石油元受売のハイオク詐欺と、それを20年間も見抜けなかった官僚たちの間抜け。

石油元売り5社がオリジナルブランドで販売し、業界団体も「各社が独自技術で開発した」と説明していたハイオクガソリンが、スタンドに出荷する前段階で他社製と混合されていることが毎日新聞の取材で判明した。物流コスト削減を目的に貯蔵タンクを他社と共同利用するようになったためだが、各社は公表していない。複数の関係者は「混合出荷」は約20年前から各地で行われていると証言する。高級ガソリンのハイオクは各社の独自製品と認識して購入する消費者も多く、情報開示のあり方が問われそうだ。
 元売り業界は再編が進み現在はENEOS(25日にJXTGエネルギーから社名変更)、出光昭和シェル、コスモ石油の大手3社とキグナス石油、太陽石油の5社体制。ハイオクに独自のブランドを付けて商標使用契約を結んだ系列スタンドに出荷し、太陽を除く4社はホームページで燃費などの性能を宣伝している。各社は取材に混合出荷を認めたが、こうした流通形態を取る地域や開始時期は「他社との契約に関わる」として回答しなかった。  レギュラーガソリンについて各社は公正取引委員会の調査に、物流の効率化のため、タンクの共同利用や、自社の製油所やタンクがない地域で他社のガソリンを買い取って自社製として販売するバーター取引をしていると説明してきた。  この流通形態は1996年の石油輸入の完全自由化をきっかけに加速したが、ハイオクは独自の供給体制を維持しているとされてきた。大手3社の社長らが会長と副会長に就く「石油連盟」も今年6月に削除するまで、ホームページで公開する消費者向けパンフレットに「ハイオクなど各社が独自技術で開発した高品質製品は独自ルートで供給されている」と記載。ほとんどのスタンドは混合出荷やバーター取引を知らずに販売し、資源エネルギー庁も取材に「独自製品と認識している」と答えていた。  しかし毎日新聞は、ENEOSが2月に東大阪市のスタンドに回答した文書を入手。そこには「コスモと同一のタンクを利用している」と記されていた。さらに、ENEOSとコスモが出資する「東西オイルターミナル」(全国23カ所)の東北や関西、九州地方の関係者は「約20年前から、2社は同じタンクから出荷している」などと証言。別の会社が運営する新潟県上越市のタンク関係者も「99年から旧出光(現・出光昭和シェル)とコスモのタンクは同じ」と話した。  タンクの共同利用やバーター取引による出荷について大手3社は「自社規格を満たすことを確認し自社製品として販売している」、キグナスと太陽は「国の品質基準を満たしている」と回答し、いずれも問題はないとしている。出光昭和シェルは「Shell V-Power」のブランドで販売するハイオクについて「他社製と混合していない」と答えた。キグナスは製油所を持たず、主にコスモから仕入れていると回答した。  一方、石油連盟はハイオクに関するパンフレットの記述削除について「取材を受け、誤解を招く記載であることが判明したため」としている。【遠藤浩二】  ◇経済産業省の総合資源エネルギー調査会で専門委員を務めた小嶌正稔・桃山学院大教授(石油流通産業史)の話  元売り各社はハイオクは他社との差別化商品だと言い続けてきたので、混合出荷やバーター取引をしていたことは驚きだ。誤った情報を消費者に与えることは許されない。独自の供給体制を取れないならば、独自製品であるかのように宣伝すべきではない。  ◇ハイオクガソリン   異常燃焼の起こりにくさを示すオクタン価が高いガソリンのことで、プレミアムガソリンとも呼ばれる。日本産業規格(JIS)はレギュラーのオクタン価は89以上、ハイオクは96以上と規定する。エンジンに汚れを付きにくくする効果などがある添加剤を加えている。店頭価格はレギュラーより1リットル当たり約10円高く、各社間の価格差はほとんどない。スポーツカーや外車など高排気量の車はハイオク指定が多く、国内ガソリン販売量の約9%がハイオクとされる>(以上「毎日新聞」より引用)



 20年も前からハイオクガソリンを販売する元売り五社は詐欺を行っていた、という。独自開発のハイオクガソリンなどは存在せず、各社が共同使用するタンクで混合していたというのが実態だという。
 消費者庁や資源エネルギー庁は一体何をしていたのだろうか。彼らは業者からの報告を鵜呑みにして、実地調査をしていなかったのだろうか。なんというお粗末ぶりだろうか。

 官僚たちの仕事とは一体何なのか。国民を護るためにあるのか、業界利益擁護のためにあるのか。そして自動車ジャーナリストと称する連中はハイオクガソリンとレギュラーガソリンに違いがないことが皆目判らなかったのだろうか。彼らの五感は自動車性能を見極めるためにあるのではなく、いかに自動車会社や石油元売りのご機嫌を取り結んでギャラをせしめるかにのみ働いていたのだろうか。
 バッタもんの商品を売り付けていて、よくも石油元売り五社の経営陣は恥ずかしくなかったものだ。恥ずかしげもなくテレビ等でガソリンの宣伝をしているが、反省のために「お詫びの言葉」を出して、派手なCFを自粛したらどうか。

 そして政治家諸氏は弛み切った業界に対して、監督責任を負う官庁や官僚の責任を厳しく追及すべきではないか。官邸が村の鋳掛屋が軍艦を受注して大造船企業にピンハネ丸投げをするという「下剋上の中抜」が横行するという腐り切った様相を呈していても、一向に検察が動かない状態で、さらに国家機関が弛み切っている。
 これこそ事件ではないか。レギュラーより一割程度も高額なハイオクガソリンが価格に見合ったものでない、とすれば宣伝で惑わした経営陣は総退陣して責任を果たすべきではないか。もちろん、詐欺行為に対する刑事罰も受けてもらわなければ国民は得心しないだろう。

 石油商品の価格決定においても馴れ合いの「談合」まがいがあったとしたら、公取は「寡占禁止法」違反容疑として動くべきではないか。原油価格が大幅に解せくしても、末端ガソリン価格がなぜそれほど下がらないのか、国民は石油価格に不信感を抱いている。
 そうした疑念に政府・担当官庁はシッカリと答えなければならない。

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