螺旋ビニール管を使う合理性は何だろうか。
福島第一原発放射能漏れ事故で、汚染水処理のプラントへ送水する管をニュースで見てビックリ仰天した。原子炉屋内から処理プラントへ放射能汚染水を送水するのに、螺旋状に強化ビニールを巻きつけたビニール管を用いていた。当然、プラントへ汚染水をポンプで圧送するのだろうが、ビニール管に送水圧を掛けると石かコンクリーの角で擦れれば簡単に穴が開き、汚染水漏れを起こす程度の代物だ。
しかもただの汚染水ではなく放射能のおまけつきだ。なぜ圧送にも強く放射能も遮断する鉛管を使わなかったのだろうかと疑問を持った。水道管では数気圧の水圧にも耐え、水漏れは滅多に起こさない。少なくとも半透明ビニール管よりも耐久性はあるだろう。それとも水が菅の中を通っていると可視出来なければならない理由でもあるのだろうか。
町の水道工事店にも劣る技術者しか福島第一原発事故現場にはいないのだろうか。度々汚染水漏れでプラントが停止する事態に見舞われるのも当然だと頷くしかない。
尤もらしい仏国や米国の専門処理企業の名が汚染水処理プラント・ジョイントに名を連ねているが、日本国内企業だけで出来なかったのだろうか。そうすれば規格もすべてJISで統一でき、複雑怪奇にして雑な「プラント」にはならなかっただろう。放射能漏れというシリアスな問題処理に子供の遊び道具のような送水管をテレビ画面に見つけて目を丸くした。