米韓FTA協定の一年後を検証してから、
米大統領オバマ氏の韓国大統領に対する持て成しは日本の首相に対するものと比較にならないほど鄭重だったようだ。FTA米韓貿易協定の締結により、米韓間は事実上関税が撤廃されることになる。自由貿易協定により韓国はあたかも米国の一つの州になったようなものだ。
その効果は米国にとって限定的なものに過ぎないだろう。何しろ韓国の経済規模は東京都を少し上回る程度のものでしかない。韓国の小型自動車が関税撤廃により日本の自動車販売力を上回るのではないかと経済界は懸念しているようだが、自動車の購買動向は単に価格だけで左右されないのは過去の実績から実証済みだ。
韓国経済の脆弱さは「中国と日本のサンドイッチ」と称されている。つまり安い労働力では中国にかなわないが、最新技術開発力では日本にかなわない、というサンドイッチ状況に韓国があるという苦境を現している。
その韓国がFTA協定を結んだことにより温家宝と同等以上の持て成しをオバマ氏は行ったという。日本に対する挑発なのだろうが、なんとも底の浅い国家だといわざるを得ない。
これで比較対照とすべき国が出来た。日本はTPPへの加盟の結論を出すのは一年後とすることだ。そうすれば米国と貿易自由協定を結んだ国がどうなるか、実証事例によって知ることになるだろう。
日本の首相に対して米国は友人として「昼飯の合間に十分ほど話してやる」だの「いや、他国首脳との会談の合間に35分ほど形式的に会ってやる」だの散々冷遇してきた。
韓国の思いやり予算が韓国駐留軍経費の40.5%程度でそれほど手厚く持て成しをするのなら、日本の現行予算措置の74.5%の比率を大幅に落とすことだ。(駐留米兵一人当たりで換算すれば韓国の実に5.2倍の大盤振る舞いを日本は行っている)。それでも二国間の関係が悪化しない証が韓国にある。日本も少しは賢くなろうではないか。最小投資の最大効果を官僚たちも真剣に考えなければ世界で馬鹿にされるだけだ。