「財務省解体デモ」は倦むことなく続くだろう。なぜなら国民の貧困化は絶望的なまま続いているからだ。
<自民党に大変革が訪れようとしている。これまで対立してきた党内の二大勢力が一つに統合されるのだ。それは「自民崩壊」への序曲だった。
正反対の主張をするグループを1つに統合
〈自民党は、財政再建派と積極財政派の二つの組織を近く一本化する方向で調整に入った〉
1月7日、読売新聞は朝刊でこう報じた。
一見、地味なこのニュース。しかし、この決定がのちに永田町全体を巻き込む「大騒動」へと発展しかねないことを多くの人はまだ知らない。
そもそも財政規律(再建)派と積極財政派とはなにか。この2つは日本に対する現状認識の違いによって分かたれている。
「今は国の借金が大変なことになっているから、これ以上、借金をしてはいけない」と考えるのが規律派だ。一方、「今は経済が大変なことになっているから、国が借金をしてでも市中におカネをまわすべき」と考えるのが積極派である。
そして自民党内には、規律派が主導する「財政健全化推進本部」と、積極派からなる「財政政策検討本部」の2つのグループがあり、財政や経済運営を巡って対立してきた。
そこで党内の融和を図るため、両者をまとめて新たに「財政改革本部(仮)」を作ろうというのが、自民党の方針だ。
そもそもなぜ財政政策を扱うグループが党内に2つもあるのか。これには事情がある。
〈自民党は、財政再建派と積極財政派の二つの組織を近く一本化する方向で調整に入った〉
1月7日、読売新聞は朝刊でこう報じた。
一見、地味なこのニュース。しかし、この決定がのちに永田町全体を巻き込む「大騒動」へと発展しかねないことを多くの人はまだ知らない。
そもそも財政規律(再建)派と積極財政派とはなにか。この2つは日本に対する現状認識の違いによって分かたれている。
「今は国の借金が大変なことになっているから、これ以上、借金をしてはいけない」と考えるのが規律派だ。一方、「今は経済が大変なことになっているから、国が借金をしてでも市中におカネをまわすべき」と考えるのが積極派である。
そして自民党内には、規律派が主導する「財政健全化推進本部」と、積極派からなる「財政政策検討本部」の2つのグループがあり、財政や経済運営を巡って対立してきた。
そこで党内の融和を図るため、両者をまとめて新たに「財政改革本部(仮)」を作ろうというのが、自民党の方針だ。
そもそもなぜ財政政策を扱うグループが党内に2つもあるのか。これには事情がある。
安倍派vs.岸田前総理「水面下の暗闘」
'21年当時、党の政務調査会に、財政規律を重視する「財政再建推進本部」があった。ところが高市早苗氏が政調会長に就任すると、財政政策検討本部に改組され、「再建」の2文字が消えたのだ。これを主導したのが、現在、財政政策検討本部の本部長を務める西田昌司氏だった。
「西田氏が、高市氏に積極財政を推し進める新たな組織に作り変えるよう提案した。最高顧問には、アベノミクスで積極財政を推し進めた安倍晋三元総理を迎えました」(全国紙政治部記者)
すると党内の規律派がこれに反発。急遽、調整に動いたのが幹事長だった茂木敏充氏だ。茂木氏は当時の岸田文雄総理に、総裁の直轄機関として財政健全化推進本部を設置することを提案。最高顧問には、9年近くにわたり副総理兼財務大臣を務めた麻生太郎副総裁を据えた。
こうして2つのグループができたのだが、これは政局的な動きが関係していたとも言われる。
「当時、安倍派は95人と圧倒的多数派で、岸田さんは安倍さんに頭が上がらなかった。でも岸田派と茂木派、麻生派が合わさればその人数を超える。後に『三頭政治』と言われる基盤を作ったのが、財政健全化推進本部だったのです」(自民党関係者)
安倍派を中心とする積極派と、岸田政権を中心とする規律派。拮抗してきた両者だったが、昨年、そのパワーバランスが崩れた。裏金問題である>(以上「週刊現代」より引用)
'21年当時、党の政務調査会に、財政規律を重視する「財政再建推進本部」があった。ところが高市早苗氏が政調会長に就任すると、財政政策検討本部に改組され、「再建」の2文字が消えたのだ。これを主導したのが、現在、財政政策検討本部の本部長を務める西田昌司氏だった。
「西田氏が、高市氏に積極財政を推し進める新たな組織に作り変えるよう提案した。最高顧問には、アベノミクスで積極財政を推し進めた安倍晋三元総理を迎えました」(全国紙政治部記者)
すると党内の規律派がこれに反発。急遽、調整に動いたのが幹事長だった茂木敏充氏だ。茂木氏は当時の岸田文雄総理に、総裁の直轄機関として財政健全化推進本部を設置することを提案。最高顧問には、9年近くにわたり副総理兼財務大臣を務めた麻生太郎副総裁を据えた。
こうして2つのグループができたのだが、これは政局的な動きが関係していたとも言われる。
「当時、安倍派は95人と圧倒的多数派で、岸田さんは安倍さんに頭が上がらなかった。でも岸田派と茂木派、麻生派が合わさればその人数を超える。後に『三頭政治』と言われる基盤を作ったのが、財政健全化推進本部だったのです」(自民党関係者)
安倍派を中心とする積極派と、岸田政権を中心とする規律派。拮抗してきた両者だったが、昨年、そのパワーバランスが崩れた。裏金問題である>(以上「週刊現代」より引用)
「自民党のあの「二大勢力」がついに合体…!そして自民党の崩壊が始まる!ーー積極財政派vs.財政再建派の「仁義なき戦い」が火蓋を切った」ヤクザの抗争を報じているようだが、これが自民党内の勢力争いだという。「二大勢力が合体」したら「崩壊する」とは異なことだが、引用記事を読むと「異なこと」の中身が判明する。
つまり安倍派と他の三派(岸田、麻生、茂木)との対立関係を岸田氏が安倍氏亡き後の安倍派に対して「裏金問題」で攻撃して力関係を一機に変えた。それにより自民党内の「積極財政派」が「財政規律派」に吞み込まれてしまった。だが、それが自民党の崩壊につながるという。それは「財政規律派」は自民党内でこそ多数派だが、国民の支持から云えば少数派だからだ。
「財務省解体デモ」が大いに盛り上がっていることから明らかなように、政治が国民の力で変わろうとしている。財務省支配下で政権を永らえて来た自民党にとって「ザイム真理教」から宗旨替えすることはあり得ない。だから野党が「積極財政」派の国会議員で纏まっていれば政権交替は目の前だ。
しかし財務省は財務省支配に関して用意周到だ。自民党がダメになっても野党第一党にザイム真理教の教徒たちを大量に仕込んで、政権交替が起きたとしても財務省支配が変わらないようにしている。だから財務官僚たちは大丈夫だと思っている。
だが国民は財務省が思っているほど愚かではない。自民党がダメなら野党支持に変える、と単純なものではない。なぜなら、かつて民主党に裏切られているからだ。奇しくも、民主党で消費税増税を安倍氏に持ち掛けた野田氏が立憲党代表になっている。そして野田氏が指名した幹事長が「消費税25%」と主張した小川氏だ。これでは自民党に愛想を尽かした国民の支持が立憲党へ向かうわけがない。
だから今夏の参議院選で直ちに参議院が与野党逆転するとは思えない。それは立憲党の野田一派が野党連合の成立を邪魔しているからだ。ザイム真理教に帰依した野党国会議員は何処まで愚かなのだろうか。国民は貧困にあえぎ、国家は経済衰退にスパイラルに陥っているというのに。
自民党は「緊縮派」に乗っ取られて自壊する運命にある。財務省支配下にあるのだから、多くの国民が自民党を支持するわけがない。しかし同じ財務省支配下にある立憲党を国民は支持しない。つまり一昔前の与野党がザイム真理教の信徒として、国民の支持を同時に失っている。
全国規模で「消費税廃止」を訴える「積極財政派」が候補者を立てて、政権交替を起こすにはもう一度総選挙を経なければならない。そして自公と立憲の「緊縮派」を政界から一掃しない限り、日本経済が力強く成長することはあり得ない。つまり「失われた30年」は次の40年へと続くわけだが、それだけ国民の反・ザイム真理教圧力は強まる。「財務省解体」デモはいつまでも力を持ち続けて、ついには国政を動かすだろう。その日まで「財務省解体デモ」は倦むことなく続くだろう。なぜなら国民の貧困化は絶望的なまま続いているからだ。