小沢氏外しで本当に民主党は立ち行くのか。
菅氏が首班指名を受けて第94代首相になった。民主党がかねてより批判していた総選挙なき首相交代を民主党も行ったわけだ。それは自民党の真似だから、自民党から批判されるいわれはないが。
ただ、代表選出過程で小沢氏外しのような言動が見られたのは残念だ。マスコミに阿て何がどうなるというのだろうか。小沢氏的なものの排除というが、それでは「小沢氏的なもの」とは何だろうか。小沢氏のどこがどのように間違っていたというのだろうか。
参議院選挙後の政権運営でどの党と連立を組むつもりか、すでに考えていなければならないが、菅氏の頭の中にそうした政権運営の絵が描けているのだろうか。嘴の黄色い連中は政策論議はできるだろうが、それならテレビの素人コメンテーターにでも出来ることだ。実際に誰が誰と話し合って具体的にどの程度まで政策面で譲歩し、何処までを最低限守るべきラインとするか、といった実務的な話し合いのできる人物がいるだろうか。
小沢氏にしばらく静かにしていてくれとは無礼千万だ。これで小沢氏は菅政権が行き詰っても一切手を貸さないだろう。そしていよいよ二進も三進もいかなくなったらさっさと小沢氏に冷たくした連中の牛耳る党を割って自民党の一部と手を組む再編に動くだろう。その時になって臍を噛んでも遅い。民主党は政権の座から滑り落ちることになる。かつての細川政権下では社会党が政権から寝返って自民党と組んだのだが、小沢氏のグループが自民党と組む方が垣根ははるかに低いだろう。
小沢氏外しとか、子供の火遊びのようなことをして凱歌を上げている単純な連中が政権の中枢に座れば、いよいよ大局的に物事が見られなくなる。なにしろ政権運営の実務経験者はいないわけだから。予測するが党の要に小沢氏がいない菅政権は、鳩山政権よりもひどい状態になるだろう。
国民受けだとかマスコミ受けだとか、そんなことを考えていたら参議院選挙までの最短命政権に終わるだろう。