学歴社会を容認するのは「学歴=努力の経験値」だからだそうだ。
<パーソルキャリア(東京都千代田区)は、社会人男女を対象とした「学歴とキャリアの実態調査」を実施した。その結果、学歴社会について「賛成派」(とても+どちらかといえば)は64.8%で、「反対派」(同)の35.2%を上回ったことが分かった。
賛成派に理由を聞くと、「(業界/職種への)適応力の判断材料になる」が43.8%で最多。以下「学歴で努力した経験がある」(41.3%)、「努力した人が正当に報われるべき」(39.8%)が続いた。
具体的には「時代遅れだとは思うが、学歴があるほうが選考で不利になりにくいのが現実だと感じる」「学歴を過去の努力を可視化したツールととらえているが、その人の上限を決めるものではないと思う」「AIが知識を補ってくれるので、学歴はゴールではなく学び続ける姿勢の証明だと思う」といった声があった。
学歴社会への賛否 (左)、学歴社会へ賛成する理由(右、出典:プレスリリース、以下同)
学校を選ぶ際に学歴を意識したかについて、「意識した派」(とても+どちらかといえば)は66.8%で、「意識していない派」(同)の33.2%を上回った。
一方、学歴はキャリアに関係すると思うかについては、「関係すると思う派」(同)は81.9%で、「関係ないと思う派」(同)の18.1%を大きく上回った。
学校選びにおける学歴の意識(左)、学歴とキャリアの関係性(右)
学歴はキャリアに影響する理由
学歴はキャリアに影響すると回答した人に、その理由を聞いた。最も多かったのは「学歴で判断する企業が多い」(58.7%)。次いで「社会的な信用が上がるから」(48.4%)、「思考力が高いと見なされる」(39.8%)が続いた。
回答者全体に学歴社会への価値観を聞くと、「古いと思う派」(とても+どちらかといえば)は59.9%で、「違和感はない派」(同)の40.1%を上回った。
キャリアに関係すると思う理由(左)、学歴社会への価値観(右)
インターネットによる調査で、対象は現在就業中の20~50代男女310人。調査期間は1月14~19日>(以上「IT media」より引用)
学歴社会に「社会人」の65%が賛成だという。学歴必ずしも「能力」にあらず、との現実を知っているはずの社会人の過半数が学歴社会を容認しているとは驚きだ。その「社会人の65%が学歴社会に「賛成」、その理由は?」の「怪」を解き明かす論文のようだ。
その「回答」は「努力」のようだ。つまり学歴のある人は努力して学歴を積んだから、会社に入っても努力する訓練が済んでいる、と見なされるからのようだ。別に学歴そのものが「会
社への貢献度の高さを表す」ということではないようだ。
学歴は能力を示す指標として、ある程度の相関関係があると社会が認めているということだろう。確かにその通りで、学歴を獲得する段階で程度の差こそあれ「勉強」が必要だ。勉強に
は「集中」と「持続」が必要だ。
数学の問題を解く場合を想定すれば、分かり易いだろう。問題を読む段階から読解力や数学などの知識を活用している。そして回答を得るためのアプローチや解にたどり着く道筋を考える。そうした「課題解決」の考え方を「訓練」するのが「勉強」であり、「勉強」の成果が「学歴」だとすれば、社会人の65%が学歴は有効だとしているのだろう。
つまり考えて課題解決まで努力する「訓練」が充分になされた「経験」がある、証明の指標の一つが「学歴」ではないだろうか。日本の企業では入社して直ぐに「役立つ」とは考えていない。ある程度の研修期間を経てから、職場へ配置される。その研修期間を耐えて学びを身に着けて「社風」を理解する能力が学歴に証明されている、と捉えているのだろう。
ただ、必ずしも学歴が定年退職まで会社で有効ではない。それは学生時代に本気で勉強した経験のない者もいるからだ。たとえば野球に青春を燃焼させた学生は往々にして学力が低く、スポーツ入学制度はある者の学歴で見劣りする者が多い。しかし会社で課題を与えられれば、持ち前の頑張りで取り組むこともあるだろう。
その反対に、学歴を積み重ねる段階で燃焼し尽くし、会社に入社したことで燃え尽きる者もいるだろう。そうすると、学歴は「努力」した証明にはなるが「能力」の証明にはならない。
いずれにせよ、人の能力は未知な部分が多い。努力してどうにかなる者もいれば、学歴は良いが「能力」に疑問符が付く者もいる。そこを見抜くのが面接官の腕の見せ所かも知れない。