稀代の政治家小沢一郎は過去の人ではないし、そうしてはならない。

 この7月に実施される参議院選挙で、小沢氏の地元岩手県で民主党を除籍された平野氏を自民党が担ごうとする動きがあった。小沢氏の影響力を削ぎ落とそうとするものだが、自民党岩手県連はすでに公募候補を決めているため、難色を示し党本部も地元の意向を了承したようだ。


 そうした動きを小泉進次郎氏が「小沢氏は過去の人で、倒そうとしなくても倒れる」と発言したという。なんという思い上がった発言だろうか。


 


 政権に復帰した自公政権がやっていることはいつか来た道を必死で引き返しているに過ぎない。小泉進次郎氏が主張しているような「新しい自民党」ではないし、国民のための政治でもない。


 それは既得権益勢力の復権と父親の代に日本社会を破壊した「構造改革」と称する野放図な規制撤廃の推進に過ぎない。小泉・竹中の行った「構造改革」の実態が何だったのか、自公政権は果たして真摯に反省したのだろうか。


 


 安倍政権が目論む「規制撤廃」は正社員の首切り自由化だ。それが労働の自由化だと主張しているが飛んでもない。人を労働力というモノと看做す、米国流プラグマティズムの日本への導入に過ぎず、それは安倍政権下で参加が予定されているTPPで現在の日本の労使が慣行としている「特殊な雇用形態」に対して米国企業から提訴される前に、米国流にしておこうとする動きに他ならない。


 いわばTPPの尖兵がWE法案だ。TPPに参加すれば日本の独自性は許されず、すべてが米国流にされてしまうということだ。そうしたことを踏まえた上でも、日本国民はTPP参加を表明している安倍政権を支持し賛成するつもりだろうか。


 


 TPPだけではない。原発再稼働へと安倍政権は傾斜し時期を早めようとしている。先の総選挙で「脱原発」を謳っていたのは疑似餌だったようだ。政権を釣り上げてしまえば後は思い通りに運営すれば良い、と考えているかのようだ。


 それをこの国のマスメディアが幇間よろしく「すごいでゲスネー」「ヤッパ自民党政権でなくちゃ」などと持ち上げている。今度自公政権の金融部門に堕した日銀が140兆円規模の増刷を行うと発表すると、諸手を挙げて「やるもンでゲスネー」と囃したてて太鼓をたたいている。


 


 昨今どのテレビ局でも展開されている「景気回復」キャンペーンの愚劣さは一体何だろうか。桜が咲いたから花見だ、景気が良くなった。春が来たから春モノが売れて景気が良くなった。春闘で満額回答が出たから景気が良くなった。円安で株価が上がったから景気が良くなった、とキャンペーンの花盛りだ。報道制作部局の人たちは少しは恥ずかしくないのだろうか。


 実体経済はどの程度回復しているのか、数字はまだ上がってきていない。そもそも安倍政権の成長戦略に見るモノが何もなく、実際に行われている政策は消化不良に積み残された14兆円もの補正予算の成立だけだ。カンフル剤を病人にうって元気回復だというのは元気一発のテレビコマーシャルの見過ぎではないか。


 


 成長戦略では短期的なものと長期的なものと併せて行わなければならない。短期的にはカンフル剤も必要だろうが、それは既得権益で凝り固まっているムラを解放することでなければならない。たとえば幼稚園と保育園という同じ幼児教育を担うものが二重行政で凝り固まっているそれぞれのムラの垣根を、なにはともあれまずは取り払わなければならない。その上で無償化や待機幼児解消に向けた議論をすべきだ。


 そうした「規制撤廃」は何もしないで、正規社員を流動化させるWE法案を持ち出すとは常軌を逸している。日本政府は一体誰のために存在しているのか。誰から税を徴収して誰に奉仕しているのか。国民は冷静に見詰めなければならない。


 


 この国に政治家・小沢一郎は必要だ。嘴の黄色いミーチャンハーチャンがキャーキャー騒ぐタレント紛いの薄っぺらな政治家モドキは必要ない。とっととテレビのバラエティーの世界へ行ってもらいたい。


 俄か仕立ての高村氏を代表とする訪中団が習主席に会談を求めて大挙して朝貢するようだ。なぜ小沢氏に協力を求めないのだろうか。この国で習主席をはじめとする中国首脳部と互角に渡り合える政治家は小沢氏を措いて他にない。決して小沢氏は過去の政治家ではないし、2009民主党マニフェストはいまも燦然と輝くものだ。その実行こそが長期の成長戦略であり、未来の日本を救う処方箋だ。



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