政府と通貨当局は何をしている。
米・中に通貨安政策を止めるように通告する、というが何度通告してきたことだろうか。そんな生温いことはしなくても、日本の政府と通貨当局はドルや元に負けないほど円を垂れ流せば良いのだ。円だけが行儀よく適正通貨量を守っていれば当然のこと世界の通貨がジャブジャブに垂れ流しているのだから円高になるのは当たり前だ。
そして短期的・限定的にしか利かない円高介入を繰り返して為替差損の山を築いている。政府・日銀の損失は国民の損失であって、特定の個人の損失でないとする馬鹿げた思考から平気で為替差損をボロボロ出しているのだ。それほど無能なのなら政府当局者と通貨当局者の速やかな更迭を求める。彼らに任せていては世界水準の悪辣な連中と互角に喧嘩も議論も出来ない。そうこうしているうちに年末を迎えて、9月だけでも対前年比中小企業の倒産件数15%増が悲劇的な数字を刻むことになりかねない。
国会は何をしている。小沢氏のシロと分かりきっているマスコミの捏造の「政治とカネ」なる愚かな議論をする暇があったら、国家戦略として企業の海外移転を抑止する政策などを真剣に議論しなければならない。そのためには円高を食い止めるだけでなく、1ドル120円程度以上の円安誘導をして年4%程度のインフレを目標に経済運営すべく徹底して議論すべきだ。マスコミに煽られて肝心な議論はおざなりにし、小沢氏を喚問すべきだとかマスコミの尻馬に乗った軽い国会議員の言動を見ていると出来の悪い幼稚園の学芸会以下の狂言を見ているようだ。
思い切って円を海外投資に使うべきだ。しかしくれぐれも注意したいのは「石油開発」のように馬鹿げた無駄遣いを奨励するのではなく、レアアースの鉱業開発を行い現地国と権益確保の話し合いをすべきだ。効果の薄い現政権のワイロに使われるような円借款やODAに断じて回すべきでない。海外投資などそうした生きた円を世界にタレ流すことだ。
通貨当局は輪転機の速度を速めてドルや元やウォンに負けないほど円安を作り出すことだ。そうすれば国内景気の上昇に大きく寄与するだろう。年末に向けた景気浮揚のためには残された時間は極めて少ない。大いに急ぐべきだ。
円安介入は世界各国、特に米国から叱責を受けるが、円の垂れ流しなら世界各国がやっていることだ。特段ヤイノヤイノいわれる筋合いではない。政府は速やかに決断し通貨当局の尻を叩くことだ。国会もそうした世界戦略の議論をすべきで、マスコミの策動による小沢氏追い落としの尻馬に乗らないことだ。この疑惑事件は後々の政治暗黒史として歴史に大きく刻まれる程度に劣悪で悪質なものだ。小沢氏の疑惑事件に政治家は「疑惑」の目を向けるべきで、そうした捏造事件に関わるよりも日本の運営と戦略を真剣に議論して戴きたい。