経済問題は「財政」面からではなく、国家経済規模600兆円の視点から解決策を考えるべきだ。
<2月8日投開票の衆議院議員総選挙。勝っても負けても「誰もトクしない」真冬の超短期決戦となった今回の選挙を、関係者や専門家たちはどう見ているのか。 法政大学教授の小黒一正氏に、「誰が勝っても消費減税」の様相を呈す今回の選挙の結末を分析してもらった。 高市政権で財政の健全化が可能に? 各政党の公約を読むと、消費税減税をめぐってグラデーションがあることがわかります。中道改革連合は、食料品の軽減税率8%を恒久的にゼロにすると言っています。財源は政府系ファンドの運用益などを当てるとしています。 国民民主党は実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税は一律5%という方針を掲げています。日本維新の会は食料品の消費税を2年間に限りゼロにするとしました。 一方で、自民党の場合はちょっとトーンが違っていて、飲食料品は2年間に限り、消費税の対象にしないことについて、「国民会議」において実現に向けた「検討を加速する」と書いてあるだけ。検討した結果、消費税減税をしないこともあり得るわけです。 仮に自民党が選挙に勝ったとしても財政に穴が空くとは断定できない。野党が勝利したときのほうが財政面での懸念が出てくるでしょう。 高市早苗総理は、積極財政と言っている割に、実際にはそうではありません。国の公債残高の対名目GDP比は'25年度末で170%、'26年度の予測(当初予算案)で166%まで下がることになっています。高市政権で財政は健全化していく可能性もある。 各党の経済政策、ターゲットは 物価が3%上がると、政策経費も3%上げないといけないと思うかもしれませんが、実際に上げるとは限らず、'26年度の政府予算案では、税収予測の伸びが約7・6%である一方、一般歳出等(国債費除く)の伸びは約4・6%で、税収増に対して歳出を抑制する形になっています。結果的にインフレも利用して、新規国債発行30兆円未満の約束を達成し、財政を健全化することにつながっているのです。 高市総理はインフレを維持して、高圧経済論で景気を加熱する路線です。インフレが過熱しないように注意も必要ですが、株価は上がるし、不動産価格も上がる。投資におカネを回せる現役世代にとっては、こちらのほうがメリットもあるはずです。高齢者にとっては物価上昇ほど年金額が上がらないというデメリットがあります。 一方の中道...