世論調査の摩訶不思議。年金不満60%以上もいて政権支持率47.3%の論理を説明してくれ。

「老後資金2000万円」問題が、やはり安倍晋三政権の打撃になりつつあるようだ。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が15、16両日に行った合同世論調査によると、年金制度への信頼感が損なわれ、麻生太郎財務相兼金融担当相が問題の早期幕引きを図ったことが裏目に出ていることが、あらわになった。夏の参院選に向け、政権・与党は戦術の見直しを迫られそうだ。
 「(2000万円問題については)冷静に説明し、老後の不安をあおるようなことがないように進めたい」
 菅義偉官房長官は17日、政府・与党協議会でこう語った。野党が参院選前に「2000万円問題」を争点化していることを受け、防戦一方になることを阻止する構えのようだ。
 世論調査では、(1)安倍内閣の支持率が、前回調査(5月11、12両日実施)から3・4ポイント減の47・3%(2)政党支持率で、自民党は5・1ポイント減の35・9%(3)参院選比例代表での投票先で、自民党は8・5ポイント減の31・4%-と落ち込みが目立った>(以上「ZAK ZAK」より引用)


 おかしな世論調査もあるものだ。年金問題に対して「不満だ」という割合が60%を超えていて、政権支持率が47.3%もあるという。なぜ国民は政策は支持してなくても政権が支持できるのだろうか。
 それとも国民にはサディストが多くいて「もっと苛めてくれ」と政権に縋っているのだろうか。そのサディストの数だけ政権支持率が上がっているのだろうか。

 街頭インタビューでも「財政赤字なら消費増税の仕方ない」と返答する財務省の回し者化とビックリする御婦人がいたりする。個人的な「家計」と貨幣発行権を持つ「政府会計」とを混同しているようだ。しかし財務官僚もマスメディアも混同させるような世論誘導に専念しているから仕方ないのかも知れない。
 そうした「無知な国民」を騙して安倍自公政府は金持ちをより金持ちに、企業の内部留保をより厚くするための政策を実施してきた。その反対に貧困層はより貧困に陥っていることを国民は「肌感覚」で知っているはずだが、マスメディアが「イザナギ景気」超えなどと安倍ヨイショに余念がないからコロッと騙されてしまう。その間にも日本は衰亡しているというのに。

 消費増税はすべきではない、というのは経済原論程度の知識で解るはずだ。米国からMMTなる「学問」が黒船としてやって来て、御用学者たちは大慌てのようだが、財政赤字を増税で賄ってはならない、財政拡大で経済成長させることこそが正しい処方箋だ、というMMT理論に財務省丸抱えの安倍自公政権はアタフタしているようだ。
 しかし、そうしたことは以前から少数の経済評論家が主張し、と私もこのブログで何度も書いてきた。財務省や幇間・評論家が主張して来た「財政規律論」は誤りだ。その論理は日本を衰亡させるための偽の論理だ。彼らこそ究極の反日・日本国民だ。

 日本を日本国民が取り戻すためには消費減税を行い、財政出動し、企業には投資・研究費減税を粉うと同時に本税を旧に復すことだ。そして超過累進税率を復活させ、株式配当などの源泉分離を廃止して総合課税にすべきだ。そうすれば消費税を廃止しても十分にお釣りがくる。
 もちろん年金は一元化して、現役当時に何をしていたかに関係なく、老後は同額の年金を戴く、というのが社会保障のあり方だ。年金は「納付還元方式」ではないし、保険会社が運営する「年金保険」でもない。社会保障なら「負担は応能で、支給は一律」というのが大原則だ。年金こそ利権の温存ではなく、社会保障の大原則に戻すべきだ。

 なぜそうした議論がなく、チマチマとした2000万円不足だ、といった重箱の隅を突っついてばかりいるのだろうか。共済年金の連中の高笑いが聞こえるようだ。

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