東京は果たして「次のステージ」に入っているのか。

<24日、東京では新たに55人の感染が確認されました。「夜の街」だけなく、職場内でクラスターが発生しているとみられています。 50人を超えたのは大型連休中の5月5日以来で、緊急事態宣言の解除後、最も多い数値となりました。 

■「職場内クラスター」何が起こってる?

55人のうち12人は、新宿区が行っているホストクラブなどの集団検査で判明しました。 他に、同じ職場で働く会社員の「職場内クラスター」の濃厚接触者が8人となっています。 

小池都知事は24日朝、「職場内クラスターがこのところ大変問題になっています」と話しました。 
 
この職場とは、都内にある人材派遣会社で、仕事内容はデスクワークに近い仕事です。 ここで23日までに7人の感染が判明していて、保健所が、クラスターが起きたとして同僚など濃厚接触者を調査していました。そんな中、24日に新たに8人が追加されました。 

在宅勤務のケースが減り、顔を合わせて仕事をする人も増えてきている中で、一般的なオフィスでの対策をしっかりしないと大変なことになるという事例です。
 
また東京都は、都立の特別支援学校の50代の男性教員が感染したと発表しました。この男性教員が指導した生徒11人と、同僚の教職員16人のあわせて27人は、濃厚接触者にあたるとして自宅待機に。教員が担当するなどしていた1学年については、6月24日から7月3日まで臨時休校としました。21日にも、別の都立の特別支援学校に勤める30代の女性教員の感染が確認されています。 

「東京アラート」は先週金曜日で終了しています。東京アラートはなくなっていますが、第二波に備えて新しい指標と都民への告知方法を発表する予定だということです。 

■TDRは7月1日再開 しかし年パス使えず

心配な状況は続きますが、各地で続々と施設が再開しています。 
 
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、7月1日に再開することになりました。ただ、感染予防のため多くの制約があります。
 
当面は、
・入園者数は通常の50%以下 
・パレードやショーは休止 
・キャラクターとふれあえる施設も休止
となります。 

代わりに、ステージや船の上などからソーシャルディスタンスを確保した上で、キャラクターが挨拶をしてくれる機会が設けられるということです。
 
他にも、オンラインで日付指定のチケットを事前購入した人のみ入園可能となります。予約は明日から受け付けを開始し、チケットは1か月先まで先着順での購入になります。 
 
当面、年間パスポートは使えないということです。 年間パスポートは期間内であればディズニーランドでもディズニーシーでも遊び放題の券で、値段は約10万円します。
この年パスを持っていてもチケットを買わなければならない、というケースも出てきます。年パスに関しては、有効期限の延長や払い戻しだけでなく、年パスを持っている人を対象に抽選で入園できるシステムを導入するとのことです。

■横浜「ニュウマン」は午前の入場が要予約に
新たに開業した施設でも独自の対策が取られています。 

24日、横浜駅と直結した「JR横浜タワー」の複合施設が開業しました。 雑貨店、映画館や飲食店などが入っていて、屋上には横浜港などが見渡せる「うみそらデッキ」というものがあります。観光スポットにもなりそうですが、密を避けるため当面は使用できないということです。 
また、商業施設の「ニュウマン」に入るには、6月28日までは午前はHPから予約が必要。午後は入場規制があるということです。 



■上野動物園は密対策で「全員パンダ舎へ」

上野動物園も“新たな楽しみ方”を導入して23日から再開しました。 
入園できるのは、インターネットや電話で事前に整理券を取得した人のみです。 平日でも1日約1万人以上が来園しますが、6月は1日4000人を上限にしています。

また、混雑を避けるため、入園する人は全員パンダ舎の前を通ってもらうということです。
入園さえ出来れば改めて並ばなくても3歳になったばかりのシャンシャンにも会えるということです。ただ、密を避けるため、立ち止まったり写真・動画の撮影はNGということで、ここを通れるのも1回だけです。

■星野リゾート スマホで「3密見える化」

宿泊施設も工夫しています。 

全国で温泉などの宿泊施設を展開する星野リゾート。 
一部の施設では6月からスマートフォンで温泉や大浴場の混雑状況が事前に分かる「3密見える化サービス」を始めたそうです。 

部屋でスマホをチェックして、空いている時間が分かるため、好きな時間に入ってください、ということです。 

施設が再開すると日常が戻ってくるようで励みにもなります。利用する側も管理者側の感染対策をきちんと理解して、気持ちよく楽しみたいですね>(以上「日テレニュース24」より引用)



 東京は昨日55人もの新規武漢肺炎の感染患者を数えた。小池都知事が宣言した「次のステージ」に入ったとは決して言えない状況だ。依然として武漢肺炎は感染拡大の機を窺って潜伏している、とみるべきだ。
 職場クラスターが発生している、という。当然といえばこれほど当然のことはない。まさに密集した部屋で長時間執務すれば感染するのは当たり前だ。なぜ企業はテレ・ワークを解除したのだろうか。

 そして人を集める「集客産業」が以前と同様の業務を実施するとは考えられない。上野動物園の例が挙げられているが、集客産業は自粛すべきではないか。もちろん多くの人を一ヶ所に閉じ込める「集客産業」も業態のあり方そのものを一考する必要があるのではないだろうか。
 早くもプロ野球も来週には観客を入れるとしているようだが、それも再考した方が良い。たとえ観客を半分にして密集を避けたにしても、万人を超える人たちが数時間も同じ場の空気を吸うことに変わりない。感染の確率は格段に高いと推定するのが常識ではないだろうか。

 ホテルや旅館にしても同じことがいえる。「集客産業」は感染症対策にとってマイナスでしかない。エンターテインメント産業は悪夢のような話だが、劇場などに集客して芸を披露する業態は時代遅れでしかないのかも知れない。
 大きな会場で観客が一体化して盛り上がるのは「集客産業」の醍醐味だが、それも感染症対策の観点からすれば望ましくない。観客は自宅で有料配信された画像をディスプレイ観戦する方が感染症対策としては望ましい。エンターテインメントもそうした方が感染症対策として良いのは論を俟たない。ただ、それが果たしてエンターテインメントと呼べるのかは疑問だが。

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