エアホースワンが北京空港に到着した段階で、今回の首脳会談の勝者がどちらなのか明らかだった。

<トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は9年ぶりに北京で向かい合った。インド太平洋で覇権を争う両国トップが今回の直接対話で優先したのは、会談の「成功」だ。国際秩序が動揺を深める中、両首脳は難題を棚上げし、友好ムードの演出に腐心した。だが、緊張を続けてきた両国関係の実態に変化はない。

◇「打算」の協調
  スモッグでかすむ空の下、北京の人民大会堂前でトランプ氏を出迎えた習氏は力強く手を差し出した。トランプ氏は何度か両手を添えながら握手し、にこやかに習氏に語り掛けた。 
  両国は、首脳会談に先立ち韓国で貿易協議を開催。中国側による米国産品の購入拡大などを議論したもようだ。両首脳は14日の首脳会談で「建設的戦略安定関係」の構築でも一致し、協調関係をアピールした。
  11月に中間選挙を控えるトランプ氏が今回の会談で求めたのは、具体的な成果だった。昨年、米側が実施した関税引き上げは貿易戦争に発展し、中国側は世界的なシェアを握るレアアース(希土類)の輸出規制強化で対抗。双方は関税引き下げで合意し「休戦」したが、米側が弱点を露呈する結果となった。
  トランプ政権がイスラエルと始めたイラン攻撃も、停戦交渉が思うように進まず原油高の影響が米国民の生活に波及しつつある。トランプ氏はしばしば「習氏と素晴らしい関係にある」と強調。訪中直前には、イラン情勢の事態収拾に向けて「(習氏の)助けは必要ない」と語ったが、本音ではイランと友好関係にある中国の影響力に期待しているという見方が出ていた。
  習政権は、そんなトランプ氏の足元を見透かすかのようにディール(取引)をてこに関係安定化を図った形だ。中国にとって対米関係は最大の外交課題。トランプ氏への歓待は、貿易戦争の再燃を防ぐとともに、米国と対等に渡り合う大国としての立場を誇示する思惑がある。習氏は会談で「新時代の大国関係の正しい道を切り開くべきだ」と呼び掛けた。

 ◇対立点で妥協難しく
  協力姿勢を打ち出した両首脳だが、先送りした課題は双方が譲れないものばかりだ。中国側発表で習氏は台湾問題で一歩も引かない構えを示したが、トランプ氏の反応は不明。米側発表には台湾問題の言及は一切なく、中国側が期待した「トランプ氏の譲歩」はなかったとみられる。
  イラン情勢を巡って、トランプ氏は会談前から中国が原油購入を通じてイランを支援していると非難し、関係する中国企業への制裁を発動した。だが、中国がイランからの原油購入を止めれば資源確保や友好関係に影響する。習氏がトランプ氏の要求をすんなり受け入れるかどうかは不透明だ。対立する火種は残ったままで、両国関係を揺さぶる事態にいつ発展してもおかしくないのが実情だ>(以上「時事通信」より引用)





「成功」演出に腐心 互いに対話姿勢アピール 緊張関係は継続・米中首脳会談〔深層探訪〕」との見出しには違和感しかない。なぜなら中国側が手にした成果は殆どないにも拘らず、オールドメディアは首脳会談が「米中ドローだった」と成果相半ばと報じているからだ。
 具体的な項目別に新華社が報じた内容とホワイトハウスが報じた内容を併記してみよう。


 台湾問題に関して、新華社は中国の言い分を掲載したが、ホワイトハウスは無視している。完全スルーが何を意味しているか。トランプ氏が「そのことは語らない」と剣もほろろに撥ねつけたからだ。
 その代わり、新華社はホルムズ海峡や麻薬に関しては一切報道していない。なぜなら中国の対イラン外交が破綻しているからだ。習近平氏がイランに対して主導的な役割が果たせるなら、米国に恩を着せられる絶好のタイミングだが、イランのアラグチ外相とホットラインすらない状態では言及しようがない。

 合成麻薬フェンタニルに関して、中国は国民に対して一切関与していないという建前になっているから、米国から釘を刺されと報道することは出来ない。中東情勢に関して、米国から「二度とイランに武器輸出するなよ」と強く念押しされたはずだが、新華社は「意見交換した」と濁す程度にしか報じていない。
 ビジネスと貿易に関しては5月16日のブログに書いた通りだ。習近平氏は大豆や航空機を爆買いしてトランプ氏の怒りを鎮めただけで終わっている。もちろん割高な米国産原油や天然ガスの大量購入も習近平氏は約束させられた。新華社は「ウィン、ウィンの関係だ」と書いているが、内容を見れば「大嘘だ」ということは歴然としている。

 会談前には首脳会談の成果は三つのTが鍵だと云われていた。それは「テクノロジー、トレイド、台湾」のTだった。テクノロジーの取引でトランプ氏はNVIDEAの半導体を供与することにしたが、それは二年前の「型落ち」のものだ。そしてトレイドに関しても、トランプ氏は実に多くの「実り」ある交渉を終えた。台湾に関して習近平氏は中国の立場を認めるように迫ったが、「今それは話さない」と、トランプ氏は無視した。
 それだけではない。晩餐会でトランプ氏は習近平氏が用意したトランプ氏好みの分厚いステーキや大きなロブスター、カリカリに焼いた北京ダックの皮には手も付けず、ホワイトハウスから連れて来たコックが持参した食材を調理した料理を食べたという。

 帰る際にはタラップの下に用意した大きなゴミ箱に中国から贈られた様々なお土産やバッジなどすべての品物を廃棄して、エアホースワン内には一切持ち込まなかったという。それほど徹底した安全管理とセキュリティー管理を米国側は徹底した。
 さらに、北京から飛び立つとトランプ氏は高市氏に電話して、米中首脳会談のアラマシを伝えた。そうした米国大統領の配慮はかつてなかったものだ。会談前には、日本のオールドメディアに「高市氏の頭越しに習近平氏と握手するのではないか」と頓珍漢な解説する評論家が湧いていたが、トランプ氏はそんな梯子を外すような愚かな真似をする人物ではなかった。
 今回の会談が如何なるものだったかは中国が入国禁止(制裁対象)にしていた米国の国務大臣マルコ・ルビオ国務長官が習近平氏の斜め前に座っていたことから明らかだ。エアホースワンでトランプ氏と乗り込んできたルビオ氏を習近平氏は拒否できなかった。エアホースワンが北京空港に到着した段階で、今回の首脳会談の勝者がどちらなのか明らかだった。

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