日本のド真ん中が腐っている。
<財務省の福田淳一事務次官が女性記者へのセクハラ問題で事実上更迭されたことを受け、与野党から19日、福田氏の遅すぎる対応に批判の声が上がる一方、女性記者が取材活動で得た情報を第三者に渡すなど、報道姿勢を疑問視する意見も出た。野党は麻生太郎副総理兼財務相の責任を追及する構えを強めている。
自民党・伊吹文明元衆院議長「恥ずかしいことをした官僚と、道義にもとるメディアの取っ組み合いだ。記者は記者の道義を守り、官僚もしっかり道義を守る品性のある日本国であってほしい」
自民党・岸田文雄政調会長「国会は引き続き、緊迫した状況が続いている。重要法案を仕上げるなど与えられた課題をこなすことで信頼回復に努めたい」
自民党・石破茂元幹事長「初動対応で相当の問題があった。辞めたからいろんなことが分からないままになってしまうというのでは解決にならない。国民の信頼回復にもならない」
自民党・石原伸晃前経済再生担当相「時代の変遷によって倫理観は変わる。今の時代をビビットにとらえていない発言が出てくるのはよくない。非常に危機感を持っている」
自民党・山東昭子元参院副議長「財務省ではなく、(福田氏の)個人的な問題。いつまでも引きずっているとまじめに働いている職員の士気に影響する」
公明党・北側一雄副代表「極めて遺憾だ。決裁文書問題で真相究明をリードしなければいけない立場にもかかわらず、このような事態に至り、弁明の余地はない。麻生氏は真相解明や再発防止に向けてトップとしての責任を果たしてほしい」
立憲民主党・福山哲郎幹事長「財務省は国税庁長官と事務次官が不在という異常な状況だ。このことに対する麻生氏の責任も大きなものになっている」
立憲民主党・辻元清美国対委員長「安倍晋三首相も辞めていただかないと、膿(うみ)のもとは絶てない」
民進党・小川敏夫参院議員会長「麻生氏は退くべきだ。そのことが再発防止の第一歩だ。(セクハラの音源は)取材活動で得た情報というより、取材活動の際に受けた被害(の証拠)だ。被害の申告は取材内容の公表には当たらない」>(以上「産経新聞」より引用)
ニュースの続報を見てまず第一に、恥ずかしいことをした、という自覚が当の福田某氏にあるのかと疑問を抱いた。と同時に、セクハラは福田某氏の個人的な性癖ではなく財務省全体の問題ではないか、との疑念を抱いた。
かつて大蔵省といっていた当時、大蔵官僚たちは過剰接待を銀行などの金融機関から受けて問題となった。それは接待そのものというよりも「ノーパンしゃぶしゃぶ」などといった性的な接待を窺わせることからも世間の批判を浴び、大蔵省が解体されて金融庁と財務省に分離する契機となった。
第二に、朝日放送は恥ずかしい会社だということだ。朝日放送の女性記者が福田某氏からセクハラを受けたと報告された時に、なぜ速やかに財務省に抗議し、事実経過を公表しなかったのだろうか。
朝日放送が取材などで財務省から不利な扱いを受けはしないかと考えて女性記者の報告に適切な対応を怠ったというのなら朝日放送自体のコンプライアンスを問わなければならない。記者を守れない報道機関とは一体何だろうか。
そして第三に福田某氏の任命権者の麻生財務相の能天気ぶりだ。彼は政治家として根本的な資質を欠いているといわなければならない。セクハラが女性の人権をいかに侵害するものかを知らないのだろうか。
そうした女性の性的な立場を理解しない思慮を欠く男が政治家になってはならない。かつて「女性は子供を産む機械」だと発言して顰蹙を買ったバカな政治家がいた。麻生氏はそうした愚かな男と何ら変わらない。直ちに福田某氏の任命権者として辞表を安倍氏に提出すべきだ。
今回の騒動はこうした三ッつの立場のうちの一つでもマトモな判断と行動をしていれば、ここまで批判されなかっただろう。男尊女卑の日本社会の悪しき部分が日本省庁のド真ん中に色濃く残っていることを日本国民の一人として恥じ入る。
そして日本政府の閣僚を務める政治家がセクハラとは何かを理解していない愚か者が大きな顔をして居座っていることを恥じる。さらに、セクハラ追放や人権保護に最も敏感であるべき報道機関が自分たちの立場擁護に汲々としてセクハラ被害を受けている現場の女性記者の訴えを真摯に取り上げなかった朝日放送の幹部たちに猛省を促したい。既得権益の記者クラブ制度に守られ、クロスオーバー制度に守られている日本の報道機関がいかにダメなのか目の当たりに見させて頂いた気がする。