一人ぼっちの「みんなの党」
独りぼっちの「みんなの党」になってしまいそうだ。理由もなくマスメディアの風潮に乗って江田氏は「小沢氏は古い政治家だ」と言ってみたり、渡辺氏はもっと情緒的に「小沢氏はチョット」と格好つけたりしているうちに仲間はドンドンいなくなって、ついに独りぼっちの「みんなの党」というコントか笑い話の類になってしまった。
石原氏が「小沢氏とは死んでも嫌だ」と、もうじき寿命の尽きる御高齢の人とは思えない軽薄な発言をしていたら、仲間は集まって来なくなった。支持率までも潮が退くように低落傾向で、告示日までにブームは去ってしまいそうだ。
大政党だった自民党まで下世話な他党の揚げ足取りに終始して、すっかり野党根性が染み付いたようだ。民主党に到っては小沢氏が築いた地盤を好き勝手に壊して、自滅しようとしている。「消費増税」という財務官僚の掌で政権ごっこをして楽しんだツケが回ってくるのだ。きれいに清算して官邸を明け渡すことだ。
渡辺氏は記者会見で「嘉田知事が背後の大物に操られないようにして頂きたい」と言ったが、何という言い草だろうか。嘉田知事を馬鹿にし過ぎだが、人は自分の観念で相手を見る。渡辺氏も誰かに操られた経験からそう思っているのかと勘繰らざるを得ない。
日本未来の党の運営がどうであろうと、それは日本未来の党の問題であって「独りぼっちのみんなの党」代表の問題ではない。独り善がりで何かが出来るほど世間も政界も甘くはない。理念を共有する多くの人と力を併せて頑張らなければ何も出来ない。小沢氏が豪腕だからといって一人では何も出来ない。つまり小沢氏の強さは自分を殺して人の和を築く能力に長けていることにあるのではないだろうか。
今度の選挙は官僚の官僚による官僚のための政治を終息させるために、民・自・公と「日本維新の会」と対極にある「日本未来の党」とが対決する選挙だ。多くの国民が「消費増税」に反対し「TPP参加」を疑わしく思い「脱原発」を心から願っている。そうした国民が圧倒的に多いのは12月16日を待つまでもなく自明の理だ。
マスメディアがいかに「民・自・公と維新」の中で票を回そうと画策しても、すでにそれらが同じ穴の狢だとバレバレだ。告示前最後の一週間で国民政党が形成され、やっと間にあった。選挙準備の総仕上げが「未来の党」だったわけで、欺瞞に満ちた「日本維新の会」と袂を分かち、それかといって「日本未来の党」と合流もせず、四の五の御託を並べている「みんなの党」はついに「独りぼっちのみんなの党」になりそうだ。