レジ袋だけが環境に悪いのか。

原田環境相は3日、全国のコンビニやスーパー、ドラッグストアなどの小売店で使われているプラスチック製レジ袋の無償配布を禁じる法制化を行う方針を明らかにした。レジ袋の有料化の方法などは今後、各事業者が選択するとしている>(以上「読売新聞」より引用)


 なぜ「プラスティック・ゴミ」でレジ袋だけを狙い撃ちにするのだろうか。プラスティック・ゴミが環境破壊する、というのならすべてのプラスティック製品製造を禁止にすれば良い。
 弁当箱も「曲げわっば」に戻せば良いし、自動車のバンパーなどもメッキした鉄板に戻せば良い。手桶もプラスティックを禁止して、昔の薄板に箍を嵌めたものに戻せば良い。

 しかしゴミを出す袋をプラスティックにしたままでは本末転倒ではないか。油を沁み込ませた紙袋にするしかない。本当に、プラスティックを燃やしたら環境破壊する、というのなら、石油製品のすべてを禁止にするしかない。なぜならプラスティックもガソリンなどの石油製品と元素などの生成物に大差ないからだ。
 レジ袋だけを狙い撃ちにするのはナンセンスだ。プラスティック製品の中でもレジ袋の原料のポリエチレンは、かつて利用がなく常圧蒸留塔の煙突から空中へ廃棄され燃やされていた。石油精製の段階でポリエチレンは必ず出る物質で、レジ袋は廃棄され燃やされるだけだったポリエチレンの有用な利用とされた。

 だからタダでレジ袋はスーパーの買い物客に配られた。それは同時に買い物篭の店内持ち込み禁止を可能にし、万引きの減少に役立った。いわばレジ袋はスーパーにとって一石二鳥の便利なものだった。
 それをゴミ出しにそのまま使えば良かったのだが、小銭を稼ぎたい地方自治体がレジ袋とは異なる丈夫なビニール製の袋を「官製ゴミ袋」として強制的に使用させた。どっちが焼却炉に害が大きいかは一目瞭然だが、そのことをマスメディアは一切追求しない。

 そして分別したところで、焼却場では生ゴミだけを燃やしたら火力が足らないため、プラスティックゴミも一緒ん燃やしていることを御存じだろうか。プラスティックゴミを一緒に燃やしていない焼却場では火力を強るために重油を噴霧している。そうしないと生ごみは燃えないで大量の焼却ゴミが出ることになる。
 石油や重油を燃やすのは「悪く」ないが、レジ袋は「悪い」とはいかなる理由からだろうか。いずれも原油を原料とする炭化水素化合物であることに変わりない。マスメディアがキャンペーンを張って悪者を仕立てると必ず良からぬことが起きる。レジ袋もその例に漏れない。

 環境のためになるなら、レジ袋有料化に賛成だ、というシタリ顔のバカ顔が見えるようだが、現代日本でプラスティックと無縁な暮らしを送ることは不可能だ。そもそもゴミ出しですらプラスティック製のごみ袋に詰め出しているではないか。
 それならレジ袋を捨てないで、廃プラ・ゴミとして出すようなキャンペーンを張る方が先決だ。いずれ生ごみと一緒に焼却炉へ投げ入れているのだから、分別する必要もない。ナンヤかやと屁理屈を付けて細かく規則を作るのが官僚だ。その細目の一つ一つに官僚の天下り先が出来る、という寸法だ。レジ袋を有料化して、官僚が天下っても団体から給金が出せるようになって良かった、と官僚たちは手を打って喜ぶだけだ。

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