原油輸入の中東依存90%は石油元売り各社の怠慢の表れだ。
<石油連盟の木藤俊一会長(出光興産会長)は20日の定例会見で、中東情勢の混乱に伴う原油や石油製品の供給不安について「日本全体としての必要量は確保されている」と述べ、需要抑制は必要ないとの認識を示した。石油の中東依存からの脱却の必要性にも触れ、政府に対し、中東産以外の原油に対応するための設備投資への支援を求めた。
木藤氏は「(元売り各社が)コストをかけて代替調達を行っており、供給が途絶えない対応をしている。需要抑制をお願いする状態ではない」と強調。消費者に普段通りの給油や石油製品の使用を促した。夏場の冷房需要の高まりに対しても「問題なく確保できる」との見立てを示した。
日本は原油輸入の9割を中東に依存してきた。しかし、ホルムズ海峡の実質的な封鎖を受け、各社は北米や中南米、ロシアなどに調達先の分散を進めているほか、中東産でも海峡を避けて運ぶ工夫をしている。政府も国家備蓄などから50日分の原油を放出しており、これらの「合わせ技」で供給が維持されるという。
一方で木藤氏は中東依存度を下げるため、「供給源の多角化に取り組む」との方針も示した。ただ、日本の製油所の多くは中東産原油に適した作りになっており、現在は代替調達した原油を中東産とブレンドして性質を調整してから精製している状況だ。
この先、供給源の多角化が進めば新たな設備投資は避けられない。木藤氏は「(政府には)安定供給のための支援をお願いしなくてはいけない」と述べた>(以上「産経新聞」より引用)
木藤氏は「(元売り各社が)コストをかけて代替調達を行っており、供給が途絶えない対応をしている。需要抑制をお願いする状態ではない」と強調。消費者に普段通りの給油や石油製品の使用を促した。夏場の冷房需要の高まりに対しても「問題なく確保できる」との見立てを示した。
日本は原油輸入の9割を中東に依存してきた。しかし、ホルムズ海峡の実質的な封鎖を受け、各社は北米や中南米、ロシアなどに調達先の分散を進めているほか、中東産でも海峡を避けて運ぶ工夫をしている。政府も国家備蓄などから50日分の原油を放出しており、これらの「合わせ技」で供給が維持されるという。
一方で木藤氏は中東依存度を下げるため、「供給源の多角化に取り組む」との方針も示した。ただ、日本の製油所の多くは中東産原油に適した作りになっており、現在は代替調達した原油を中東産とブレンドして性質を調整してから精製している状況だ。
この先、供給源の多角化が進めば新たな設備投資は避けられない。木藤氏は「(政府には)安定供給のための支援をお願いしなくてはいけない」と述べた>(以上「産経新聞」より引用)
「石油連盟会長、需要抑制「必要ない」 原油の調達多角化への設備投資に公的支援要望も」とは石油連盟が独自に中東(ホルムズ海峡)依存率を下げる努力をし始めた、ということだ。これまで中東依存体制を一向に改めなかった石油連盟も、さすがにこれ以上中東原油依存を続けていると、政府が新たな原油輸入先を開拓して、石油連盟が「寡占」して我が世の春を謳歌していた体制が崩壊すると理解したようだ。
もちろん石油連盟を形成している企業は民間企業だから利益優先で結構だが、その前に安定供給を国と約束しているから「寡占」状態を維持して公取委が調査に入らなかったのだ。しかし安定供給出来ないのなら、石油連盟の石油元売り各社に与えている「特権」を剥奪しても良いことになる。
そもそも中東依存率引き下げ要請は二度のオイルショックの時にも強く打ち出されていた。その国家的な要請に従わず、現在まで90%以上という極端なホルムズ海峡依存を続けてきた石油連盟傘下の各企業の責任は重大だ。
もっとも原油は産出国別に成分が異なり、石油各社は石油精製の過程で中東原油の重質油に適した常圧蒸留塔の作りをしている。そこにカビスカイ沿岸原油の軽質油を一緒に混ぜることはできない。だから石油精製を行う段階で一ヶ所から原油を輸入したほうが効率が良いのも確かだ。しかし中東原油依存率90%は余りにも無策に過ぎた。
現在、高市政権の努力によりカビスカイ沿岸から原油輸入を開始したし、トランプ氏との首脳会談により米国原油の輸入拡大を実現した。また中南米諸国の原油も確保して、輸入へ向けて態勢造りしている。同様にナフサも、もともと中東に依存していた国内消費分の40%を東南アジアやサハリンなどからの輸入に切り替え、またナフサの国内消費分の約20%を輸入していた米国からの輸入を増加させて、国内消費ナフサはホルムズ海峡封鎖以前と同水準を保っている。
だから野党議員が繰り返し「石油製品の消費節約を国民に呼びかけるべきではないか」と質問し、オールドメディアが石油製品が足りなくなると騒いでいるが、石油備蓄を取り崩していることもあって日本国内に「油断」の事実はない。
ここに来て、石油連盟会長が「中東依存度を下げるため、「供給源の多角化に取り組む」との方針」を示し、同時に「供給源の多角化が進めば新たな設備投資は避けられない」と経費が嵩むことを示唆しているが、現状の設備も耐用年数が来れば更新する。だから敢えて新規設備が必要だ、などと泣き言をいう必要などない。
石油元売り各社は清々粛々と事業を継続して、石油製品の安定供給体制を維持することに務めれば良い。そして原油輸入先の多角化は石油元売り各社の石油の安定供給を維持する、という石油元売り各社に課された当然の企業責任だ。さもなくば、政府が開発した新規輸入先は政府管掌の特別法人が石油輸入事業を実施すればよい。これまで中東依存度90%を放置してきた石油連盟加入各社へのペナルティーとして、それくらいの措置があっても良いのではないか。何も企業努力を国民に恩着せがましく会見で延べも必要などない。