「スマートフォンを見ていた」6人死亡の新名神事故、54歳運転手を起訴 過失致死の罪

<三重県亀山市の新名神高速道路で3月、大型トラックが乗用車に追突し6人が死亡した事故で、津地検は9日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪で、大型トラックの運転手、水谷水都代容疑者(54)=広島県安芸高田市=を起訴した。

 捜査関係者によると、水谷被告は「スマートフォンを見ていた」「直前にブレーキを踏んだが間に合わなかった」との趣旨の供述をしている。
 事故は3月20日未明、亀山市安坂山町の下り線のトンネル出口付近で発生。大型トラックが静岡県袋井市の男性(45)ら一家5人が乗るミニバンに追突、弾みで埼玉県草加市の男性(56)のスポーツタイプ多目的車(SUV)に衝突し、計6人が死亡した>(以上「産経新聞」より引用)




「スマートフォンを見ていた」6人死亡の新名神事故、54歳運転手を起訴 過失致死の罪」とは、実に憤懣やるかたない。行楽地へ向かっていた一家五人全員が一瞬の追突と車両火災によって命を奪われた。また単身赴任の56歳男性が帰省中に命を奪われた。それが一人の運転手がスマホを見ていたからだ、というのだ。
 もちろん運転中にスマホを見ることなど言語道断だ。しかしスマホを見ていなくてもワンオペの運転手が運転中に突然体調を崩して人事不省に陥ることは皆無とは言えない。そうすると三十トンもあるような大型トラックが暴走することになる。そうした事態を想定してトラックを製造していないとしたら自動車会社の製造品に関する安全性確保の姿勢が問われても仕方ないのではないか。

 現代の国産乗用車は、緊急時のブレーキ力を補う「ブレーキアシスト」や「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)」の装着が、軽自動車を含め新型車でほぼ義務化・標準装備化されている。トラックは、新型車を中心に順次衝突被害軽減ブレーキAEBS装備の義務化が進んでおり、現在販売されている多くの大型・中型・小型トラックで標準装備化されている。
 ただ総重量8t以上の大型トラックには 2021年11月以降の新型車において、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)の装着が義務化されている。ただ中型・小型トラックでは2025年12月以降に販売される新型車において、衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化される予定になっている。だが義務化に先立ち、主要メーカー(いすゞ、日野、ふそう、UDトラックス、トヨタなど)は、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、側方衝突警報装置(左折時の巻き込み防止)などの安全装置を多くのモデルで標準装備としている。

 事故を起こした大型トラックにはAEBが装備されてなかったのだろうか。運転手がスマホを見ていたとしても、障害物が急接近していれば何らかの警報音が鳴らなかったのだろうか。
 ただ現在の衝突被害軽減ブレーキは主に街中(低速・中速)での歩行者や車両衝突回避を想定して設計されており、高速域ではカメラやレーダーが障害物を正しく認識できないようだ。従って 高速で走行している場合にはシステム設計上では衝突を「完全に回避」するのではなく、衝突時の速度を落として「被害を軽減」する動作を優先するようになっているようだ。いずれにしてもAESが装着されていれば、今回のような悲惨な事故は防げたかもしれない。

 またAESだけでなく、運転手が運転中に前方から視線を手元に落とすなどしたら警告が鳴るようにしておく必要がありはしないか。ことに長距離を運行するトラックなどでは注意散漫になったら、トラックが運転手に注意喚起するような装置が必要ではないだろうか。
 やがてすべての自動車は完全自動運転に移行すると想定されているが、それまでにも人の運転が安全であるようにアシストする機能が充実して、一人でも犠牲者を少なくして欲しいと願う。

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