チマチマとした給付金議論より、消費税廃止してGDP拡大へ経済政策を大転換する議論をせよ。
<自民党が来月の参院選の公約に盛り込む現金給付の概要が分かりました。国民に一律で2万円を給付した上で、子どもには1人あたり2万円を追加で給付する方向で調整が進められています。
「「一律2万円・子ども1人2万円追加給付」今夜発表へ 自民の給付金概要が判明 来月参院選の公約に」との見出しに驚く。なぜなら前日まで党首討論で石破氏は「考えてもいない」と明言したいたからだ。
「本当に毎日お米のこと、毎日、来月から何品目色々なものが上がったり、上がることばっかりしかニュースになってなくて」 「(期待するのは)僕は減税ですかね」
来月の参院選に向けた物価高対策として野党が「減税」を訴える一方、与党が「給付」を公約に盛り込む方針を固める中、きょう、自民党が動きました。
記者 「石破総理が今、自民党本部に到着しました。これから幹部との協議に入ります」 石破総理は森山幹事長ら党幹部と、参院選の公約について詰めの協議をおこないました。公約をめぐっては、おとといの党首討論で。
立憲民主党 野田佳彦 代表 「自民党・公明党は、何か給付金を数万円単位、数兆円単位ですか、ということを公約に掲げるそうですけど、そうした給付金でバラマキをするというやり方じゃありませんか」 石破総理 「政府といたしまして、今ご指摘になりました給付金について、現在検討しているという事実はございません」 国民民主党 玉木雄一郎 代表 「税収の上振れ分を、国民の皆さんに還元するような財政状況にはないという認識ですか」 石破総理 「現在、そのような財政状況にあるとは認識を致しておりません」 現金給付について“検討していない”としながらも、“与党と協議する”と話していた石破総理。 きょう行われた党幹部との協議で、公約に現金を想定した給付を盛り込む方針を固め、具体的な制度設計を急ぐよう指示しました。
関係者によりますと、
▼全ての国民に、一律2万円を給付するほか、
▼子どもには1人あたり2万円を追加で給付する方向で調整が進められているということです。仮に夫婦と子ども2人の家庭では12万円が給付されます。 さらに、
▼物価高の深刻な影響を受けている非課税世帯の大人を対象に、1人あたり2万円を追加で給付する方向で調整が進められています。
財源については、税収の上振れなどを活用するということですが、自民党の現金給付案について、街の人は… 「今までの経過で、選挙が近くなるとバラマキみたいなイメージが大きいので、違う形を取り組んだ方がよろしいと思います」 「現金給付でしたら最低5万円ぐらい。2万円ではちょっとただ撒いてるって感じ」 さらに自民党は給付方法として、マイナンバーと預貯金の口座を紐付けた「公金受取口座」のシステムを活用することで速やかな給付を実現したい考えです。 石破総理はこのあと、こうした方針を発表する予定です>(以上「yahoo」より引用)
「「一律2万円・子ども1人2万円追加給付」今夜発表へ 自民の給付金概要が判明 来月参院選の公約に」との見出しに驚く。なぜなら前日まで党首討論で石破氏は「考えてもいない」と明言したいたからだ。
国民は現金給付より消費税廃止(減税)の方を望んでいるのは各種世論調査で明らかになっている。なぜなら給付金は事務手数が一人当たり9000円かかるといわれ、給付金が2万円であろうが10万円であろうが事務手数料金が発生するのに変わりない。しかも給付金事務を電通や博報堂に外注し、それを下請けに回すという「中抜き」の実態が明らかになっている。
そうした税金の「出し入れ」を繰り返すだけで事務手数料金が1兆円以上も手に入る企業は笑いが止まらないだろうし、自民党に政治献金する動機も解るというものだ。しかも給付金は外国人にも支払われるという。「日本に居住するすべての人に」給付金を支給すると云うことだからそうなるのだろうが、なぜか釈然としない。
また納税者からは「住民税非課税者には2万円をプラスする」という給付金に対して、給付金が「戻し税」であるなら納税している者にこそ手厚くすべきだ、との不満が渦巻いている。
また国民党と合意した「基礎控除額の引き上げ」や「ガソリン暫定税率の停止」などは放置したまま、突然給付金配布を石破氏が表明するのは誠実さを欠くのではないか、との批判が出ている。石破氏は消費税減税に対して「社会保障の財源たる消費税を減税するのは適当でない」などと拒否しているが、2024年度税収が上振れしたのであるなら「ギリシャよりも悪い財政」の充足に充てるべきではないか、との批判も出ている。
いずれにせよ、国民の減税要求には断固として拒否し、その代わり一時的な「給付金」に対しては気前よく支給する、というのは政権の財政論理として一貫していない印象は否めない。
確かに物価高騰に対する一時的な「手当」を給付する、という理屈も理解できるが、そうした一時的な給付で国民の窮乏が解消できるわけではない。むしろ長期的な経済政策こそが必要なのではないだろうか。それは「失われた30年」から脱却するための明確な経済政策を国民に提示することでなければならない。
財務省は国家予算を編成し適宜支出する省だから、財務官僚は100兆円規模の予算と税収を気にするのは当然のことだ。しかし政治家は国民の暮らしを気にすべきで、国民生活の基礎となる500兆円GDPの拡大を気にすべきだ。「失われた30年」間にGDPは少しも拡大しなかったが、政治家がGDPの拡大に関して国会で議論している場面を見たことがない。今国会でも税収と減税議論は耳に胼胝ができるほど聞き飽きたが、GDP拡大のための経済成長戦略に関して議論されたことは寡聞にして知らない。
税は景気動向によって増減すべき経済政策の一つだ。「失われた30年」間は一貫してデフレ経済であったが、デフレ経済から脱却するためには「積極財政と減税」が必要だと経済学の教科書に書いてある。その教科書に従えば、国民経済を大きくデフレ化させる間接税・消費税こそ減税すべきだったが、橋本自民党政権や安倍自公政権は三度に渡る消費税引き上げをして、日本経済の活力を削ぎ落としてしまった。
ここで日本経済に活力を取り戻し、GDPを拡大させるには消費税廃止といった大胆な政策転換しかない。消費税廃止すれば再び消費税導入は困難だ、という馬鹿げた屁理屈を主張する政治家や評論家がいるが、平成元年に消費税導入する以前には、日本に消費税はなかった。だから再び導入することが困難だから廃止しないという理屈は成立しない。
一時的な給付金で国民の窮乏感を紛らわすのではなく、財務省的な「税収」だけを気にする政治からの大転換が必要だ。政治家なら100兆円の議論ではなく、500兆円GDPの拡大策こそを議論すべきだ。GDPが拡大すれば税収は自と拡大する。チマチマとした財務官僚の論理に誤魔化されて、国全体の財政運営を見ない政治家の頭の悪さこそが大問題だ。