政治家は政策を語るべき、意味のない人生論は小説家の仕事だ。
ハマコー氏がいかに害毒のある政治家だったか、彼の名を世間に知らしめた所業からも明らかだ。まずラスベガスで3億円も博奕ですって尻拭いに田中角栄氏に泣きついたこと。やっと就任した予算委員会で当時の宮本賢治共産党委員長を根拠もなく数十年も以前の「共産党リンチ殺人」の首謀者と詰って名誉を毀損し委員長を辞任に追い込まれたこと。ただしこの場合は「共産党委員長・宮沢賢治は、」と名前まで高名な作家と間違えていた。
義理と人情の浪花節で世間を煙に巻き、テレビ番組にも登場してある程度のタレントとしての人気を博したが、政治家としてはとても及第点を与えられる人物ではなかった。その倅が地盤と後援会を引き継いで当選し、自民党の国対委員長に就任して「自民党は悪役に徹すべき」などと妙な怪気炎をあげているという。政治家として見たくもないし聞きたくもない。
政治家は無為徒食のヤクザ稼業とは異なる。国民の負託を受けて国権の最高機関で議決権を行使する「代議士」だ。その諸掛は国民の税金で賄われている。国会議員一人当たり年間1億円も国民は負担している。そうした自覚があって猶も国対をプロレス興行か何かと勘違いして「自民党は悪役に徹すべき」などと発言している次元の低さには呆れ返る。
そしてインタビューしている記者もジャーナリストの端くれなら「私を馬鹿にしているのならまだ許せるが、国民に対して自民党とはその程度の政党なのですか」と面と向かって浜田氏の言葉を正すべきだ。
この国の大手マスメディアの劣化はすなわち所属する記者たちの劣化に他ならない。浜田氏は選挙民の投票によって当選した。問題とすべきは浜田氏の選挙区有権者の民度かも知れない。この国の民主主義はなぜ成熟しないのだろうか、低俗なテレビタレント程度の者が、知名度があるというだけでマスメディアが有力候補と持て囃して当選する。横柄なだけの老人をいつまでも取り囲んで○○新党だ、と持ち上げる。中身の詮索や彼が成して来た所業の検証は一向にやろうとしない。
国民は事実だけを知りたい。マスメディアによって脚色されたり加工された陳列用の商品は見たくもないし、判断を誤るだろう。提灯記事を書く記者が問題外なのは言うまでもないことだ。