為替相場だけが「財務相」の仕事ではない。

<麻生太郎財務相が9日、為替市場で進む円高に「当然介入の用意がある」と語り、直接的な表現で円売り介入をちらつかせた。強い言葉でけん制したのは市場だけではない。財務相の念頭には、4月末の報告書で日本の為替政策を「監視リスト」に入れた米国への反発があったとみられる。しかし、実際の介入が難しいことは市場が見透かしている。

 異例の発言が飛び出したのは9日昼の参院決算委員会。民進党の小川勝也氏から「米国の監視リスト入りをどう理解しているか」と問われた場面だ。麻生氏は「米国が日本の為替政策を不当に考えているわけはない。制約を受けるわけではない」と応じた後、為替介入に自ら言及した。

 為替市場では大型連休中に最大6円も円高・ドル安が進んだ。日銀が4月28日の金融政策決定会合で追加緩和を見送り、一部市場の期待を裏切ったのがきっかけ。その流れに追い打ちをかけたのが29日公表の米国の半期為替報告書だった。

 米国の貿易相手国の通貨政策を分析した同報告書は日本や中国、ドイツなど5カ国・地域を「監視リスト」に指定。大規模な為替介入などを続ければ米国側から対抗措置をとれる、と位置づけた。不当な通貨安誘導を試みる「為替操作国」を制裁する仕組みは従来あるが、その前段階として各国をけん制する効果を狙ったとみられる>(以上「日経新聞」より引用)

 麻生氏は為替相場がこれ以上「円高」に触れるのは何にとって良くないと考えているのだろうか。もとより、為替相場はその国の経済力の表現の一つだから、介入して政府が相場を動かすのは自由貿易にとって良くないのは言及するまでもない。
 それは米国にもいえることで、日本や中国やドイツなどの為替相場を「監視」するとは穏やかでない。それは米国による「為替介入」の一種ではないかと取られても仕方ないものだ。

 かつて大統領に就任したばかりのオバマ氏はドル安策を強行し「失業を輸出する」と宣言したものだ。それにより日本の「円」は70円台まで高騰し、企業の海外移転を促進する大きな要因になった。
 オバマ氏のニュー・グリーンディール政策が日本産業界の構造を破壊したといっても過言ではない。現在の円安も、そして6円も高騰したという「円高」も、日本経済に大した影響を与えないほど、企業の海外移転は進んでいる。それだけ製造業の日本国内の空洞化が進んでいる、という深刻な側面を表している。

 麻生氏は財務相として日本の国民の生活が第一の政治に専念すべきだ。「経済が、」とか「財政規律が、」と国民の生活と隔絶した財務省の論理だけで政治を遂行するのなら、国民によって選ばれた政治家が財務相に就任している意味はない。
 財務官僚が何と言おうが「国民の生活が第一」の政治を強力に推進すべきが政治家の存在意義だ。米国による「監視」にキッとするよりも、財務官僚による馬鹿なレクチャーにこそキッとすべきだ。


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