崩壊する中国経済。
<失速する対外貿易中国経済孤立化(上)
13日閉幕の全人代で、李克強前首相は2023年の経済成長目標を5%前後とし、「内需拡大に注力する」と述べた。裏を返せば、中国は対外貿易に依存できないという窮地にある。
都内で貿易業に従事する梁氏(仮名)は先月、3年ぶりに上海に里帰りした。そして日本に戻るやいなや、ひどく興奮したようすで筆者に電話をしてきた。
「ゼロコロナ終了で確かに街は賑やかだったが、港はヤバい。中国から輸出する貨物が減り、ほとんどが空きコンテナだ」とまくしたてた。
上海滞在中、梁氏は取引先へのヒアリングを繰り返した。
「『工場の稼働はどう?』と聞くと『うちはまったくダメ』と返ってくる。私の取引先は軽工業品の製造業者だが、うまくいっている企業は皆無」(梁氏)
中国の港湾では労働者が悲鳴を上げている。仕事がないためだ。2月末、中国の金融専門メディアは広東省深圳の塩田港の現状についてこう取り上げた。「港湾ではコンテナ車の運転手として1万5000人以上が登録されているが、現在、仕事に就いているのは2000人程度にとどまる」——。塩田港といえば対米貿易の4分の1を担う中国屈指の港湾である。
■失業者増、時給も下がる
中国のSNSで飛び交う話題も景気の悪い話ばかりだ。輸出向けの注文が減り、工場の稼働が落ち、労働者は職を失う。深圳市では職探しがさらに輪をかけて厳しくなり、工場労働者の時給が18元(約360円)にまで落ちた。ちなみに2021年は26元、22年は20元だった。
「中国から欧米向けの船が減っている。積み荷がなくてガラガラだ」
年明け、日本の物流大手管理職のA氏は、中国の対外輸出の変調を憂慮していた。22年12月、中国発の米国向けコンテナ船は前年同月比23.6%減少、欧州向けは18.9%減少した(日本海事センター)>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
13日閉幕の全人代で、李克強前首相は2023年の経済成長目標を5%前後とし、「内需拡大に注力する」と述べた。裏を返せば、中国は対外貿易に依存できないという窮地にある。
都内で貿易業に従事する梁氏(仮名)は先月、3年ぶりに上海に里帰りした。そして日本に戻るやいなや、ひどく興奮したようすで筆者に電話をしてきた。
「ゼロコロナ終了で確かに街は賑やかだったが、港はヤバい。中国から輸出する貨物が減り、ほとんどが空きコンテナだ」とまくしたてた。
上海滞在中、梁氏は取引先へのヒアリングを繰り返した。
「『工場の稼働はどう?』と聞くと『うちはまったくダメ』と返ってくる。私の取引先は軽工業品の製造業者だが、うまくいっている企業は皆無」(梁氏)
中国の港湾では労働者が悲鳴を上げている。仕事がないためだ。2月末、中国の金融専門メディアは広東省深圳の塩田港の現状についてこう取り上げた。「港湾ではコンテナ車の運転手として1万5000人以上が登録されているが、現在、仕事に就いているのは2000人程度にとどまる」——。塩田港といえば対米貿易の4分の1を担う中国屈指の港湾である。
■失業者増、時給も下がる
中国のSNSで飛び交う話題も景気の悪い話ばかりだ。輸出向けの注文が減り、工場の稼働が落ち、労働者は職を失う。深圳市では職探しがさらに輪をかけて厳しくなり、工場労働者の時給が18元(約360円)にまで落ちた。ちなみに2021年は26元、22年は20元だった。
「中国から欧米向けの船が減っている。積み荷がなくてガラガラだ」
年明け、日本の物流大手管理職のA氏は、中国の対外輸出の変調を憂慮していた。22年12月、中国発の米国向けコンテナ船は前年同月比23.6%減少、欧州向けは18.9%減少した(日本海事センター)>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
やっと報道機関の情報が現実に追いついて来たようだ。中国経済の話だ。
姫田小夏氏(ジャーナリスト)が日刊ゲンダイに「中国“ゼロコロナ終了”も輸出コンテナはガラガラ…遠ざかる「復活シナリオ」に労働者悲鳴」という記事を寄稿した。
短い記事だから是非一読して頂きたい。習近平執行部が今年2023年のGDP成長目標を劇的回復で5%↑だと掲げていたが、それがいかに現実から乖離した「大嘘」か解るだろう。
いや「日本海事センター」の報告で分かるのは貿易動向だけではないか、中国経済の全体を貿易動向だけで評すのは間違いではないか、という声が聞こえて来るが、貿易動向だけで中国経済全般を論じても決して的外れではない。
なぜなら中国経済の主力エンジンは貿易取引だからだ。それも対・先進自由主義諸国との貿易取引が大きく左右するからだ。中国民の個人消費は期待薄だ。なぜなら中国民が全般的に貧困化しているからだ。
ここに中金集団(CICC:合弁投資銀行)が報告した中国の総資産額の数字がある。それは790兆元に達していると誇らしげだが、中身を見ると総資産額のうち中国資産は360兆元で45.6%でしかない。そのうち36.7%に相当する290兆元を保有しているのは富裕層トップ1%の人たちだ。中間層(約9900万人)が保有する資産は110兆元で中国資産の13.9%を保有している。残りの13億人が30兆元を保有していて、その率はたった3.99%でしかない。
中国民の大半を占める貧困層の人たちに、いかなる個人消費を望むというのだろうか。日本人は日本国内の「個人消費がGDPの主力エンジン」という常識で考えるが、その常識は中国には当てはまらない。
そして肝心なのは中国の富の実に36.7%に相当する290兆元をトップ1%が保有していることだ。トップ1%とは、いうまでもなく中国共産党幹部たちだ。もちろん習近平氏もその中に入っている。彼らは保有する資産を中国内で持っているのではない。もちろん土地や家屋は基本的に「国有財産」だから、主として金融資産として持っている。それらの金融資産は何処の銀行に預けられているのか、云うまでもなくトップは米国の金融機関だ。その次はスイスで順次カナダやオーストラリアと続く。
先進自由主義諸国の金融機関に預けている。その中国共産党幹部たちが台湾進攻に踏み切るだろうか。ウクライナにロシアが軍事侵攻して、22兆円もの金融資産を凍結されたプーチンや石油成金のオリガルヒたちを習近平氏たちは見ている。自分たちがせっかく蓄えた膨大な額の金融資産を差し抑えられる仕儀に彼らは出るだろうか。だから私は中国の台湾進攻はない、と予てから断言している。