉くなったのだろうか。

 プラグマティズムの国のプラグマティズムの申し子のようなトランプ氏相手に少女趣味のような政治手法は通用しない。相手は実利を求めている。それは日本の損失だ。
 何を譲歩して何を獲得するのか、という厳しい価値判断を行う鉄火場のような外交に、安倍氏の幻想的な世界外交は少女趣味でしかない。おそらく、トランプ氏はオバマ大統領の外交をそのように見ているのだろう。だからキューバに対して「(損な)取引はしない」などと商売言葉が普通に出てくるのだ。

 多分、トランプ氏は日本に対しても「(損をするような)取引はしない」と心の底で考えているだろう。ただ、その場合「損をする」のが米国の1%ではなく、米国の白人層を中心とする大衆であることはオバマ氏たち歴代大統領と決定的に異なるところだ。


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