無責任の横行する行政。

園児を殴ってけがを負わせたとして、福岡県警は21日、同県宗像市の私立認可保育所「日の里西保育園」の副園長清原こづえ容疑者(40)(福岡市中央区白金1)を傷害容疑で逮捕した。
 宗像市には2016年度以降、清原容疑者に暴力を受けたなどの苦情・相談が計11件寄せられ、県と市が指導していた。同園では職員の退職も相次いでおり、県警は園の運営実態を調べている。
 発表では、清原容疑者は6月26日、園内で、あおむけに体を反らせる「ブリッジ」をしていた男児(6)の顔面を手で殴り、打撲など全治2週間のけがを負わせた疑い。「ブリッジの途中に泣いていたので、励ますために両頬に触れただけ」と容疑を否認しているという。
 清原容疑者は男児の母親に対し、「どこかにぶつけたかもしれない」と説明。男児が母親に「ブリッジ歩きの時に、他の人より少し遅れたからたたかれた」と話したため、県警宗像署に被害届を出した。
 宗像市の聞き取りに対しても、清原容疑者は「手が当たったかもしれない」と意図的な暴力を否定したが、市は7月上旬、園長を務める清原容疑者の母親を通じて口頭で指導した。
 市にはその後も、別の保護者から「(子供が)肩と頭を押さえられて口の中を切った」との苦情があり、清原容疑者も行為を認めたため、市と県は9月上旬に再発防止を指導したという。
 県警などによると、清原容疑者は11年に副園長となり、実質的に園を運営。途中退園する園児も多かったという。また、10年以降、60人以上の職員が退職していた>(以上「読売新聞」より引用)


 園児を殴ってけがを負わせたとして、福岡県警は21日、同県宗像市の私立認可保育所「日の里西保育園」の副園長清原こづえ容疑者(40)(福岡市中央区白金1)を傷害容疑で逮捕したという。以前から清原容疑者に暴力を受けたなどの苦情・相談が計11件寄せられ、県と市が指導していたというから言語道断だ。
 こうした指導し取り締まるべき立場の行政機関が適切な措置を講じて来なかった、という「事件」が頻発しているのはなぜだろうか。兵庫県の複数の教師による教師に対するイジメでも以前から教育委員会はそうした事実を承知していたという。

 児相が適切に虐待時に対応して来なかったために乳幼児が殺害される事件も相次いでいる。なぜこうした行政に設置された組織と権能が適宜機能していない事件が目立つのだろうか。
 確かに上記引用記事では保育園の設置管理者や他の保育士たちはどうしていたのか、という疑問がある。仲間の不適切な保育実態を見逃していたのか、あるいは副園長という立場に遠慮して指摘できなかったのだろうか。

 あらためて指摘するまでもなく、保育園の主人公は乳幼児だ。彼らがいなければ保育園そのものが不要だ。その主人公に対して、適切な「保育」を行うために様々な環境整備を行い、保育士という有資格者を配置して保育に当たっている、はずだ。その「はずだ」という点を実行ならしめるために行政に対応すべき部署が置かれている。そこにも税で給与を支払われる公務員が貼りついている。
 こうした二重三重の「安全装置」があるにも拘らず、適切な保育が行われていなかった。「適切な保育が行われていない」という指摘が行政に11件もあったというが、それに対して適切な指導と措置が講じられなかったという事実を重く受け止めなければならない。まさか無能揃いというわけでもないだろう。

 清原容疑者は11年に副園長となり、実質的に園を運営。途中退園する園児も多かったという。また、10年以降、60人以上の職員が退職していたという。それこそ「日の里西保育園」で非常事態が起きている、という証ではないだろうか。
 そうした「警報」に対しても市の担当部署無反応だったとしたら保育園に火どもを預ける親は何を頼れば良いのか。市当局だけてぜはない、市議会議員たちは何を見ていたのか。すべてを「任せっぱなし」にして責任から逃れるのを無責任という。

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