野田佳彦、これほど薄汚い男を私は知らない。
野田首相は税と社会保障の一体改革がまだ道半ばで東日本の被災地復興を成し遂げたいから、引き続き首相でありたいと民主党両議員総会で熱弁をふるった。
それなら首相として国会運営でしかるべき対策を講ずべきだが、そうした努力は微塵も見られなかった。ただ自民党と野田氏の考えが一致した「消費増税」だけを摘み食いしただけだ。
民主党が2009総選挙で国民にマニフェストを示し政権交代を成し遂げると、たちまち国民との約束を反故にした。政治家なら自らの口から発した政治理念と約束したマニフェストに命を掛けて実行すべきだ。少なくとも実行すべきだと歯を食い縛って全身全霊で努力すべきではないだろうか。
しかし育ちが良いだけで人生の艱難に立ち向かった経験の乏しい鳩山氏は何なく底意地の悪い官僚たちの面従腹背の裏切りに「最低でも県外」という正しい米軍基地のありようの宗旨を変え政権を放り出した。
その後を継いだ菅氏の定見の無さと高慢な自意識だけしかない男が権力者になればかくあるだろうという実証例をものの見事に国民の前で演じた。本来なら2011年の春には命運が尽きていたはずだが、3.11大震災と津波で延命した。
野田佳彦は自らをドジョウと称して卑下して見せた。しかし彼ほど高慢な男はいないだろう。自らの目的のためには平気で息をするように嘘をつく。「税と社会保障の一体改革」などは最初からやるつもりはなく、「消費増税」だけをやるつもりでいた。だから社会保障に関して民主党のマニフェストに掲げた最低保障年金、という制度改革を紙屑のように放擲した。
原発に関しても野田佳彦にとってどうでも良いことなのだろう。ただ官僚や電力会社などが「再稼働」がなければならない、と言うから大飯原発の再稼働を宣言したのだろう。彼にとって原発再稼働の意味すら「どうでも良いこと」なのだろう。
超円高がこの国の産業界にどのような影響を及ぼしているのか、そうした詮索は「どうでも良いこと」なのだろう。ただ欧州金融危機の回避も興味はないが、米国の命令だからIMFに巨額の基金は拠出しても、国民から「消費増税」で絞り取ることは忘れなかった。この国の制度改革に興味はないが、官僚たちのご機嫌取りには余念がない。だから来年度当初予算は100兆円を超える大盤振る舞いだという。ブタ以下の政治家が自らをドジョウだと言って、民主党代表選の再選を民主党の国会議員たちに頼んだ。
2009マニフェストを国民と約束した国会議員は既に民主党を去っている。残った連中は政権という麻薬に痺れた屑のような政治家たちだ。真正・民主党は「国民の生活が第一」へ移っている。
野田佳彦は私の知る限り最低の政治家だ。彼には人としての矜持もなければ、人として最低の信頼関係を構築することもない。平気で人を裏切り、平気で人に嘘をつく。デフレ下に増税することがどんな経済効果をもたらすか、大学まで行った人間なら教養課程の経済原論で学んだはずだ。財務官僚の嘘も知って、それに従った。そうすれば政権運営を維持してやる、と官僚たちのお墨付きを得たのだろう。バカな男だ。永遠に恥知らずな政治家としてその名を歴史に刻むと良いだろう。