ローカル鉄道の保線は万全か。
所用で久しぶりに山陽本線に乗った。ほんの一時間ほどだったが余りの揺れに驚いた。
左右だけではなく上下に激しく揺さぶられ、25ミリほどしかないフランジが外れるのではないかと恐怖すら感じた。東海道新幹線の揺れとは比較にならないほどの激しさに保線管理は大丈夫かと懸念を覚えた。
大きな揺れと同時に乗客が高校生ばかりなのにも驚いた。夕暮れの6時前後の車内に通勤客と思しき客はチラホラで、圧倒的に高校生の通学車両と化していた。
かつては通勤通学客と表現していた地方路線の乗客だった。しかし現在では自動車通勤が当たり前となり、在来線は高校生で持っている。これでは減便が経常的になりドンドン寂れるばかりだろう。
ガタガタと大きく揺れる車両は十年一日どころではない。改善も進歩もなければ客足が遠のくのは駅前商店街だけではない。新幹線が新型車両を華々しく鳴り物入りで投入しているのに対して、山陽本線の在来線の寂しいこと。これでは客離れが起こっても仕方ない。しかも料金だけを上げれば自動車を持っていればガソリン代の方が遥かに安い。
所用のあった場が駅から近かったので在来線を使ったが、少しでも遠ければ自動車に乗って出掛けただろう。地方は自動車がなければ駅から何処へ行くにもアクセスが到って悪いのが地方の現状だ。大都市圏で自動車を持とうとは思わないが、地方では自動車がなければ暮らしが成り立たない。
だが、いつまでこうした贅沢が許されるのだろうか。人類の個々人が勝手に自動車を走らせて暮らせるのも時間の問題だろう。国際機関がエネルギー管理をしなければならない時代は目の前までやって来ている。今はまだ国家単位でエネルギーの囲い込みをしているが、化石エネルギーが尽きたときに何が起こるか。
少なくとも自動車より鉄道の方がエネルギー管理に適した移動手段だ。その良さを共有できるように全国のJR各社は在来線の保線管理に力を入れようではないか。少なくとも新幹線の方が乗り心地が良いなどと思われるようでは在来線は努力不足ではないだろうか。