ネット犯罪の芽を摘むことだ、しかしネット管理へ進む口実にしてはならない。
京都大学の入試問題が試験開始後数分にしてネットの質問欄に登場し、解答させていたことが明らかになっている。同じようなことが早大や他の大学入試にもあったとされ、プロバイダーのヤフーも投稿者の特定に全面協力するとしている。
もっとも公正・公平が担保されなければならない入試で不正があったとすれば由々しき問題だ。断じて犯人を許してはならないが、それを理由としてネットに何らかの規制が及ぼそうとする動きがてるとしたら、反対しなければならない。今度の事件は常日頃からネットを商売の競争相手として目の仇にしている大手マスコミが煽りに煽る可能性がある。ネットを利用しない古い政治家もこの際ネットを自分たちの勢力下に置こうと策動するかも知れない。
数年前に入試問題で携帯不正があった韓国では対策として携帯所持で試験場への入室は厳禁とされている。試験途中でトイレへ行く場合には金属探知機で徹底的に調べられるという。日本もそうした措置を講ずべきかもしれないが、断じて国がネットの自由を制限する方向へ向かわないように監視しなければならない。