巨像と素人像使い集団が、トランプ政権の実態ではないか。

<ー交渉未開始だが合意は可能-JPモルガン主催の会合で投資家に語る
 ートランプ氏は中国と合意する環境整えている-ホワイトハウス報道官

 ベッセント米財務長官は22日、投資家との非公開の会合で、関税を巡る中国との対立は長くは続かず、緩和していく見通しだと述べた。会合の出席者が明かした。
 会合は、JPモルガン・チェースがワシントンで主催した。国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季総会のサイドイベントで、メディアなど一般には非公開だった。出席者によると、ベッセント氏は、中国との交渉はまだ始まっていないが、合意は可能と述べたという。
 ベッセント氏は、中国とのデカップリング(切り離し)が米国の目標ではないと発言。今後数カ月で米中間の緊張が緩和する可能性があるとの楽観的な見方を示した。ただ、より包括的な合意に至るには時間がかかるとも述べ、慎重な姿勢もにじませた。

米財務省は、コメントの求めに今のところ応じていない。
 ベッセント氏の発言が報じられた後、米国の主要株価指数は上げ幅を拡大。S&P500種株価指数は一時2.9%上昇した。投資家らは同氏の発言を、米中対立の暗い見通しを変える材料として受け止めた可能性がある。
 この日はベッセント氏以外のトランプ政権当局者からも、関税を巡る交渉の進展を印象づけようとする発言が続いた。ホワイトハウスのレビット報道官は記者会見で、現時点で18カ国から貿易を巡る提案が示されており、今週中に政権の担当チームが34カ国との協議を予定していると述べた。
 また同報道官は「貿易を巡る中国との合意の可能性については非常に順調に進んでいる」とトランプ氏から説明を受けたとも語った。ただ、トランプ氏と中国の習近平国家主席との間で実際に電話協議が行われたかどうかについては明言を避けた。
 ニュースサイトのポリティコはこの日、トランプ政権が日本およびインドとの貿易交渉で基本合意に近づいていると報じた。ただ、争点に関する詳細の多くは今後の協議に持ち越される可能性が高いという。報道によると、政権当局者は今後の合意に向けた包括的な「枠組み」や「覚書」の形で合意文書を交わす方向で調整を進めている>(以上「Bloomberg」より引用)




 米紙Bloombergに「米財務長官、中国との緊張緩和に期待感示す― 合意の可能性に言及」との見出しがあった。開始以来三ヶ月が経過したトランプ政権は「一致団結したチーム」との印象ではなく、巨像のトランプ大統領と数人のアマチュア像使い、といった印象だ。
 もちろんアマチュア像使いの筆頭はマスク氏だがヴァンス副大統領もその部類に入る。しかも政権全体をまとめる役者にも不足している。若いだけでキャリアも何もない報道官にはトランプ氏の虚言を適宜訂正する能力もない。トランプ氏が「日本では米国車にボーリング球を約6mの高さからボンネットに落とす強度試験をしている」との発言に、日本人のほとんど全員が笑った。

 また「ニュースサイトのポリティコはこの日、トランプ政権が日本およびインドとの貿易交渉で基本合意に近づいていると報じた」とあるが、日本国内で報道される石破政権のトランプ関税への対応を見る限りでは基本合意に近づいているとは思えない。トランプ氏が米国産米の対日輸入を強く発言し、日本のマスメディアも国民に受け容れるように誘導報道しているが、日本国民は米国産米の輸入に対して強く反発している。
 食糧安全保障で米国は最後まで日本国民のコメを保障するのか、米国が押し付けた日米安全保障条約ですら「片務的だ」と批判しているではないか。当時の米国は日本が再軍備しないように航空産業の再興を禁じ攻撃兵器の開発を禁じ、その代わりに日本を攻撃する敵国に対して米軍が日本の自衛隊と共に反撃する、と定めた。そのような歴史をすっかり忘れて、「片務的だ」と日米安全保障条約を語るのなら、米国産米を大幅に入れて日本国内のコメ生産能力をこれ以上落とすのは食糧安全の観点から危険だ、と日本国民の多くが懸念するのは当然ではないか。

 トランプ関税は「中国とのデカップリング(切り離し)が米国の目標ではない」とベッセント氏は発言したという。それなら何が目的なのか。トランプ氏の気紛れで140%以上もの関税を中国に課している、というのだろうか。WTO体制下の国際貿易でトランプ関税は認められるものではないし、いつまでもトランプ氏の横暴を世界各国が容認するものではない。
 今のところ、中国以外の国に対して90日間の猶予期間を設けているから大騒動になっていないが、トランプ氏は歴代の米国大統領が築いて来た同盟国や友好国との国際関係をすべて破壊しても良い、と考えているとしたら大間違いだ。米国一国だけで世界が成り立っているわけではない。

 トランプ氏は日本が在日米軍の経費負担が「少ない」と不満を鳴らしているが、基本的に在日駐留米軍は米軍兵士の給与しか負担していない。他の駐留経費はすべて日本政府が負担している。その上で、日本政府は米軍が日本の国内基地を利用して極東からアフリカ東岸まで広範囲に軍事活動している現実には目を瞑っている。
 かつてトランプ氏は大統領として訪日する際にエアホースワンで横田基地に乗り付けた。それこそ日本の国家主権を踏み躙る愚行だが、彼にそうした自覚がないか、あるいは進駐軍司令官マッカーサーの真似をしたかったのだろうか。それなら彼はコーンパイプを咥えるべきだった。

 政治家として訓練されたことのない大統領を米国は戴いている。何でも大統領令で乗り切れると勘違いしている。大統領令は万能ではない。現行の法律の範囲内で命令するため効力には限界がある。議会は法改正に時間がかかるものの、政策実行においては強力な権限を持つ。新たな法律をつくって大統領令を覆すこともできる。
 さらに野党や地方政府、企業、民間の団体が大統領令の無効を求めて提訴することもある。裁判所で違憲判決が出れば大統領令は効力を失うのは当然だ。トランプ氏は第1次政権でも多くの大統領令を出したが、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の配信を禁じる大統領令に署名したが、裁判所が一時差し止めを命じる判断を示した。

 トランプ関税による全米デモが繰り返されているが、90日間の猶予期間が過ぎて現実に先進諸国からの輸入に数十%もの関税が掛けられるようになると、米国の消費者物価が高騰することになる。なぜなら関税対象とされた物品を米国内ですぐに生産することは不可能だからだ。そしてたとえ生産できたとしても、国内生産が高くつくから外国での生産に切り替わった経過を見れば、やはり消費者物価が高騰するのは避けられない。
 だからトランプ関税は中國だけを対象にしたものでなければならない。つまり対中デカップリングの一つの選択肢としてトランプ氏が選んだことにしない限り、トランプ氏は多くの米国民の支持を失うだろう。ことにトランプ氏を支持した貧困層は消費者物価高騰の直撃を受けるため、彼の支持者たちの多くが彼の許から去るだろう。つまり一年後の中間選挙で大敗して、トランプ氏は残り二年間をホワイトハウスで引籠り生活を余儀なくされることになる。

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