呆れて笑うしかない菅氏の感覚。
冗談を言っているのかと思ったが、真剣な話だというから驚いた。菅氏が国会の委員会で「菅政権に失政はなかった」という見解を示したのだ。
やらなくても良いことをしでかし(参議院選直前の10%消費税構想のブチ上げ。爆発する福一へヘリで飛び「原発は安全です」といった直後に水素爆発)、やるべきことは何一つ決断しなかった(円高へ推移していた為替に対して政府は有効な手立てを打たず、無意味な為替介入をして「米国債」を為替特会に積み上げ既に35兆円も損失を出した)等々。
2009マニフェストを反故にするしか野党と政策合意形成を取り付けられない無能ぶり。それは菅氏だけの無策でないかもしれない。民主党の政調会長や国対委員長、さらには幹事長などの執行部が揃いも揃って無能・無策だった。
何よりも大きいのは官僚内閣制を本来の議院内閣制に回帰させるべき政権交代だったはずだが、菅政権で一挙に自民党的な官僚丸投げ政権に逆戻りしてしまった。原発事故補償を巡る東電スキームも災害復興「基金構想」もすべて官僚による官僚のための作文に終始した。
それでも「わが政権に失政なし」と言い切る菅氏の厚顔ぶりには呆れ返るしかない。この程度の首相を戴いていた国民の不幸の責任は昨年代表選で菅政権存続を策した大手マスコミと民主党にある。
次期代表に名乗りを上げる民主党国会議員にこの国と国民のために命を捨てる覚悟はあるのだろうか。女房と居酒屋・高級料亭巡り三昧の官邸住まいを堪能するだけでは困ったものだが。