泰山鳴動して鼠一匹、のオリンピック競技施設見直し。

<2020年東京五輪・パラリンピックの3競技会場の見直しを議論した29日の4者のトップ級協議で、ボート・カヌー(スプリント)と水泳の会場は、当初案通り新設されることが最終的に決まった。競技団体の反発が強く、代替案の実現性も乏しいため、小池百合子知事も会場変更を断念した。ただ、バレー会場の結論は12月のクリスマス時期まで持ち越された。

 「まず都としての考え方を申し述べる」。協議の冒頭で、小池知事はボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」(東京臨海部)の代替案として示した「長沼ボート場」(宮城県登米市)での開催を取り下げる考えを明らかにした>(以上「日経新聞」より引用)

 昨日、小池百合子東京都知事肝いりの競技会場の見直し四者会談が行われたが、実質的な見直しが了承された競技施設は一つもなかった。都知事当選直後の過熱報道が嘘のような結果だ。
 一体あの騒ぎは何だったのだろうか。それにしてもボートの「海の森」原案に落ち着いたのには驚いた。そもそも「競技者」からは不評だったからだ。

 ボート競技団体ではなく、ボート競技を実際に行う選手たちからは「海の森」はあり得ないという声が出ていた。なぜなら練習場が近くにないこと、「海の森」は文字通り海水であること、さらには海上から吹いてくる風が常にあることなどが挙げられていた。
 ボートは非常にデリケートだ。長距離の輸送を繰り返すのに耐えられるようになっていない。だから練習会場が宮城県になったとしたらボート輸送だけで経費もかかるがボートの状態をベストに保つのが困難だという。

 さらに「海の森」は海水であるため、使用後は真水で隅々まで洗浄しなくてはすぐに金具類が錆びてしまうという。やはり状態を保つのに困難が伴うという。そして競技場が海のため波が心配される。協議を見てお解りのように、ボートの喫水は非常に低い。波高が20㎝もあれば簡単に浸水してしまう。そうした状態ではそもそも競技にならない。
 風力発電の風車が設置されているような場所をボート競技会場としたのか、競技団体の責任者に是非とも見解を聞きたい。競技団体は競技者の集まりではないのか。それとも部外漢が大きな顔をして幹部面をしている団体に過ぎないのだろうか。

 海風がいかに鉄を腐食させるかは、島で使用していた中古車が安く叩かれることでも明らかだ。表面の防錆処理はかなり進んでいて錆は簡単に浮かないが、床がダメになって穴が開くという。家のアルミサッシも10年と経たないうちに塩分による腐食で粒状の「錆」が浮き、全体が劣化するという。
 ボートのようなデリケートな船体を海水で使用して維持するのは困難だし、ボートの耐用年数を縮めることになるのは明らかだ。オリンピック以後にもボート練習場として、あるいはボート競技場として使用されるのは疑問だ。そうした施設に大金を投じて整備するのはなぜだろうか。

 なぜ彩湖を改良工事してボート競技会場にしなかったのだろうか。彩湖なら直近に戸田ボート場がある。練習や調整が同時に出来る。そうした立地をなぜ不適格として退けたのだろうか。オリンピックに「利権」の悪臭芬々たるのは誠に残念だ。


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