イランが一日も早く民主化することを祈るしかない。

<米国がイランの核施設を攻撃したことを受けて、週明けの世界市場ではまず原油価格が上昇し、安全資産への資金逃避が強まるとみられている。投資家は中東情勢の悪化が世界経済にどう波及するか見極める構えだ。

 投資家は株式が売られドルなどの安全資産が買われる可能性が高いと予想した。ただ、紛争の行方には依然として多くの不確実性が残るとの指摘も出ている。
 トランプ米大統領は攻撃が「成功した」と述べたが、詳細はほとんど明らかにされていない。ポトマック・リバー・キャピタルのマーク・スピンデル最高投資責任者(CIO)は「市場は当初警戒感を示し、原油価格は上昇して始まるだろう」と予想した。
 同氏は核施設の被害状況の調査は行われておらず、時間がかかるとの見方を示した。また、トランプ氏が作戦完了を宣言したにもかかわらず、米国はもはや戦闘に関与しており、今後どうなるかが問題だと指摘した。
 さらに、「今や米国全土の人々が影響を受けることになるため、不確実性が市場を覆うだろう。特に原油市場で不確実性と変動性が高まる」との見方を示した。

<原油価格とインフレへの影響>
 市場の主な懸念は中東情勢の展開が原油価格、さらにインフレに与える影響だ。インフレ率が上昇すれば消費者心理は冷え込み、短期的な利下げの可能性も低下する可能性がある。
 クレセット・キャピタルのジャック・アブリンCIOは、「これは新たな複雑なリスク要因となる。間違いなくエネルギー価格に影響を与える上、インフレにも波及する可能性がある」と述べた。
 北海ブレント先物は10日以降最大18%上昇しており、19日には約5カ月ぶり高値の1バレル=79.04ドルを記録した。一方、イスラエルが13日にイラン攻撃を開始した際にS&P500種株価指数は一時下落したものの、その後は小動きとなっている。
 今回の米国の攻撃に先立ち公表されたオックスフォード・エコノミクスのメモによると、1)紛争の鎮静化、2)イランの石油生産の全面停止、3)ホルムズ海峡の封鎖――という3つのシナリオを想定していた。それぞれが原油価格に影響を及ぼすが、シナリオが進むごとに影響が大きくなると分析した。
 最も深刻なケースでは世界の原油価格が1バレル=130ドルに急上昇し、年末までに米国のインフレ率が6%近くまで上昇すると予測した。「原油価格ショックは実質所得を圧迫し、必然的に消費者支出を冷え込ませるだろう。しかし、インフレ上昇やそれに続く2次的インフレの影響懸念から、年内の米利下げの可能性は完全になくなる公算が大きい」との見方を示した。
 ハリス・ファイナンシャル・グループのマネジングパートナー、ジェイミー・コックス氏は、攻撃発表後のコメントで、原油価格は一時的に急騰する可能性が高いとしながらも、米軍が力を見せつけイランの核開発能力が完全に失われたことにより、イランは交渉上の優位性を全て失ったと指摘。イランが和平交渉を模索する可能性が高いとして、原油価格は数日中に安定すると予想した。
 エコノミストらは、すでにトランプ大統領の関税政策で圧迫されている世界経済に原油価格の急騰がさらなる打撃を与える恐れがあると懸念している。
 一方で、歴史的に見れば株価の下落は一時的なものに過ぎないかもしれない。2003年のイラク侵攻や19年のサウジアラビア石油施設への攻撃など、中東情勢の緊張が高まった際には株価は当初低迷したものの、数カ月後にはすぐに回復し上昇に転じた。
 ウェドブッシュ証券とキャップIQプロが過去の紛争事例を分析したデータによると、S&P500は紛争開始後3週間で平均0.3%下落したが、紛争から2カ月後には平均2.3%上昇していた。

<ドルへの影響は複雑>
「米国例外主義」が色あせつつあるとの懸念からドルは今年に入って下落しているが、紛争の激化は複雑な影響をもたらす可能性がある。
 アナリストらは、米国によるイラン・イスラエル紛争への直接介入により、ドルは当初安全資産として買われる可能性があると指摘する。
 IBKRのチーフ市場ストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は、安全資産への逃避が見られれば、米国債利回りは低下しドルは上昇することになるだろうと述べた。
「株価がマイナスに反応しないのは想像し難いが、問題はどの程度マイナスに反応するかだ。それはイランの反応と原油価格が急騰するかどうかにかかっている」と語った>(以上「REUTERS」より引用)




 米軍攻撃機がイランの核開発施設三ヵ所を攻撃したという。トランプ氏はニュースに登場して「攻撃は成功した」と発表した。その事に関して米国紙は「イラン核施設攻撃、市場はどう動くか「間違いなくエネルギー価格、インフレにも波及する可能性」」と報じた。
 米国主要マスメディアは反トランプだからロイターの見出しは想定内だ。しかし現実的にイスラエルの対イラン攻撃を短期間で終わらせるには米軍がバンカーバスター・ミサイルを使用して核開発施設を破壊する方が良いと判断したのだろう。もちろんイラン当局は怒り心頭だが、具体的に米国に反撃する手段を持っていない。

 いわゆる「専門家」は大多数が紛争が戦争に発展する、と悲劇的な見解を述べているが、実際にはこれ以上の拡大はないだろう。なぜならイスラエルは米軍がイランの核開発施設を破壊したため、次の攻撃目標を失うと同時に、「イランの核開発を止めるため」というイスラエルの攻撃の正当性を主張する根拠を失った。
 米軍がこれ以上のイラン攻撃をするのか。そして湾岸諸国を巻き込んで戦争が拡大するのか、という疑問をマスメディアは呈しているが、米軍が直接イランを攻撃するのは今回の一回で終わりだ。米軍が二次三次とイランを破壊攻撃することはあり得ないし、その必要はないだろう。なぜなら米軍が核開発能力を喪失したイランを攻撃する必要はないからだ。

 米軍の核開発施設に対する攻撃を受けて、イランは直ちに反応してイスラエルに20発ものミサイルを発射した。その内数発が着弾してイスラエル市民83人が負傷したという。イスラエル自慢のミサイル迎撃システム・アイアンドームも飽和攻撃にはお手上げのようだ。日本が開発しているレールガンがあれば、ミサイルの飽和攻撃もそれほど脅威に感じることはないが、ミサイルをミサイルで迎撃する防空システムでは飽和香華のすべてを迎撃出来ない。
 しかしイランはイスラエルの民間施設も無差別に破壊している。イスラエルや米軍が軍事施設や核開発施設に攻撃目標を限定しているのと明らかに異なる。ホワイトハウスは「米国はイランの体制転覆を目的としていない」と明言したが、まさにそうなのだろう。政権転覆を狙うのなら、地下壕に隠れている宗教指導者を殺害しなければならないが、そのような攻撃はしていない。

 まだイラン国内の民主化勢力が政権転覆後の政権維持できるほどの段階にないと見ているのだろう。イラン国外に逃亡した民主化勢力が帰国して、イラン国内で勢力を糾合できるか否かが、今後のイランを決めるだろう。
 イランが宗教に名を借りた独裁体制を続ける限り、軍事政権であり続けるしかない。それは世界の独裁国家に共通だ。そして軍事政権である限り、国民の人権は制限され、自由は人権以上に制限される。制限された人権や自由を埋めるのが宗教であり、共産主義といった「意匠」だ。独裁者は様々な「意匠」を纏って国民の人権や自由を制限する。イランでは女性の人権や自由を極端に制限して、国全体の秩序を保っている。それは決してマトモな社会とは云えない。独裁者のための社会でしかないが、そのことを教える教育者たちも、おそらくイランから追放されているのだろう。イランが一日も早く民主化することを祈るしかない。

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