イラン情勢は「大変だ、大変だ」と大騒ぎしないで、じっくりと待てば良い。
<イランのアラグチ外相は17日、レバノンでの停戦合意を受けてホルムズ海峡を開放すると述べた。一方、トランプ米大統領は、イラン戦争終結に向けた合意は「間もなく」実現すると信じていると述べたが、時期は依然として不透明だ。
主要な争点の一つはイランの核開発計画だ。
先週末の協議で、米国はイランが全ての核濃縮活動を20年間停止することを提案した。関係者によると、イラン側は3─5年間の停止を提案したという。
また、米国が高濃縮ウラン(HEU)をイラン国外に搬出するよう求める一方、イランは制裁解除を要求している。
トランプ氏は16日の発言を繰り返し、米国は「核の塵」を全て手に入れると述べた。これは、昨年6月に米爆撃機によって破壊されたとされるイランのHEUを指している。
一方、イランの国営メディアはこれに異議を唱える関係筋の発言を報道し、意見の相違が続いていることを強調した。関係筋は「イランのHEUを米国に移送することに関する交渉はこれまで一度も行われておらず、当然ながらこの件に関して合意も存在しない」と述べたという。
「イラン、ホルムズ海峡を開放 トランプ氏「戦争終結の合意間もなく」」とのニュースが届いた。どうやらイラン国内で政変が起きて、政治の実権をイラン革命政府がイラン革命防衛隊から奪い取ったようだ。それによりイラン戦争停戦協議の二つのデッドロックが解決したとみて良い。
アラグチ氏はXに、イスラエルとレバノンの10日間の停戦期間中、ホルムズ海峡は全ての商船に開放されると投稿した。
これに関連して イラン高官はロイターに対し、航行はイランが航行上安全と判断した指定航路を経由し、軍艦は除外されると述べた。
ただ、米・イラン双方の声明は、船舶の航行がどれだけ早く再開されるかについて不透明感を残した。トランプ氏は、イランの港に向かう船舶に対する米国の封鎖は、「イランとの取引が100%完了するまで」維持されると述べた。
これに対し、イランは強く反発。イラン外務省のバガエイ報道官は、海上封鎖が続けば「必要な相互措置」を取ると警告した。
船舶追跡データによると、コンテナ船、ばら積み貨物船、タンカーを含む約20隻の船団がペルシャ湾からホルムズ海峡に向かって移動していた。これらの船舶が停止させられるのか、通過を許されるのかは不明だった。
<原油価格が急落、株価は急騰>
米WTI先物 、北海ブレント先物は、アラグチ氏の投稿を受けて11%超安と、それまでの下落幅を拡大した。一方、すでに過去最高値付近で取引されていた世界中の株式市場は、このニュースを受けてさらに上昇した。
ただ、大手海運会社はより慎重な対応を取っている。ホルムズ海峡を通過する船舶の数が、戦争開始前の1日約130隻という通常の水準に戻るには、さらに時間がかかる可能性があると示唆した。
ドイツの海運会社ハパックロイド(HLAG.DE), opens new tabは、発表内容を検証する間は同海峡の通過を控えると述べた。ノルウェー船主協会は、機雷の存在の可能性など、いくつかの要因を明確にする必要があるとした。
ロイターが入手した米海軍の勧告によると、海峡の一部に敷設された機雷による脅威は完全には解明されておらず、船舶は当該海域を避けることを検討すべきだとしている。
こうした中、英仏は17日、ホルムズ海峡の船舶の安全な航行を巡る会議をパリで開いた。英国によると、十数カ国がホルムズ海峡での船舶保護に向けた国際任務に参加する意思を示した。ただ、現時点ではこの構想に米国とイランは含まれていないという。
<水面下外交の進展>
アラグチ氏の発言直後、トランプ氏は、ホルムズ海峡は完全に開放され、商業船舶の安全な航行の準備が整っているとした。
ほとんどの事項はすでに交渉済みであるため、非常に速やかに完了するはずだと付け加えた。トランプ氏は16日、米国とイランの次回協議が早ければ今週末にも実現する可能性があると述べていた。
トランプ氏の楽観的な見方とは裏腹に、イランの情報筋は17日、ロイターに対し、暫定合意に達する前に「解決すべきいくつかの隔たりが残っている」と述べた。
高位聖職者らも強硬な姿勢を示した。 テヘランでの説教で、聖職者のアフマド・ハタミ氏は「われわれの屈辱を受けながら交渉することはない」と述べた。中央部のイスファハンでも、イマームが「われわれは相手側が提示した条件を受け入れなかった」と述べた。
米国とイランの再協議の開催場所とみられるパキスタンの首都イスラマバードでは、首都に通じる道路沿いに軍隊の姿が見られたが、道路は依然として通行可能だった。政府は前回の会合前に行ったような企業への営業停止命令は出していない。
米国とイランの仲介に関わっているパキスタンの関係筋は17日、水面下での外交が進展しており、両国間の今後の会談で覚書が締結され、その後60日以内に包括的な合意に至る可能性があると述べた。「両者は原則的に合意している。技術的な詳細は後回しだ」と語った。
イランの高官はロイターに対し、ホルムズ海峡再開合意の一環として、数十億ドルに上るイランの資産凍結解除について合意があったと述べたが、具体的な時期については明らかにしなかった。
これに関連して イラン高官はロイターに対し、航行はイランが航行上安全と判断した指定航路を経由し、軍艦は除外されると述べた。
ただ、米・イラン双方の声明は、船舶の航行がどれだけ早く再開されるかについて不透明感を残した。トランプ氏は、イランの港に向かう船舶に対する米国の封鎖は、「イランとの取引が100%完了するまで」維持されると述べた。
これに対し、イランは強く反発。イラン外務省のバガエイ報道官は、海上封鎖が続けば「必要な相互措置」を取ると警告した。
船舶追跡データによると、コンテナ船、ばら積み貨物船、タンカーを含む約20隻の船団がペルシャ湾からホルムズ海峡に向かって移動していた。これらの船舶が停止させられるのか、通過を許されるのかは不明だった。
<原油価格が急落、株価は急騰>
米WTI先物 、北海ブレント先物は、アラグチ氏の投稿を受けて11%超安と、それまでの下落幅を拡大した。一方、すでに過去最高値付近で取引されていた世界中の株式市場は、このニュースを受けてさらに上昇した。
ただ、大手海運会社はより慎重な対応を取っている。ホルムズ海峡を通過する船舶の数が、戦争開始前の1日約130隻という通常の水準に戻るには、さらに時間がかかる可能性があると示唆した。
ドイツの海運会社ハパックロイド(HLAG.DE), opens new tabは、発表内容を検証する間は同海峡の通過を控えると述べた。ノルウェー船主協会は、機雷の存在の可能性など、いくつかの要因を明確にする必要があるとした。
ロイターが入手した米海軍の勧告によると、海峡の一部に敷設された機雷による脅威は完全には解明されておらず、船舶は当該海域を避けることを検討すべきだとしている。
こうした中、英仏は17日、ホルムズ海峡の船舶の安全な航行を巡る会議をパリで開いた。英国によると、十数カ国がホルムズ海峡での船舶保護に向けた国際任務に参加する意思を示した。ただ、現時点ではこの構想に米国とイランは含まれていないという。
<水面下外交の進展>
アラグチ氏の発言直後、トランプ氏は、ホルムズ海峡は完全に開放され、商業船舶の安全な航行の準備が整っているとした。
ほとんどの事項はすでに交渉済みであるため、非常に速やかに完了するはずだと付け加えた。トランプ氏は16日、米国とイランの次回協議が早ければ今週末にも実現する可能性があると述べていた。
トランプ氏の楽観的な見方とは裏腹に、イランの情報筋は17日、ロイターに対し、暫定合意に達する前に「解決すべきいくつかの隔たりが残っている」と述べた。
高位聖職者らも強硬な姿勢を示した。 テヘランでの説教で、聖職者のアフマド・ハタミ氏は「われわれの屈辱を受けながら交渉することはない」と述べた。中央部のイスファハンでも、イマームが「われわれは相手側が提示した条件を受け入れなかった」と述べた。
米国とイランの再協議の開催場所とみられるパキスタンの首都イスラマバードでは、首都に通じる道路沿いに軍隊の姿が見られたが、道路は依然として通行可能だった。政府は前回の会合前に行ったような企業への営業停止命令は出していない。
米国とイランの仲介に関わっているパキスタンの関係筋は17日、水面下での外交が進展しており、両国間の今後の会談で覚書が締結され、その後60日以内に包括的な合意に至る可能性があると述べた。「両者は原則的に合意している。技術的な詳細は後回しだ」と語った。
イランの高官はロイターに対し、ホルムズ海峡再開合意の一環として、数十億ドルに上るイランの資産凍結解除について合意があったと述べたが、具体的な時期については明らかにしなかった。
主要な争点の一つはイランの核開発計画だ。
先週末の協議で、米国はイランが全ての核濃縮活動を20年間停止することを提案した。関係者によると、イラン側は3─5年間の停止を提案したという。
また、米国が高濃縮ウラン(HEU)をイラン国外に搬出するよう求める一方、イランは制裁解除を要求している。
トランプ氏は16日の発言を繰り返し、米国は「核の塵」を全て手に入れると述べた。これは、昨年6月に米爆撃機によって破壊されたとされるイランのHEUを指している。
一方、イランの国営メディアはこれに異議を唱える関係筋の発言を報道し、意見の相違が続いていることを強調した。関係筋は「イランのHEUを米国に移送することに関する交渉はこれまで一度も行われておらず、当然ながらこの件に関して合意も存在しない」と述べたという。
<レバノン停戦が発効>
イスラエルとレバノンの間で合意された停戦協定は、レバノン軍がイスラエルによる違反が一部であったと報告しているものの、17日の時点では概ね維持されているように見えた。救急隊員によると、イスラエルの無人機攻撃によりレバノン南部で1人が死亡した。
停戦違反について、イスラエル軍からの即時のコメントはなかった>(以上「REUTERS」より引用)
イスラエルとレバノンの間で合意された停戦協定は、レバノン軍がイスラエルによる違反が一部であったと報告しているものの、17日の時点では概ね維持されているように見えた。救急隊員によると、イスラエルの無人機攻撃によりレバノン南部で1人が死亡した。
停戦違反について、イスラエル軍からの即時のコメントはなかった>(以上「REUTERS」より引用)
「イラン、ホルムズ海峡を開放 トランプ氏「戦争終結の合意間もなく」」とのニュースが届いた。どうやらイラン国内で政変が起きて、政治の実権をイラン革命政府がイラン革命防衛隊から奪い取ったようだ。それによりイラン戦争停戦協議の二つのデッドロックが解決したとみて良い。
一つのデッドロックはホルムズ海峡航行の自由だ。イラン革命政府はホルムズ海峡航行の自由を保障するとしたが、しかし未だにイラン革命防衛隊はホルムズ海峡を通過するすべての艦船は「イラン革命防衛隊の許可を得るように」と広報している。イラン革命政府と若干の温度差を感じるものの、ホルムズ海峡は航行の自由を取戻したようだ。
もちろんイラン国民のためには神権を背景にしたイラン革命政府が瓦解して、イラン国民による民主政権が樹立されることが望ましい。ハメネイ師が爆殺された後、次男のモジタバ師が後継指名されたが、それこそが王朝制と何ら変わらない「独裁体制」でしかない。
イラン革命防衛隊はイランのオイルマネー利権を手放したくないため、ホルムズ海峡の管理・支配を諦めないだろう。そのため、トランプ氏は停戦協議が「完全に終了するまで」米海軍艦艇によるホルムズ海峡封鎖を続けるとしている。ただし、船籍と行く先を確認したなら、イランの港から出港した船舶以外のすべての船舶の航行の自由を保障する、としている。もちろんイラン革命政府のアラグチ氏もホルムズ海峡の航行の自由を宣言している。
もう一つのデッドロック「イランの核開発放棄」に関してもイラン革命政府からある程度の言質が取れたようだ。しかしイラン革命政府が突然物分かり良くなったわけではない。イラン革命政府が米国の提起した条件に譲歩したのには、それ相当の理由があるのではないか。
それ相当の理由とは政権の足元を飢えた国民の怒りが揺るがしてきたからではないか。イラン革命防衛隊も米海軍艦艇によるホルムズ海峡逆封鎖でイラン貿易の90%を止められ、利権が入らなくなり戦費が枯渇したのだろう。それでなくても圧倒的な米軍の攻撃で、イラン革命防衛隊の兵士が脱走しているという。
米海軍艦艇による逆封鎖はイラン国民の生命線を断つだけではなく、イラン革命防衛隊兵士の食糧も断つことになる。原油輸出が止まれば資金が枯渇するだけでなく、食料輸入もできない。1000発のミサイルがあったとしても、それで飢えは満たされない。イラン革命防衛隊はホルムズ海峡を支配すると宣言しているが、果たしていつまで続くだろうか。
イランからの情報に一喜一憂することはない。早晩、イラン革命防衛隊は雲散霧消するだろう。彼らこそ「金の切れ目が縁の切れ目」だ。「大変だ、大変だ」と大騒ぎしないで、じっくりと待てば良い。