ロシア人の”本音”、ある中年女性は「世界は狂ってしまった。年を取った2人の“バカ”が世界を共有してしまうなんて。うんざりする」。

<ロシアのプーチン政権がウクライナで続ける「特別軍事作戦」は4年目に入った。ウクライナの最大支援国である米国のトランプ大統領は、対露交渉に前のめりな姿勢だ。ロシアの人々は現状をどのように捉えているのか。首都モスクワの街角で探った。

「解決すると思いたい」「うんざり」
 作戦開始から丸3年となった24日、モスクワは雲一つない冬晴れとなった。表面上は戦争を感じさせない日常が続く。通りで話を聞くと、取材に応じた多くの人が米国とロシアの交渉開始を肯定的に受け止め、ウクライナでの戦闘終結に期待を寄せた。
 18歳の男性は笑顔でこう言った。「トランプ氏を信じたい。ロシアとウクライナの対立も、露米の対立も、解決すると思いたい。そして、(正規の輸入が止まっている米国ブランドの清涼飲料)コカ・コーラに戻ってきてほしい」
 一方、ある中年女性は「世界は狂ってしまった。年を取った2人の“バカ”が世界を共有してしまうなんて。うんざりする」と米露首脳へ向けたとみられる痛烈な非難を吐き捨てるように言い、足早に立ち去った。
 厳しい言論統制が敷かれている今のロシアで、この女性のような発言を人前でする例はかなり珍しい。取材に応じない人も多く、街頭で本音を聞き出すのは難しい状況だ。

「母親として、終わってほしい」
 24歳の息子がいるという中年女性は、「ウクライナでのことは早く終わってほしい。母親として願っている」と切実な様子で語った。息子は軍事を専門に大学院で研究を続けていたが、昨年8月の卒業と同時に徴兵された。「(戦闘が)終われば心配もなくなる。米露の交渉に期待している」
 米露首脳の電話協議のニュースが流れた際にはテレビにくぎ付けになったといい、「(前米大統領の)バイデンとトランプはやはり違う。私たちはバイデンとは戦わなければならなかった」と振り返り、「全てがうまくいく可能性は90%くらい。何もかも今年中に終わってほしい」と訴えた。
 外資系企業に勤める38歳の男性も「最低限、戦争は終わってほしい。人道的な理由からも、みんなが終わりにしたいと望んでいる。交渉が悪いという人がいれば不可解だ」と話した。対露経済制裁の解除にも期待を示し、「一度に解除されることはないだろうが、徐々に進むだろう」と述べた。
 27歳の男性は「もううんざりだ。これ以上、人が死なないでほしい」と戦争に否定的な思いを率直に語った。ただ、米露間の対話については「3年間まともな会話をしてこなかった。何事にも1年はかかるだろう」と慎重な見方を示した。

戦闘終結求める機運
 独立系世論調査機関レバダセンターが1月23~29日にロシア各地に住む1615人を対象に実施した世論調査によると、露軍の行動を支持する人の割合は78%だった。特別軍事作戦が始まった2022年2月以降、ほぼ7~8割の支持で推移し、現在も大きく変わっていない。また、回答者の76%が「ロシアが勝利する」とみる。
 ただ、「軍事行動を継続すべきか、和平交渉を始めるべきか」との問いに対しては、「交渉開始」が61%で過去最高となり、戦闘終結を求める世論の高まりが感じられる。「軍事行動の継続」は31%だった。回答者の43%は、ウクライナでの軍事行動があと1年かそれ以前に終わるとみている。
 プーチン大統領は2月23日のロシアの「祖国防衛者の日」に合わせ、特別軍事作戦で功績があったとされる軍人らへ「英雄」の称号と勲章を授与した。式典で「作戦の参加者たちは国民の未来のために勇敢に戦っている。我々は目標を達成しつつある」と称賛。戦場での優勢と、対米交渉の進展に自信を持っているとみられる>(以上「毎日新聞」より引用)




「世界は狂ってしまった」 米露交渉、ロシア人の”本音”を聞いた」とはロシア老婦人の言葉だ。それが本音ではないだろうか。
 プーチンはトランプ大統領がロシアとの未交渉する、と発表した時には天にも昇るほど欣喜雀躍しただろう。ロシア経済はこれ以上の戦争継続に耐えられない。実際に対ドル・ルーブル為替相場は90ルーブル台にまで落ちている。もはや戦時経済の好況もガス欠状態だ。

 プーチンの本音は一日も早い停戦合意だろう。トランプ大統領がロシア軍のウクライナ領内の前線を仮の国境線とする、としたトランプ大統領の提案通りに纏まれば、これ以上文句はないだろう。
 しかし強欲なプーチンは停戦後もウクライナがNATO入りを許さないとか、様々な条件を持ち出して、要求を突き付けている。そこでトランプ大統領がプーチンの提案を呑むのかと云えば、そうでもないようだ。今度はトランプ大統領が掌を返してプーチンを放置してゼレンスキーと秘かにウクライナのレアアース利権に関する話し合いをしているようだ。

 まさに反吐が出るような米国人のプラグマティズム振りだ。利益のためなら国連で決議した「武力で国境線を変更しない」という決議すら丸めてポケットに捻じ込んでしまうタチの悪さだ。米国民がすべてトランプ大統領のようだとは云わないが、西側諸国の米国に対する信頼は地に堕ちただろう。
 日本政府は相変わらずウクライナ支援を変えていないし、EU諸国もウクライナ支援の結束が乱れたとの報道はない。ポーランド首相などはトランプ大統領と面会して、ウクライナ支援を要請したという。時恰も、ドイツでは左派活動家政党が破れて、右派保守派政党への政権交替が起きた。ゼレンスキー氏にとって悪いニュースばかりではないようだ。

 ここに来て、情報が錯綜している。米国とウクライナが合意に近づいている、とか、プーチンが習近平氏と連絡を取っているとか、様々な情報が出ているため、事態は流動的だと判断せざるを得ない。
 トランプ氏が「ロシアは悪くない」とプーチン擁護発言を繰り返したのも、彼一流のディベートではないか、と思えて来る。そうすると藁にもすがる思いでプーチンが全面的にトランプ氏に停戦条件を丸投げして来る、と読んでいたのかも知れない。しかしプーチンとクレムリンは停戦合意のハードルを次々と上げてきた。もはやトランプ氏も「プーチンの強欲は手に負えない」と匙を投げたのかも知れない。だからプーチンは習近平氏に連絡を取ったのではないか。

 だからウクライナは攻撃の手を緩めないで、モスクワの新兵器開発研究施設や石油精製施設をドローン攻撃で爆破した。サウジアラビアも原油を増産して「原油価格を現在の半値まで下げる」と宣言したのかも知れない。
 国際ニュースは「サウジアラビアはEVを叩くために原油増産に踏み切り、原油価格を現在の半額にすると決断した」と配信したが、現在の1バレル80ドル前後を40ドル近くまで下げれば、原価が60ドルと云われるロシア原油は赤字になる。ロシア原油は掘れば掘るだけ赤字が積み上がるが、戦争継続のためには赤字でも原油を輸出し続けなければならない。そうすると、ロシア経済がいよいよ破綻してロシア国民はハイパーインフレに見舞われるだろう。サウジアラビアの増産宣言は実はいつまでも停戦交渉のハードルを上げるプーチンを叩くためではないか。

 引用記事の最後には「プーチン大統領は2月23日のロシアの「祖国防衛者の日」に合わせ、特別軍事作戦で功績があったとされる軍人らへ「英雄」の称号と勲章を授与した。式典で「作戦の参加者たちは国民の未来のために勇敢に戦っている。我々は目標を達成しつつある」と称賛。戦場での優勢と、対米交渉の進展に自信を持っているとみられる」とあるが、それこそが現状認識の相違ではないか。
 トランプ氏は相手を見限るのも即断即決のようだ。プーチンは自身がトランプ氏によって見限られたのに気づいてないのかも知れない。さて、事態は流動的だが、トランプ氏がNATO諸国を敵に回してプーチンと妥協することはないだろう。そしてロシアの社会崩壊の時限爆弾は刻々と時を刻んでいる。プーチンに残された時間はあと僅かでしかない。

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