協力を仰ぐにはそれなりの礼儀がある。
何が何でも政権に噛り付きたい菅氏は代表経験者に協力を求めた、というが菅氏を含めて、代表経験者の3人は政権内にいる。つまり鳩山氏と小沢氏を排除して政権を構築し、徹底して小沢派を排除していた経緯から、小沢派による菅退陣論が党内で輪を広げていることに対する予防措置を講じたということだろう。
震災から一月以上経っての協力要請とは何事だろう。その意図がミエミエの見え透いたことを平気で行うのが菅氏の厚かましい所以だ。こんな下衆男を首相に就けた人たちこそ、責任を取って菅氏に退陣要請すべきだろう。
菅氏が挙党体制といいつつ弾劾裁判所などの法務行政の司に仙谷氏や前原氏を就けるとはその真意が疑われる。しかも彼らは退いて半年にも満たない復活劇だ。
菅氏から繰り出される復興対策案は財務省への丸投げによる官僚の机上の空論だ。消費税を3%程度3年間増税する、というのなら国も地方自治体も災害復興に対して何も歳出努力しないことになる。ただ国民が負担すれば済むのだ、という官僚の自己チューそのものの発想だ。
その反作用として経済がどうなるのか、という検証はまるで見られないうちに大手マスコミは早くも世論調査を実施し50%以上が賛成していると報じている。政府広報機関の面目躍如たる働きぶりだ。しかも事務処理が煩雑で出来もしない被災地還付といった制度まで盛り込むという。経済が分かっていないことを露呈したに過ぎない。(東日本大震災による企業倒産が20日時点で15社に達し、これとは別に21社が倒産準備に入ったことが民間調査会社、東京商工リサーチの調べで分かった。ーー以上毎日新聞引用)
景気を良くするのに全力を挙げるのが政府のやることだ。景気を良くすれば税収は自然増となる。官僚たちは痛みをほとんど感じないで、国民にだけ負担を押し付けるのが政府のやり口だ。そんな政府に「国民の生活が第一」の真正民主党が賛成するはずがない。菅第二自民党政権は官僚丸投げの政策で財源を得ようとしている。それは明白な対立軸だ。菅氏がこのまま居座る弊害を考えるなら国民に信を問うてもよいだろう。小沢派とその仲間が野党から提出される「菅内閣不信任案」に賛成すれば民主党は壊れるが、それでも国民のための政治を実現するのが政治家の使命なら止むを得ないのではないだろうか。
大手マスコミや評論家たちは菅氏を下した後の首相候補が小沢派にいないと言っているが、なぜ小沢氏本人ではいけないのだろうか。確かに大手マスコミや多くの評論家たちは検察の垂れ流す捏造された捜査情報を大本営発表して報じてきたし、「政治とカネ」なる空疎なプロパガンダで小沢氏の名誉を著しく毀損してきた。その罪悪を無視して頬被りするためにも小沢氏が表舞台に立っては都合が悪いのだろうが、刑事被告人が首相になってはならないという規定はどの法律にもない。しかも推定無罪以上に小沢氏は無罪だ。今度の起訴も「裁判で白黒つける」という刑事訴訟法にあるまじき訴因だ。
バカげたことに囚われて国政を誤ってはならない。現在の政治的カウスを纏め上げる手腕は小沢氏以外に誰がいるというのだろうか。一日も早い小沢氏の完全復活を心から願う。