「日本人6000万人が餓死の危機に…中国による「台湾海峡封鎖」で石油も食料も干上がる地獄のXデー」という論評のマヤカシ。
<米国とイスラエルによるイラン攻撃の余波が、じわじわと日本にも押し寄せている。
「2月末、イランがホルムズ海峡の軍事封鎖を行ったことで原油価格が高騰しました。とりわけ日本は、輸入する原油の93%、LNG(液化天然ガス)の6%が同海峡を通過しており、その影響は甚大です。
「2月末、イランがホルムズ海峡の軍事封鎖を行ったことで原油価格が高騰しました。とりわけ日本は、輸入する原油の93%、LNG(液化天然ガス)の6%が同海峡を通過しており、その影響は甚大です。
高市早苗首相は“当面、問題ない”と強調しているが、1973年の石油ショック以来の危機とも言われています」(全国紙外信部記者)
ガソリンや軽油の値上がりによる物品のコスト高はもちろん、原油を精製して作られるプラスチック製品や合成繊維、合成洗剤など、生活用品の値上がりも懸念されている。 「しかし実は、それよりも深刻な危機が日本のすぐ近くに潜んでいます」
そう指摘するのは、国際政治学者の浜田和幸氏だ。
「それは、中国による台湾海峡の封鎖です。台湾海峡は、日本の輸入船にとって重要なシーレーン(海上航路)の一つ。原油やLNG、食料品などを運ぶ最短ルートなので、ここを封鎖されると一気に危機的状況に追い込まれます」(前同)
実際、中国海軍が海峡封鎖を実行に移すことは難しくないという。
「台湾も日本と同様に、海上輸送に頼る島国なので、中国が侵攻を見据えて台湾周辺の海域を封鎖する可能性は十分ある。また、中国は370隻以上の艦艇・潜水艦を擁し、隻数ベースでは米国を上回る世界最大の海軍力を誇ります。民間の漁船や商船をも大量に動員できる体制も整えているので、号令ひとつで海上封鎖に踏み切れます」(同)
■中国は日本近海にも機雷を仕掛ける
封鎖されれば日本は、かつてない食糧危機に陥る。農林水産省の元幹部で、武蔵野大学国際総合研究所の研究主幹・山下一仁氏は、こう言う。 「現在、日本は、カロリーベースの食料自給率がわずか38%です。海外からの輸入食料に頼っていますし、食料だけでなく石油の輸入も止まれば、農業機械や肥料・農薬が使えず、国内生産も大打撃を受けます。
■中国は日本近海にも機雷を仕掛ける
封鎖されれば日本は、かつてない食糧危機に陥る。農林水産省の元幹部で、武蔵野大学国際総合研究所の研究主幹・山下一仁氏は、こう言う。 「現在、日本は、カロリーベースの食料自給率がわずか38%です。海外からの輸入食料に頼っていますし、食料だけでなく石油の輸入も止まれば、農業機械や肥料・農薬が使えず、国内生産も大打撃を受けます。
飼料穀物が輸入できなければ、日本の畜産はほぼ壊滅し、肉や卵、牛乳なども食べられなくなります」
さらに、こんな衝撃的な試算もある。 「最低限の食料として現在の人口1億2300万人に、第2次大戦中の1人1日当たり2合3勺(約330グラム)の米を配給するには、年間1600万トンの玄米が必要になります。
しかし、減反で2025年の米生産は779万トンと半分以下です」(前同)
結果、国内で米の奪い合いが起きるというのだ。
「米価格は高騰し、資力のある人たちだけが食べられます。米を買えない6000万人もの人が餓死の危機に瀕してしまうんです」(同)
前出の浜田和幸氏も、同様の懸念を示す。 「政府のコメ備蓄は100万トン程度です。国民1人当たりに換算すると1か月分にも満たない量なので、すぐに底を尽きます」
台湾海峡が封鎖された場合、フィリピン東側を迂回するルートも考えられるが、中国が第二列島戦まで進出すればそれもかなわない。
「台湾有事の際に、中国が日本近海に機雷を仕掛けたら、アメリカからの貨物船も近づけないでしょう。小麦や牛肉などの農産物も輸入されなくなるんです」(前出の山下氏)
これは、けっして遠い未来の話ではない。 「中国の習近平総書記は、3期目が満了となる27年までに台湾統一を成し遂げることを至上命題に掲げています。国内経済が傾く中、台湾統一という国家の夢を果たし、国民の支持を取り戻したい。それに、アメリカが多くの戦力をイラン攻撃に費やしている今こそ、中国にとっては絶好の局面なのです」(浜田氏) 地獄のXデーがすぐそこに迫っている。>(以上「ピンズバ」より引用)
「日本人6000万人が餓死の危機に…中国による「台湾海峡封鎖」で石油も食料も干上がる地獄のXデー」と題して浜田和幸(国際政治経済学者)氏が台湾海峡封鎖の警鐘を鳴らしている。しかし日本の海上輸送ルートで何が何でも台湾海峡を通らなければならない必要性はない。米国やオーストラリアなどとの貿易では元々台湾海峡を通ることはない。また台湾海峡が封鎖されても太平洋を迂回すれば問題ない。
だが、中国の場合はどうだろうか。現実問題として台湾海峡が封鎖された場合、海上輸送が途絶する危険性は日本よりもむしろ中国の方が高いのではないだろうか。しかも中国の輸入全量にの内、海路(海上輸送)が大部分を占めている。金額ベースで見ると約73.5%が海上コンテナ輸送を利用している。台湾海峡を通過しないで太平洋を迂回したとしても、いずれ一次列島線を通過しなければ中国沿岸には到達できない。
浜田氏は台湾有事により、日本は食糧危機に見舞われると警鐘を鳴らしているが、むしろ食糧不足に陥るのは中国だ。しかも現実的な海上や海中の戦力を比較すれば、制海権を中国が握るのは困難だ。
日本のコメ生産量に関して、引用文中で浜田氏が言及しているが、なぜ生産調整する必要があるのだろうか。従来、農協が出荷調整役を果たしてきた。農協は全国各地に巨大な「低温倉庫」を建設して、仲卸が過剰にコメを抱えることなく適正流通の「調整弁」役を果たしてきた。しかし農協を敵視する政策により農協の調整弁機能が低下し、昨年夏の大阪堂島コメ相場の開場により、コメはアズキなどと同じ「先物商品」になってしまった。
オールドメディアは殆ど報道していないが、昨年夏の大阪堂島コメ相場の開場で米価形成に市場原理が持ち込まれたことにより、米価は農協の手から離れて流通業者の思惑により決定されるようになった。
実に馬鹿げた「改革」が行われたものだ。従来ですら、日本の米価は国際市場価格から大きく乖離していた。云うまでもなく、国際市場のコメ価格は1kg約100円だ。カリフォルニア米でさえ、1kgが135円でしかない。日本の米価1kg700円以上というのはトランプ氏が「日本のコメ関税は700%だ」との発言が正しかったことを裏付けている。それほど国際市場価格と大きく乖離していることを忘れてはならない。
米価を引き上げるための減反政策は誤っている、と云わざるを得ない。しかし米価が安ければ農家は原価割れして産業として成り立たない、というのも事実だ。欧米諸国は農業保護のために農家の戸別所得補償制度かまたは農産品全量買取制度を導入している。日本もかつては食管制度があって、コメ生産全量買取制度を導入していた。しかし買取価格が放出価格を上回ったことから「逆鞘」解消のためと称して食管制度を廃止してしまった。日本の農政は終始農家を潰す方向で働いて来たことになる。
そして米価形成に国際市場を分離した上での、市場原理の導入だ。これほど愚かな政策がかつてあっただろうか。減反政策も実に愚かな「農業潰し」政策だったが、堂島コメ相場の開場は政府が米価形成から全面的に手を引くことでしかない。それは米価が不安定化し、思惑で上下し、ついにはコメ生産が産業として成り立たなくさせるものでしかない。
台湾海峡の封鎖よりも、コメ価格形成から農政の全面撤退こそが大問題だ。農協を悪役に仕立て上げて、価格形成から農協を排除した結果が現在の米価高騰だ。国民にとって良いことなど何もない。
日本に農家の戸別所得補償制度を導入した場合、一戸当たり労働者の平均所得(約400万円)を確保したとして、日本の農家107万戸に乗じると年間予算は4兆2800億円だ。それに流通経費を上乗せしたとしても、販売価格が政府収入になるから約4兆円あれば日本の主食価格を国際市場価格並みに引き下げることが可能だ。そうすると、トランプ氏が「日本のコメの関税は700%だ」と批判されることはない。なぜ農政の大転換ができないのだろうか。それとも日本政府は米国の穀物メジャーに脅されているのか。