関税の例外を認めるか否かは大した問題ではない。
この国のマスメディアは鬼の首でも取ったかのように「聖域なき関税撤廃ではない、例外を認める含みのある声明だ」と日米会談を報じている。
しかし問題を矮小化してはならない。独立国家として聖域なき関税撤廃はもちろん認められないが、TPPの問題はISD条項に有るのは周知の事実だ。それをことさら報じないで「聖域なき関税撤廃か否か」ばかりに焦点を当てるこの国のマスメディアは出来レースをなぞっているに過ぎない。不誠実極まりない報道姿勢だと批判するしかない。
TPPではISD条項こそが問題なのだ。そのことは多くの識者が警告している。ことさら説明するまでもないだろう。解らない人はネットで検索してみることだ。
関税自主権も独立国家として必要な権利であることは言及するまでもない。それを撤廃するのが「自由貿易だ」というのはどうかしている。それぞれの国にはそれぞれの国内政策があってしかるべきだ。それに関して他国からとやかく言われる筋合いはない。
国内で殖産興業策を講じようとしても、TPPに参加すれば簡単には出来ないことになる。それは非関税障壁だと認定されて莫大な損害賠償金を請求されかねない。それを裁定するのは米国の息のかかった「国際紛争センター」ということになる。そんな馬鹿な話はない。TPPなぞに参加しなくても日本は貿易立国として十分にやっていける。米国が邪魔しなければ。