自動車関係の税金を引き下げよ。
<自動車の取得や保有に関わる税金が、年末に決める2019年度税制改正の焦点に浮上している。19年10月の消費税率引き上げをにらみ自動車業界が税の軽減を強く求めており、税制論議を仕切る自民党税制調査会の宮沢洋一会長も検討を明言している。ただ、財務省、総務省は税収減になる事態は避ける考えで、調整は難航しそうだ。
自動車メーカーでつくる日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は18年9月20日に会見し、大幅な減税要望を発表した。
上記の他にも自動車関連で不可解なのは古い年式の自動車税を増税していることだ。古い年式だと燃費が悪いし省エネでないから買い替えを促進するために自動車税を上げているというのが理屈だが、まだ乗れる自動車を買い替える方が省資源に反してはいないだろうか。
古い年式の車は燃費が悪く「温暖化ガスを多く排出する」という理屈も変だ。古い自動車はその販売年度の排出ガス基準に適合したから販売されたものだし、当時の法律に適合していれば文句を言われる筋合いではないはずだ。
そして上記自動車に関する種々雑多な税金について不満を申し上げたい。余りに日本は自動車の保有について回る税金が高すぎる。欧米諸国と比較しても優に三倍は越えている。自動車が贅沢品だといわれていた昔ならいざ知らず、生活必需品となった現代でも高額な税金を支払わされるのは我慢ならない。
その上、高速道路料金も異常な高さだ。フリーウエーの多い外国人から見れば「クレージー」そのものではないだろうか。安くすれば高速道路に自動車が殺到する、という馬鹿な意見があるが、自動車が殺到したなら渋滞道路をわざわざ選択するドライバーはいないだろう。それこそドライバーは込み具合と目的地到達予定時間とを睨みあいながら、適切なコースを選択するだろう。
高速道路を無料化すればどうなるのかは、民主党政権の千円乗り放題時代に国民は経験している。当時は自動車で行ける距離の「近くの温泉地」が賑わった。国内消費刺激にどれほど役立っていたか思い出すべきだ。
自動車税が減税になると財源としている地方自治体の税収が減少すると心配する声があるが、公務員の恵まれた年収や共済年金を「民間水準」に減額すれば良い。当然、議員歳費も同率で減額すべきだ。自動車関係の税金引き下げを行政の高コスト体質を改めるべき良い機会にすべきではないだろうか。
自動車メーカーでつくる日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は18年9月20日に会見し、大幅な減税要望を発表した。
自動車には取得・保有・走行の各段階で計9種類もの税金が課される。まず、購入する段階で、(1)消費税とともに(2)自動車取得税(都道府県税)がかかる。所有していると、(3)自動車税(同)または(4)軽自動車税(市町村税)が毎年かかる。さらに、新規登録や車検時に(5)自動車重量税(国税)を納めなければならない。さらに、車を使う際にはガソリンにかかる(6)揮発油税(国税)、(7)地方揮発油税(地方税)、軽油の(8)軽油引取税(軽油)またはLPG(プロパンガス)の(9)石油ガス税(国税)がかかり、(1)消費税もが課される。
これら9税のうち、取得税は2019年3月31日まで、エコカー減税(環境対応車普及促進税制)によって免税や軽減措置がある。税率は取得価格の3%(軽は2%)だが、19年10月の消費税率10%へのアップ時に「環境性能割」という形に衣替えし、燃費に応じて0〜3%(軽は0〜2%)になることが決まっている。
重量税は同年4月30日まで免税や軽減措置があり、免税の車両に関しては新車購入時から3年後の初回車検時にも免税が適用される。
自動車税と軽自動車税は排気量に応じて課税され、普通乗用車は年2万9500〜3万9500円、軽は一律1万800円。環境性能の優れた車への税の軽減もある。
ただし、問題は自動車税が地方税の有力な税目ということだ。税金が割安な軽を少し増税し、普通車は減税し、差し引き税収中立(税収が変わらない)にするという理屈もあるが、これは、軽が特に地方で生活を支える「足」として不可欠なため、増税は考えにくい。そこで、普通車を減税すれば、地方税収に大穴があくというわけだ。現在の自動車税の年間税収は1兆5000億円ほどあり、「軽並み」に下げると1000億円単位で税収減になるという。
取得税については、税収規模が1600億円にとどまり、消費税率引き上げ対策として一定の軽減は可能との声が政府内にもあり、1年限り、ゼロにする案まで聞こえてくる。
しかし、自動車税は毎年の税収に響くだけに、宮沢・自民党税調会長も「財源なしにできる話ではない」と言明している。ガソリン1リットル1円、揮発油税を上げれば500億円の税収が得られるとして、代替財源とする声もあるが、これには石油業界の猛反対は必至だ。
自動車業界の危機感の背景には、単発の消費税率引き上げ対策というだけでなく、構造的な問題もある。車の電動化、自動運転の開発、カーシェアの拡大、さらに若者の車離れなど、自動車業界は大きな変化の時代を迎えている。自動車業界の動向は物流を含め国民生活への影響も大きい。他方、自動車をめぐる状況変化は税制だけでどうこうできるものでもない>(以上「BIGLOBEニュース」より引用)