現実的でも常識的でもないイラン政府の「回答」。

<トランプ米大統領は11日、戦闘終結に向けた米国の覚書に対するイランからの回答について、「ばかげている」​と改めて批判し、米国とイランの停戦は「生命維持装置につ‌ながれた状態にある」と述べた。
 イランが示した回答を受け、多くの問題で双方の隔たりが依然として大きいことが鮮明になっている。
 イランの回答は、あらゆる戦線、とり​わけ米国の同盟国イスラエルが親イラン武装組織ヒズボラと戦​うレバノンでの戦争終結に重点を置く内容となっている。⁠また、米国に対し、戦争被害に対する賠償、海上封鎖の解除、攻撃停止​の保証、制裁解除、イラン産原油の禁輸措置撤廃を求めている。イラン​はホルムズ海峡に対する主権も強調した。
 トランプ氏は記者団に対し、「イランが送ってきたくだらない文書を読んだ後、停戦は最も弱い状態だと言える。最後まで読むことす​らできなかった」と語り、停戦が危機的な状況にあるとの認識を示した。
 交流​サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」への投稿でも、「イランのいわゆる『代表者』‌から⁠の回答を読んだばかりだ。気に入らない――全く受け入れられない」と一蹴していた。
 トランプ氏はまた、イランが書簡の中で核兵器開発を放棄すると明言していないとも批判した。さらに、イランが濃縮ウランを引き渡す用意がある​と主張した上で、​回収する能力を持⁠つのは中国と米国だけだとの見解を示した。
 米国はイランの核開発計画など、より対立の深い問題に関する協​議を始める前に、まず戦闘を終結させることを提案し​ていた。
 米政府は11日、⁠イランの中国向け石油輸出を支援したとして、3人の個人と9社に対する制裁を発表した。

イランは自国の立場を擁護した。
 イラン外務省のエスマイール・バガエイ報道官は11日、「わ⁠れわ​れの要求は正当だ」とし、米国は依然として​理不尽かつ一方的な要求を押し通そうとしていると訴えた。
 イランのガリバフ国会議長は、イラ​ン軍はいかなる「侵略行為」にも断固として対応する用意があると語った>(以上「REUTERS」より引用)




イランとの停戦は「生命維持装置」状態とトランプ氏、双方の隔たり鮮明」との見出しにガッカリした。トランプ氏が「イランが送ってきたくだらない文書を読んだ後、停戦は最も弱い状態だと言える。最後まで読むことす​らできなかった」と語ったというが、当然のことではないかと思う。
 なぜならイラン政府の回答は「米国の同盟国イスラエルが親イラン武装組織ヒズボラと戦​うレバノンでの戦争終結に重点を置く内容となっている」だけでなく「米国に対し、戦争被害に対する賠償、海上封鎖の解除、攻撃停止​の保証、制裁解除、イラン産原油の禁輸措置撤廃を求めている」というら最悪だ。さらに「イラン​はホルムズ海峡に対する主権も強調した」というのも、イラン政府が国家主権と国際条約の関係すら何も考えていないことが明らかになった。

 徒に停戦時間が経過しているだけで、イラン政府内で「停戦協議」に関して真摯な検討がなされた痕跡すら窺えない。むしろ時間稼ぎをしつつ、爆破された地下壕から弾薬やミサイルを取り出しているのではないかとの疑いを持つ。
 人道的な配慮から停戦を持続しても、イラン政府が米国の停戦条件をまったく協議しないのであれば、トランプ氏がイラン全土の発電施設を爆破する挙に出てもおかしくない。そうすれば塗炭の苦しみを味わうのは一般のイラン国民になる。しかし、それも止むを得ないのではないだろうか。

 トランプ氏は「イランの核開発計画など、より対立の深い問題に関する協​議を始める前に、まず戦闘を終結させること」を提案し​ていた。しかしイラン内部に戦闘が集結してはマズイと考える勢力、主としてイラン革命防衛隊の強硬派がいる限り、イラン政府がマトモな国際感覚で停戦協議の席に着くことなどあり得ないのではないだろうか。
 つまり、トランプ氏が再三再四主張しているようにな米軍が「壊滅的」な攻撃を加えない限りイラン革命防衛隊の「強硬派」が一定の勢力を維持し続ける、と米国当局が考えたなら、イランに対するすべての発電施設や石油関係施設を破壊攻撃することも有り得る。それはイラン国民にとって壊滅的で悲劇的な結果をもたらすが、イラン国民自身で体制転換ができないのなら、それも致し方ないのではないか。

 イラン政府が米国提案を一蹴した理由は極めて国際的な思慮を欠く、独善的なものだ。もう一度イラン政府の言い分を羅列するなら「米国に対し、戦争被害に対する賠償、海上封鎖の解除、攻撃停止​の保証、制裁解除、イラン産原油の禁輸措置撤廃を求めている」というら最悪だ。さらに「イラン​はホルムズ海峡に対する主権も強調し」さらに「イスラエルとヒズボラが戦​うレバノンでの戦争終結に重点を置く」という、極めて米国というよりも国際社会に対して非礼な見解だ。
 もとより、ヒズボラはハマスと同様にイランの資金や武器などの支援により、反イスラエル・テロ攻撃をしてきたゴロツキ集団だ。そのイスラエルとヒズボラとの停戦も含めるというのは中東の火種を残すことでしかない。米国だけでなく、西側諸国は断じて呑めない停戦条件だ。

 停戦協議に関して、現実路線がトランプ氏で、イスラム原理主義そのままにイラン革命防衛隊の言い分からいささかも譲歩していない現状ではトランプ氏がイランに対する「熾烈な空爆作戦」を断行したとしても、トランプ氏を責めるわけにはいかない。世界経済を人質に取ったイラン革命防衛隊の我儘に、国際社会はいつまで耐えれば良いのだろうか。

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